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手がかり、足がかり
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しおりを挟む私たちの訪問に驚きつつも、ギルド長は応接室らしい所に案内してくれた。
当然、こんな時間にどうしたのか聞かれる。
私は、エドウィン様の許可を得て、目的を話した。
破魅の宝玉が欲しいこと、そこに行くまでには、恐らくドラゴンと戦う事になること。
「私は、精神攻撃に耐性があります。
魔法も、かなり使えます。
私を守る必要はありません。
ただ、連れて行って欲しいのです」
「『破魅の宝玉』は、お伽噺の中の宝物ではないのか?」
当然の疑問。私も真摯に答える。
「正直、わかりません。
ですが、私には、絶対に必要なものなのです」
私の真剣な眸を見て、隣のエドウィンの諦めたような表情を見て。
グスタフさんは、頬を掻いた。
「うーん、そうは言ってもなぁ……
…わかりました、まず2、3回、浅いところまで一緒に潜ってみましょう。
それで判断するのは如何ですか?
冒険者ギルドでは、12階層まで把握しております。
皇宮の方では?」
「同じく12階層だ」
「では明後日出発して西のダンジョン近くの街に5日後到着、その翌々日から何度か5階層辺りまで潜ってみましょう。
必要な物をリストにしておきますので、準備しておいてください。
共同で使うものや宿は、こちらで準備しますので。
——言っておきますが、一緒に行くからには、冒険者として扱いますぜ」
…イケオジにウインクされた‼︎
ちょっと赤面した私に、あからさまにムッとするエドウィン様。
噴き出しそうなグスタフさん、イタズラはやめてください‼︎
この雰囲気、どうしてくれるの‼︎
私は慌てて口を開いた。
「あ……ありがとうございます‼︎
エドウィン様も‼︎」
「呼び方が気に入らないけど、人前だし許そうか。
私も行きたいところだが、精神干渉に対して自信が無いのでね。
———頼む、グスタフ」
「出来る限りのことはしましょう」
冒険者らしい返し。
『絶対』ではないことは、言わない。
私は、気を引き締めた。
認めてくれたエドウィン様のためにも、絶対無事に帰るわ———
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