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第四十三話.豪華な馬車

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 2人と朝の挨拶をし快適に目覚めた。

 昨日の夜もいつも通り、むしろいつもより激しくお楽しみ、愛乳めにゅうを飲んだ。

 契約通りシルフィーユが見張りをしてくれた。毎回お酒一杯でいいらしい。気に入ったようだ。

 トイレがないのと、かけ湯がないこと以外は問題ない。お湯は収納してあるので、お湯で体は拭いた。

 
 2人の体を手ぬぐいで拭いてあげたのだが、脇もスベスベだった。

 アルフィーもシルフィーも2人とも脇毛がないのだ。

 もともとないらしい。この世界の女はないのが普通のようだ。

 俺も脇毛はなく。アソコにうっすらと産毛があるだけだ。

 アルフィーとシルフィーはアソコにも毛がない。天然パイパンだ。


 ものすごくエロい。

 
 旅をしていても生えてこないのはありがたい。

 トイレは穴を掘った。

 一応2人のために簡易テントで、隠れてできるようにはしてる。雨の日もあるしな。

「テント小屋作ってもらってよかったな」

「そうね。でもこんなに快適だとは思わなかったわ。ほとんど宿と一緒よ」

「トイレだけはちょっとアレですけどね」

 アルフィーもそこだけは気になるらしい。


「そこはどうしようもないな。便器とう〇こを収納するわけにはいかんだろう」


「考えるとシュールね。贅沢はいわないわ」

「そうですね。ほぼ理想に近いですからね。贅沢を言ったらバチがあたりますね」

 さっとベッドを収納し中で朝食を食べた後、身支度をして外にでる。

 テント小屋、トイレテントを収納し出発した。

 
「朝は気持ちいいな」

「低いけど山ですから、空気がおいしいですね」

 鳥のさえずりも聞こえる。

「あっ下から馬車が来るわ。急いでるみたい」

 シルフィーが感知したようだ。

 
 皆で端に寄って馬車を見送った。二頭立ての馬車が、坂道を急いで駆け上がっていった。

「結構豪華な馬車だな。貴族かな」

「そうでしょうね。なにかあったんですかね」

「なんにしても私達には関係ないわね」

 シルフィーは興味なさそうだ。

「それもそうだな。いつかは俺達も馬車がほしいな」

「それはいいわね」

 
 俺達はゆっくり歩いて山を登った。

 しばらく歩いていると、

 ーズワシャ!ザザーガンガン

 山の上のほうから物凄い音がして地響きが感じられた。

「土砂崩れか!?」

「はっ。さっきの馬車大丈夫でしょうか」

「不味いわね」

 急いで上のほうに上って行った。



 山道の頂上に差し掛かる途中で、土砂と岩が崩れて道をふさいでいた。

 馬車は手前で止まったらしく、直撃は避けれた感じだ。

 ただ、小さな岩や、土、木々などが馬車の車輪にかかっており、若干傾いて止まっている。

 すぐには動けないだろう。

 馬車の周りで数人、従者と、執事、お手伝いさん、騎士達が騒いでいる。

 近づいてみると馬が後足を負傷しているのか、足から血を流して苦しそうにビッコを引いている。

 折れているように見える。

「大丈夫ですか!?」

 馬を見ている従者に声をかけた。

「危ない所だった。急に岩が落ちてきたんだ。直撃は避けれたが馬が怪我しちまった。足の折れた馬は助からん。どうしたもんか」

 皆どうするかで言い争っている。急いでいるらしいが、岩をどけない事には動けない。馬も負傷してしまった。

 皆頭を抱えていた。

 すると、アルフィーが馬に近づいて馬の頭をやさしくなでた。

「危ないぞ!怪我をした馬に触るな。蹴られるぞ!」

 従者と、気づいた騎士達が注意する。

「大丈夫です。回復呪文大《ハイヒール》!」

 アルフィーが優しく怪我をした馬の足に触れ呪文を唱えた。手がうっすら輝いたかと思ったら、曲がった足がまっすぐになり、血も綺麗になくなった。


「おおおーーー!!」


 皆が驚く。もちろん俺も。

「なっ回復呪文大《ハイヒール》だと! ……司祭様ですか? いや、戦士のようだが……」

 周りの人が一斉にアルフィーの周りに集まった。

「Dランク冒険者PTトライアングルのアルフィーです。かわいそうなので、治療しちゃいました。他に怪我をされている方はいませんか」

 アルフィーが微笑んだ。

 おおっ。天使だ。天使に違いない。

 アルフィーの言葉を聞いて皆うなづいた後、女騎士が一人こう言った。

「ありがとうございます。馬を治して頂いて。実は、お嬢様が病気で今馬車の中にいらっしゃるのですが、見ていただけませんか」

 どうやら病気の治療のために急いでいるようだった。

「わかりました。私でよろしければ診させてもらいます」

「おおっありがたい。ではお願いします」

 女騎士が馬車に案内する。

 狭い馬車の窮屈な寝台に、苦しそうな息をして寝ている可憐な女の子がいた。

 顔色が見るからに悪い、だいぶひどそうだ。

「エルさん。テント小屋をだしてもらえませんか」

「わかった。ベッドもだよな」

「はい」

 治療するのに、場所が狭すぎるのだろう。俺は道の端にテント小屋を出した。


「おおおー!!」


 皆驚くが、無視してお嬢様を中のベッドに寝かせてもらった。

 アルフィーに魔導士の杖を渡した。

 アルフィーと、女騎士、お嬢様だけが中に入った。

 しばらくして、アルフィーが出てきて、魔力回復ポーションを要求したので渡した。

 また、アルフィーは中に入った。

 その間、俺たちは山道を塞いでいる岩や石を片付けた。

 岩を収納して、端に出す。

 繰り返すうちに何とか馬車一台が通れる幅が確保できた。

 馬車の車輪に木が挟まっている。

 一生懸命従者が取ろうとしているが、かなり大きな木が絡まるようについていて取れる気配がない。

「俺に任せて」

 これも収納してどかすと、騎士や執事、お手伝いさんも驚き、散々褒められた。


 気持ちいいな。


 そうこうしてるうちに、女騎士が出てきた。

 女騎士はお嬢様を抱えている。

 だいぶ顔色が良くなっていた。

 すやすやと寝ているようだ。

 女騎士は馬車にお嬢様を寝かすと降りてきてこう言った。

「アルフィー殿には、お嬢様を助けていただいて本当に感謝しております。まさか、状態回復大ハイリジェネまで、お使いになられるとは。まさに神のお導き。この御恩は忘れません」

 女騎士(サマンサ)が心からお礼を言った。

 お嬢様は、南の辺境伯の娘で、コーネリア・サンタマルタさんらしい。

 出先で病気になり、薬も効かないので急いで自分の領地に帰るところだった。

 この辺は、他の領主の土地なのだが、領主は南の辺境伯の寄子にあたり、実質部下みたいなものだ。

 その領主らをまとめているのがサンタマルタ辺境伯で、コーネリアはその娘さんらしい。


 偉い人でした。


 どうやら、毒が体に入った可能性が高く、回復呪文大《ハイヒール》では治らなかったため、状態回復大ハイリジェネを使ったようだ。

 魔力ポーションを使ってやっとだったようで、アルフィーがフラフラだ。まだベッドで寝ている。

 女騎士(サマンサ)は首から、サンタマルタ家の紋章が入ったメダル付のネックレスを外し、俺に渡した。


「いずれ改めて、お礼をさせていただきたい。これをもってサンタマルタに来てください」


 と礼を言った。

 皆も口々にお礼を言って。馬車に乗って出発した。

 俺たちはしばらくテント小屋で休憩した。アルフィーが寝ていたからだ。

 暇なのでシルフィーは山に狩りをしに行った。しばらくしてウサギを2羽取ってきた。

 昼になり、アルフィーが起きたので、昼飯を食べてから出発した。

「大変だったなアル」

 アルフィーの頭をなでる。

「ええ、ちょっと無理しちゃいました。でも彼女が良くなって安心しました」

「毒でも盛られてたの?」

「もしかするとそうかもしれません。貴族の方でしょうからいろいろあるかもしれませんね」

「サンタマルタの辺境伯の娘だって言ってたぞ」

 アルフィーにネックレスを見せた。

「まぁ、そんなに偉い方だったんですね。びっくりです」

「すごい感謝してたわよ。きっといっぱいお礼がもらえるわね。サンタマルタにも寄らないとね」

 シルフィーが悪い顔をしている。

「王都に行く前にサンタマルタにも寄る予定でしたから、楽しみが増えましたね」

「そうだな。あまり期待せずに行こうか」

 アルフィーも完全に回復したわけでもないので、適当なところでテント小屋を出し早めに休んだ。

 シルフィーはまた、狩りに行ってウサギを2羽取ってきた。
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