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第五十九話.イースの町 7 エアシル城

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 ゴリブリンの城を貰った俺達は、野営地から戻りその日からゴリブリンの城に入り城内の探索を行った。

 外見は山そのものであるその城は、岩山が繰り抜かれて作れたような外見である。

 1階の大きな城門入口から入ると、その左右には子扉に通じる通路がある。通路から階段で回りこむようにあがっていくと2階のバルコニーがあり、ちょうど城門の上に出る。ここから外の敵を狙撃できるのだ。

 また小扉の前には見張り兵用の部屋がある。

 守りは堅く、攻められても簡単に落ちる城ではない。

 だが、誰も攻めてくるやつはいないだろう。なんせ山奥で他に何もないからだ。

 
 城門を空けて入口正面から奥までは広い通路があり、左右に40畳はある大部屋が2つ、奥には一番広い200畳くらいの大部屋がある。(パーティーでもするのだろう)

 正面を左に曲がると下に階段があり、降りると地下に部屋が並んでいる。俺達が最初いたような部屋で、6畳くらいの1人部屋が16個、10畳くらいの2人部屋が16個、12畳くらいの3人部屋が8個と14畳くらいの4人部屋が6個、6人部屋が3個。全室ベッドにソファー、トイレと風呂付で空調も快適、完全にホテルのようだ。

 奥に40畳くらいの大部屋が2つ。これは倉庫か配膳室だろう。宴会場かもしれない。

 正面を右に曲がると上る階段があり、上がると2階の王座の間だ。

 2階の王座の間の左右には部屋がずらりと並んでおり、奥から、大部屋が2つ(ジェネラルの部屋)中部屋(ハイリーダーの部屋)が4つ、合計12の部屋が並んでいる。

 王座の奥が王の部屋だ。50畳位あるだろうか。俺達がそこを使う。

 左のジェネラルの部屋をクライフ達3人が使用し、右側のジェネラルの部屋をウエスタン達が使用する。

 将軍の部屋にふさわしく、15帖位の部屋だ。手前に応接セット、奥に事務机がある。横の寝室に大きなベッドがあり十分に暮らしていける。

 トイレも風呂もついている。魔道具でお湯も入れられるようだが使った形跡がない。魔物は使わないのだろう。お風呂の浴槽の上にある魔道具を押すとお湯がでた。

 もしかしたら、ゴリブリンはもともと存在していた城に、住み着いただけなのかもしれない。

 俺達は王の部屋だが、中に入れるのは俺達しかいないのでいろいろ実験してみたが、外から呼べば分かるようだった。

 中の声は外には聞こえないようだ。安心して天国へ行けるな。

 天井には魔道具のシャンデリアや、照明があり、壁にも松明風の魔道具照明がついている。

「これ、ホテル宿屋にして営業しても、やっていけそうだな」

 改めて見るとものすごいおしゃれな城なのだ。

「本当ね。もともとはホテル宿屋だったんじゃないの?」

 シルフィーも同意する。

「かもしれないな」

「いや、素晴らしい城ですな。維持するだけでも家臣を雇う必要があります。エルヴァン様。差し当たってお金はどうしましょうか」

「とりあえずこれを使ってくれ、すべてクライフに任せる」

 俺は宝箱をだした。

「おおおお!! なんと、まだ宝箱があったのですか。いや、これだけあれば何でもできますが……。すべてお預かりしてもよろしいのでしょうか」

 クライフが宝箱を見て遠慮するように俺を見る。

「ああ、実は奥にまだあるんだ。だが贅沢はするなよ」

「はい、お任せください」

 クライフは自分の荷物を部屋に出して、宝箱を回収した。

「当分ここで暮らすのか、なんか広すぎて落ち着かないな」

「そうですね、下の大広間で食事するのもなんですし、この開いているジェネラルの部屋をリビングにしましょうか」

「そうだな。広すぎて気持ち悪いもんな」

 結局自分たちの部屋以外に、一つのリビングだけを使用して生活する事になった。

 要らない物を収納し、机と椅子を並べて食事部屋と変貌したリビングで食事をする。

 俺、アルフィー、シルフィー、ウエスタン、オスマン、クライフ、ソニア、タニアの8人だ。

 ビーフシチューと香ばしい茶色パン。サラダに果実酒を出した。

「今日から俺達は、一つの家族だ、お互いに協力し合って生きていこう。縁あってここに住むことになったが、気を遣わず自然体で、楽しく生きていきたい。クライフは貴族になりたい目標があるようなので、協力はするが、すべて任せるので、自由にやってくれ。俺は、悪いが出世に興味がない。アルとシルと幸せに暮らせればそれでいいんだ。ウエスやオスマンもそうだろう。一応ここを拠点とするが、旅を続けたい。城主代理はクライフだ。いいな」

「はい。ありがとうございます。エルヴァン様」

 クライフが頭を下げて感謝する。ソニアとタニアも頭を下げた。

「クライフ、俺達だけの時は様はやめてくれ、今まで通りにしてほしい。皆もだ。まあ、ウエス達は変わらないからそのままでいてほしい。よろしくな」

「「「はい」」」

「じゃあ、カンパーイ!」

「「「カンパーイ!」」」

 皆で酒を飲み食事を楽しんでいろんな話をした。

 夜遅くまで語り合い。今日はとりあえずお開きになった。

 これから時間はいくらでもあるしな……。


 俺達三人は王の部屋へ行く。豪華な大きなお風呂がある。魔道具を操作してさっそくお湯を入れてみる。

 ジャブジャブとお湯がすぐに溜まってきた。

「すごいわね。これ6人くらいは入れるんじゃない?」

 シルフィーの目が輝いている。

「ああ、贅沢だな。さすが王の部屋だ。夢のようだな」

「お湯に入るなんて初めてです。もうそろそろよさそうですね」

 アルフィーも初めての大湯を嬉しそうに眺めている。俺もこの世界でにお初めてのお風呂だ。ワクワクする。

 3人で裸になると、ゆっくりと湯船につかる。

「あーーー」

 思わず声が出る。

 いやあ、気持ちいいな。

「すごいわ。蕩けちゃいそう」

「すべてを忘れそうになりますね」

 シルフィーもアルフィーもおっぱいが浮かんでる。

 当然もむ。まずはシルフィーのだ。

「あんっもう。スケベな王様ねぇ」

「ああ、俺は裸の王様だ」

 アルフィーの国宝ももむ。

「うんっでも王様のおかげで、こんなすごいお風呂に入れました」

 アルフィーが本当に気持ちよさそうにしている。

「運が良かったな」

「そうですね」

「そうね。信じられないわね……。2か月前はホームレスだったのよ」

 シルフィーが豪華な風呂の天井を眺めながらしみじみとそう言った。

 確かにそうだな、いつかは家でも欲しいなとは思っていたがそれよりも先に、いきなり城持ちになってしまった。考えてみるとすごい事だな。しかも宝物庫のお宝もある上に、すごい設備もついた城なのだ。あまりの幸運に少し怖い気がしてきた。

 アルフィーも少しそう思ったのか、俺を見つめて。

「こんなすごいお城を手に入れて騎士になるなんて、エルさんこれからどうするんですか……」

 どうするんだろう。

「アルはどうしたい?」

「私は、できれば今まで通りがいいですね。もう少しいろんな所に行ってみたいです」

「そうだよな。お金もありすぎると、どうしていいのかわからないよな」

「そうよね、あんなに欲しかったお金が、もうどうでも良くなっちゃったわ」

「ああ、何事もほどほどがいいな、よし、外で洗おう」

 王様の風呂と泡にまみれたおっぱいを十分に堪能したあとは、寝室に入りベッドに飛び込んだ。

 ベッドは大きくふかふかで飛び跳ねるように天使と妖精と天国へ行き、愛乳めにゅうを飲んで幸せに気を失った。


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