幼馴染みが皇帝になった件

日下奈緒

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第5章 君しかいない

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「大事な場面で申し訳ないですが、皇帝閣下。母上様がお呼びです。」

「こんな時に?」

「こんな時だからこそです。」

ヴィックとイーヴさんは、しばらく顔を見合わせた。

「解かった。アンヌ、急いで会ってくるから、そこを離れないで。」

「うん。」

そう言ってヴィックは、部屋を出て行った。


残されたのは、私とイーヴさんだけ。

気まずい。


「アンヌ。よくぞ、断ってくれました。」

「はい……」

やっぱり聞いてくれたんだ。

「だが、皇帝閣下の愛は深い。君を妻にできないのであれば、一生独身でもいいと仰られた。」

「すみません。」

「いや、考えようによっては、君に皇帝閣下の子供を産んで貰うと言う事もある。」

「ええっ!?」

本気なの?イーヴさん。

「アンヌ。ここは一つ、決心してくれないか。」

「イーヴさん。」

それって、私にお妃になれって事!?

「もちろん、妾としてだが、宮廷教育は施す。どこに行っても、皆が納得する貴婦人にする。約束しよう。」

私は、ゴクンと息を飲んだ。

「アンヌ。これは国の為だ。承諾してくれるね。」
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