マイフェアレディ〜♪拗らせ公爵と精霊王に溺愛されてます。

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自分の罪は棚に上げたサンドラは
少し寒気を感じながら
「グズどころか悪魔よね!気味の悪い!」
と 痛い手を擦りながらシャルの部屋を
出ていった

『シャル大丈夫?怪我してない?』
『見せて なんともないようだね
もう びっくりしたよ!』
「ゴメンね だってハサミで切られたら……それより 二人共ありがとう ネックレス取られないで済んだ」
『『それ 私達じゃないよ』』
二人共首を横に振る
「え!それじゃ……?」
『多分ね結界が張られてるんだと思うよ』
「サーちゃん……」
結界……ますます自分の家族 自分が
分からなくなってきた

とりあえず荷物をまとめて鞄に詰め込む
ネックレスは首にかけて
院長先生へ報告へ
サンドラのやった事は許せない
彼女の気持ちは 同じ孤児院の者として
分かる けれども………
考えて歩いてると 院長室へついた

コンコン

「どうぞ」

「失礼します」

「まぁシャル 準備は出来たの?」

「はい 全部でこれだけです」

「ちゃんと産着とかも入れたの?」

「はい………」

「どうしたの?何かあった?」
少し様子がおかしいと感じた院長が
「サンドラに何かされたの?」

「さっき……」

鞄から産着を出して 院長先生に
見せに行く

「何てこと………」
切られた産着を痛々しく見る
シャルに近づきそっと抱きしめる
「辛いでしょう……」
「まさかこんな事をするなんて……」
慰められて 感情が抑えきれなくなった
「泣いていいのよ もうサンドラと会うことも無いでしょうから 思いっきり泣いて 嫌なことはここに置いて行きなさい」
「院長先生……うっ…うっうぅ……」
それから泣いた 思いっきり
そうだ ここに置いていこう

しばらく泣いて
「どう?落ち着いたかしら?」
ずっと抱きしめてくれていた
大好きな院長先生
「はい 落ち着きました
先生 ありがとう」
いつもの敬語は無くて 幼い頃に戻って
ちょっと甘え気味
それが分かったのか
「あら 少しお利口さんのシャルから
幼くなったのね」
「へへ 今しか甘えられないだろうから
ちょっと甘えちゃいます」
「まぁまぁ いいわよ 暫くあえなくなりそうだから」
ギュっと抱きしめて数秒
「どうしても 嫌だったら帰ってきても良いのよ」
優しく話しかけてくれる
帰ってきても良いと

(家……って思ってもいいのかしら…)

『いいんじゃない?』
サーちゃん
『それ以外に無いと思うけど』
ディーちゃん

「先生 ありがとう 心に刻んでおきます」
にっこり
「やっと笑ったわね うふふ」

二人で笑顔になって 幸せに思っていると

「あら?このネックレスは?」

「そう!聞いてください
サンドラが産着を切ったんです!
そうしたら 服からこれが落ちてきて
彼女がこれを取ろうとしたんですが
結界に弾かれて手を痛めたみたいです」

「まぁ!そんなことを!」
信じられない様に口を手で抑えて
驚いた

「貴女は触っても大丈夫なの?」

「はい 多分先生も大丈夫だと思います」
先生にネックレスを差し出す
おそるおそる手を伸ばし

指で  

コツン

「ね?」

「本当ね」
恐怖が無くなったので
手のひらで受け取り ジッと石を見る

「オパールね 七つの色がとてもキレイに出てるわ」
「私に敵意のある人には結界が張られるのだと思うんです だから サンドラは…」

「そうね あの子は貴女に敵意むき出しですものね でもこれは貴女の為を思って作られているのよ 貴女は何か事情があるのかもしれないわね でもまだ全てが明らかになるには まだまだなのかもしれないわ まずは 男爵様のお宅で自分を高めていきなさい」
ネックレスをシャルにつけてあげる

服の下にちゃんとなおして
今度は服の上から石を握りしめ

「はい 行ってきます」







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