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魔王
孤児院で生活
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貴族やその部下の人達を送り返して一件落着。
やっぱりやり過ぎなんじゃ…?
みんな泣いてたよ…。
「これで懲りないなら本当に城ごと薙ぎ払うしかないわ。」
もう2度と手出しして来ない事を願うだけだね。
他にも悪質な事をする人はあの階層にご招待する事に決まった。
サチさんとマリさんにはエリストに移ったんだけど、敢えてエスペランサの代官の屋敷に居るのでは?というやや不確かな情報を流して様子を見る事に。
2人の替え玉には光竜王アルフィミアさんの部下2人がやってくれるそう。しっかりソックリに変身してくれていた。
その日の夜から警備を薄くしておいたら早速引っ掛かってくれた。
捕らえられたのは暗殺者4人だった。部下2人が一撃で昏倒させたので自決をする間もなかったらしい。
アルフィミアさんが幻惑の魔法で依頼主を聞き出すと、例によってリアードの貴族だった。
「はい、お仕置き決定。今度はドSミナの所に入れておきましょう。」
「その呼び方やめてください。」
リオさんが早速《テレポート》で貴族達を連れ去ってくる。
何を話しても惚けるだけなので、有無を言わさず暗殺者と一緒に《シャイターン》(通常)の部屋に放り込んできたらしい。
『またオモチャがきた。今度は何をして遊ぼう?』
『あははっ!どうしたの?もうお終いなんてつまらないよ?』
『あらら…取れちゃった。強く引っ張りすぎちゃったかなぁ?もう片方も取っちゃおうね!』
声にならない悲鳴をあげながら、死んでは生き返ってを繰り返している。
流石に可哀想じゃ…?
「何言ってるの、こんな性根が腐った連中は徹底的にやっておかないと。それに城ごと吹き飛ばされなかっただけ良しとしてもらわないとね。」
リオさん過激だなぁ…。
次の日は孤児院に行ってみる事に。
ユキさん、リオさん、ソラちゃんとウルちゃんオル君も一緒だ。
フィオレさんとは話したけど他のダンジョンマスターとは話が出来ていないからね。
孤児院の様子も気になるし。
樹海の迷宮の孤児院に行ってみると、外で魔法の訓練をしている子供達が見えた。
今回は風の竜王さんが教えているみたい。教え方が上手だからみんな簡単に魔法を覚えているよ。
よく見たら建物が2棟増えてる。
どちらも3階建てで、一つは宿舎もう一つは教室らしい。
3人の先生も相変わらずマイペースに教鞭をとっている。
そうだ…お給料って。
どうやらリオさんが払ってくれていたらしい。
「大丈夫、私が払ってるわよ。それよりあの3人ってなかなか優秀よね。どこで見つけて来たの?」
「ルブルスリウムの学園ですよ。クセの強い先生って言われてましたけどね。」
「よく言えば天才肌ってヤツかしらね。そうそう、孤児達の自立も出来て来ているし、ボーナスでもあげたらどう?」
「いいですね。授業が終わったら話してみましょう!」
3人に応接室に来てもらう。
「今日は日頃の感謝を込めてボーナスを出したいと思います。」
「ボーナス?」
タチアナさんに聞き返される。
そっか、そういう習慣がないんだね。
「ええと、特別な報酬です。」
「いいんですか?」
「もちろんです。お金で宜しいですか?」
「「はい。」」
「一つお願いが…。」
ローイさんとタチアナさんは直ぐに同意してくれた。マーシャさんからは何かあるらしい。
「はい、何でしょう?」
「その…お忙しいと思うのですが、ここの子達と一緒に居てあげられませんか?みんなミナさん達の事を尊敬しています。憧れの人達と少しでも同じ時間を過ごさせてあげたくて…私への報酬はそれでいいです。」
マーシャさんは小さな声で一生懸命話してくれた。
半年前も忙しくてここには来られてなかったね。彼女に言われてハッとなった。
「分かりました。でもそれはマーシャさんの報酬ではないので、マーシャさんにもちゃんとお支払いしますからね。」
「ありがとうございます!」
生徒思いの良い先生だね。
そんな訳で今日から3日間は孤児院で過ごす事になった。一緒に寝起きして、ご飯を食べて授業を受けてみる。
「本物?本物のミナ様?」
「ネコ耳と尻尾が付いて無いから本物だよ!」
「スゲー!本物だ!」
「少しの間だけどみんなと一緒に過ごさせてもらうよ。よろしくね。」
ウルちゃんは結構ここに来ていたんだね。
私の事を様付けしているけど普通に呼んで欲しいなぁ…。
他のみんなは「ユキお姉さん」「リオお姉さん」「ソラちゃん」って呼ばれてるのに私だけ…。
「ミナ様の事は皆によく聞かせていますので当然です。」
ウルちゃんが得意げに言っているけど違うんだよ。私も普通に扱われたいんだけど…。
私達4人は別々のグループに入って過ごす。グループは年齢別で分かれている訳ではなく、所謂タテ割りで年少者を年長者が面倒を見れるようにしているみたい。下は4歳、上は13歳でグループの人数は8人~10人。
それからご飯を作ったり洗濯をしたり掃除をしたりが当番制で、それぞれのグループが毎日交代でやっている。私のいるグループは今日は調理担当だった。
久し振りにちゃんと料理をするよ!
「ミナ様はお料理よくするんですか?」
「ううん、駆け出しの頃に大手のクランで教えてもらって覚えただけだよ。」
年長者の女の子が聞いて来たので調理をしながら答える。
「クランってどんな所なの?」
近くで皮剥きをしていた少年が目を輝かせながら聞いてくるので少し冗談を交えながらクランの事を教えていく。
「みんなは冒険者になりたいの?」
「うん!」「はい!」
「私は料理人になりたいです。」
年長の子以外は冒険者になりたいと言う。
「何になるにしても先生達の言う事をよく聞いて、いっぱい勉強しなきゃね。」
「冒険者は力があればいいんだろ?」
「そんな事ないよ。勿論戦う力は必要だけど、一番大事なのは大怪我をしないように知恵を使って仕事をこなしていく事だよ。」
そう、無鉄砲に突っ走れば大体ろくな事にはならない。私がそうだったからね。
「ミナ様は料理人はどう思いますか?」
「スゴくいいと思うよ。頑張ればきっとなれるよ!」
「はい!頑張ります!」
普通の職業に就きたいという子だってちゃんといる。そういった子の為に職業訓練の場も作ってあげないとね。
みんなで寝起きして同じ時間を過ごすのは新鮮で、あっという間に3日間が過ぎていった。
やっぱりやり過ぎなんじゃ…?
みんな泣いてたよ…。
「これで懲りないなら本当に城ごと薙ぎ払うしかないわ。」
もう2度と手出しして来ない事を願うだけだね。
他にも悪質な事をする人はあの階層にご招待する事に決まった。
サチさんとマリさんにはエリストに移ったんだけど、敢えてエスペランサの代官の屋敷に居るのでは?というやや不確かな情報を流して様子を見る事に。
2人の替え玉には光竜王アルフィミアさんの部下2人がやってくれるそう。しっかりソックリに変身してくれていた。
その日の夜から警備を薄くしておいたら早速引っ掛かってくれた。
捕らえられたのは暗殺者4人だった。部下2人が一撃で昏倒させたので自決をする間もなかったらしい。
アルフィミアさんが幻惑の魔法で依頼主を聞き出すと、例によってリアードの貴族だった。
「はい、お仕置き決定。今度はドSミナの所に入れておきましょう。」
「その呼び方やめてください。」
リオさんが早速《テレポート》で貴族達を連れ去ってくる。
何を話しても惚けるだけなので、有無を言わさず暗殺者と一緒に《シャイターン》(通常)の部屋に放り込んできたらしい。
『またオモチャがきた。今度は何をして遊ぼう?』
『あははっ!どうしたの?もうお終いなんてつまらないよ?』
『あらら…取れちゃった。強く引っ張りすぎちゃったかなぁ?もう片方も取っちゃおうね!』
声にならない悲鳴をあげながら、死んでは生き返ってを繰り返している。
流石に可哀想じゃ…?
「何言ってるの、こんな性根が腐った連中は徹底的にやっておかないと。それに城ごと吹き飛ばされなかっただけ良しとしてもらわないとね。」
リオさん過激だなぁ…。
次の日は孤児院に行ってみる事に。
ユキさん、リオさん、ソラちゃんとウルちゃんオル君も一緒だ。
フィオレさんとは話したけど他のダンジョンマスターとは話が出来ていないからね。
孤児院の様子も気になるし。
樹海の迷宮の孤児院に行ってみると、外で魔法の訓練をしている子供達が見えた。
今回は風の竜王さんが教えているみたい。教え方が上手だからみんな簡単に魔法を覚えているよ。
よく見たら建物が2棟増えてる。
どちらも3階建てで、一つは宿舎もう一つは教室らしい。
3人の先生も相変わらずマイペースに教鞭をとっている。
そうだ…お給料って。
どうやらリオさんが払ってくれていたらしい。
「大丈夫、私が払ってるわよ。それよりあの3人ってなかなか優秀よね。どこで見つけて来たの?」
「ルブルスリウムの学園ですよ。クセの強い先生って言われてましたけどね。」
「よく言えば天才肌ってヤツかしらね。そうそう、孤児達の自立も出来て来ているし、ボーナスでもあげたらどう?」
「いいですね。授業が終わったら話してみましょう!」
3人に応接室に来てもらう。
「今日は日頃の感謝を込めてボーナスを出したいと思います。」
「ボーナス?」
タチアナさんに聞き返される。
そっか、そういう習慣がないんだね。
「ええと、特別な報酬です。」
「いいんですか?」
「もちろんです。お金で宜しいですか?」
「「はい。」」
「一つお願いが…。」
ローイさんとタチアナさんは直ぐに同意してくれた。マーシャさんからは何かあるらしい。
「はい、何でしょう?」
「その…お忙しいと思うのですが、ここの子達と一緒に居てあげられませんか?みんなミナさん達の事を尊敬しています。憧れの人達と少しでも同じ時間を過ごさせてあげたくて…私への報酬はそれでいいです。」
マーシャさんは小さな声で一生懸命話してくれた。
半年前も忙しくてここには来られてなかったね。彼女に言われてハッとなった。
「分かりました。でもそれはマーシャさんの報酬ではないので、マーシャさんにもちゃんとお支払いしますからね。」
「ありがとうございます!」
生徒思いの良い先生だね。
そんな訳で今日から3日間は孤児院で過ごす事になった。一緒に寝起きして、ご飯を食べて授業を受けてみる。
「本物?本物のミナ様?」
「ネコ耳と尻尾が付いて無いから本物だよ!」
「スゲー!本物だ!」
「少しの間だけどみんなと一緒に過ごさせてもらうよ。よろしくね。」
ウルちゃんは結構ここに来ていたんだね。
私の事を様付けしているけど普通に呼んで欲しいなぁ…。
他のみんなは「ユキお姉さん」「リオお姉さん」「ソラちゃん」って呼ばれてるのに私だけ…。
「ミナ様の事は皆によく聞かせていますので当然です。」
ウルちゃんが得意げに言っているけど違うんだよ。私も普通に扱われたいんだけど…。
私達4人は別々のグループに入って過ごす。グループは年齢別で分かれている訳ではなく、所謂タテ割りで年少者を年長者が面倒を見れるようにしているみたい。下は4歳、上は13歳でグループの人数は8人~10人。
それからご飯を作ったり洗濯をしたり掃除をしたりが当番制で、それぞれのグループが毎日交代でやっている。私のいるグループは今日は調理担当だった。
久し振りにちゃんと料理をするよ!
「ミナ様はお料理よくするんですか?」
「ううん、駆け出しの頃に大手のクランで教えてもらって覚えただけだよ。」
年長者の女の子が聞いて来たので調理をしながら答える。
「クランってどんな所なの?」
近くで皮剥きをしていた少年が目を輝かせながら聞いてくるので少し冗談を交えながらクランの事を教えていく。
「みんなは冒険者になりたいの?」
「うん!」「はい!」
「私は料理人になりたいです。」
年長の子以外は冒険者になりたいと言う。
「何になるにしても先生達の言う事をよく聞いて、いっぱい勉強しなきゃね。」
「冒険者は力があればいいんだろ?」
「そんな事ないよ。勿論戦う力は必要だけど、一番大事なのは大怪我をしないように知恵を使って仕事をこなしていく事だよ。」
そう、無鉄砲に突っ走れば大体ろくな事にはならない。私がそうだったからね。
「ミナ様は料理人はどう思いますか?」
「スゴくいいと思うよ。頑張ればきっとなれるよ!」
「はい!頑張ります!」
普通の職業に就きたいという子だってちゃんといる。そういった子の為に職業訓練の場も作ってあげないとね。
みんなで寝起きして同じ時間を過ごすのは新鮮で、あっという間に3日間が過ぎていった。
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