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特別編2:神様はじめました
ファクティス感染者
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「レミ、全員の《認識阻害》を解除だ。ここで迎え撃つ!」
「はい!」
ルーティアさんの指示でレミさんが《認識阻害》を解除する。
私とマサキさんを中心に円形に陣を作って迫り来るゾンビ?を迎え撃つ。
「治る可能性がある以上、くれぐれも殺すなよ。戦闘不能にするのは構わん」
「ちっ…面倒臭えな」
ルーティアさんの指示を受けてダキアさんは武器を納めた。素手で戦うつもりだ。
「感染したりはしないだろうな?」
〈侵食に対しては我々が対処する。気にする必要はない〉
ハナちゃんとパートナーのドゥームが話しているのが聞こえた。
全員が素手や鞘に納めたままの剣で迫りくるゾンビ達を打ち払っている。
私はとにかく目の前に転がされているゾンビ化した女の人治療だ。
アウラさんとレナトゥスに解析してもらいながら水を試す。
泉の水を掛けてみると苦しそうに呻きながらジタバタと暴れだす。
効いてるけど、このままだと死んでしまいそうだ。
次は《レナータ》。凶星石と同化してしまった人に対しては効果があったけど、ファクティスは体内に入り込んでいる。どうだろうか?
傷は回復するもののゾンビ化は治らない。
[《レナータ》は一定の効果はあるようです。ファクティスと同化した部分を解除するまでには至らない為すぐに元に戻ってしまいましたが、人間の生命力を検知しました]
うーん…それなら力尽くで治らないかな?
オーバーブーストを掛けた《レナータ》を女性に掛けてみる。
〈ファクティスの位置を特定しました。今なら排除が可能です〉
排除はレナトゥスにお願いするね。私は女性の様子を注意深く観察する。
女性の顔色は戻っていき、穏やかな表情で気を失っている。
治せた!
「成功だな!」
「はい!今のを全員にやれば元通りですね」
「全員、な…」
マサキさんの表情は暗い。
周りを見るともの凄い数のゾンビが周りを取り囲んでいた。
それをみんなは殺さない様に押し返している。
これはちょっと大変そうだ。
ーーーー
「これで最後!」
最後の1人にオーバーブースト《レナータ》を掛けて治療を終わらせる。
「はぁ…疲れた~」
「お疲れ様です」
その場に座り込んで溜め息を一つ。
ユキさんとソラちゃんが私のすぐ側にいる。
ゾンビ化していた人達は一人残らず元に戻した。
このまま道に放置しておくのも気が引けるので、近くにあった集会所に寝かせておいた。
人数は150人と少し。
ファクティスは自分を細かく分けてこの街の人の中に入り込んだみたいだけど、全て排除出来たみたいだからもう大丈夫だよね。
主神になった事でさらに無理が効く様になったけど、連続でオーバーブースト《レナータ》を使っても『疲れた』で済んでいるのだから。
「さて、さっきのファクティスがただの悪あがきでこんな事をしたのか、それとも何か策があるのか。どうだろうね?」
リオさんが空を見上げながら呟く。
[地球に接近する物体があります。ファクティスの群体です]
なるほど…私を消耗させて迎撃を難しくしようとしてたんだね。
「行かなくちゃ…」
立ち上がろうとするけど足に力が入らなくて倒れそうになる。
ユキさんとソラちゃんが支えてくれた。
「消耗が激しいよ。今迎撃に上がるのは危ないよ」
「そうですよ。今は少し休まないと」
「でも…私がやらないと」
空を見上げる。
流星が走る。大気の摩擦で燃え上がる。
巨大な隕石が5つ。
あれが落ちてきたら…
次の瞬間、1つの隕石が爆発した。
他の隕石も次々と爆発していく。
「なに…?」
「あれは…援軍です!使徒が来てくれました!」
メイファさんが声を上げる。
光の尾を引きながら沢山の人が空に上がっていく。
「ほぉ、あんなにいるのか」
「ようやくか」
ダキアさんとクロウさんが見上げながら言っている。
「遅いわよ…こんなに後手に回って、ミナに散々無茶させて…この借りは大きいわよ」
リオさんは空を睨みながら悪態をついていた。
『遅くなってすまない』
声が聞こえた。
地球の神様だ。
『神界の守りを突破されてしまった。対処するのに時間がかかってしまったが、これ以上侵入者は来ない』
そっか…神様が対応してくれたんだね。
良かったよ。
『しかし一体、地上に取り逃した者がいる。それは私達の使徒では対処出来ない。力を貸して貰えるだろうか?』
「はい。私達で出来るのならやります!」
「てか、私達にしか出来ないんでしょ?」
「そうですね。何が来たって私達が倒しますよ」
ソラちゃんとユキさんが言う。
[西側に何者かが現れました。地球の神の言う『取り逃した者』です]
「丁度消化不良だったんだ。やってやろうぜ!」
テュケ君はやる気満々だ。
「よし、行くぞ。ユキとソラはミナを連れてきてくれ。戦闘は私達でやる」
ルーティアさんが指示を出して全員で移動を開始する。
私は《アルスアドラステア》を維持して、ユキさんとソラちゃんに連れられて侵入者の所に向かう。
そこにいたのは体長50メートルはあろうかという金色のドラゴンだった。
一目で分かる。これは神だ。
「はい!」
ルーティアさんの指示でレミさんが《認識阻害》を解除する。
私とマサキさんを中心に円形に陣を作って迫り来るゾンビ?を迎え撃つ。
「治る可能性がある以上、くれぐれも殺すなよ。戦闘不能にするのは構わん」
「ちっ…面倒臭えな」
ルーティアさんの指示を受けてダキアさんは武器を納めた。素手で戦うつもりだ。
「感染したりはしないだろうな?」
〈侵食に対しては我々が対処する。気にする必要はない〉
ハナちゃんとパートナーのドゥームが話しているのが聞こえた。
全員が素手や鞘に納めたままの剣で迫りくるゾンビ達を打ち払っている。
私はとにかく目の前に転がされているゾンビ化した女の人治療だ。
アウラさんとレナトゥスに解析してもらいながら水を試す。
泉の水を掛けてみると苦しそうに呻きながらジタバタと暴れだす。
効いてるけど、このままだと死んでしまいそうだ。
次は《レナータ》。凶星石と同化してしまった人に対しては効果があったけど、ファクティスは体内に入り込んでいる。どうだろうか?
傷は回復するもののゾンビ化は治らない。
[《レナータ》は一定の効果はあるようです。ファクティスと同化した部分を解除するまでには至らない為すぐに元に戻ってしまいましたが、人間の生命力を検知しました]
うーん…それなら力尽くで治らないかな?
オーバーブーストを掛けた《レナータ》を女性に掛けてみる。
〈ファクティスの位置を特定しました。今なら排除が可能です〉
排除はレナトゥスにお願いするね。私は女性の様子を注意深く観察する。
女性の顔色は戻っていき、穏やかな表情で気を失っている。
治せた!
「成功だな!」
「はい!今のを全員にやれば元通りですね」
「全員、な…」
マサキさんの表情は暗い。
周りを見るともの凄い数のゾンビが周りを取り囲んでいた。
それをみんなは殺さない様に押し返している。
これはちょっと大変そうだ。
ーーーー
「これで最後!」
最後の1人にオーバーブースト《レナータ》を掛けて治療を終わらせる。
「はぁ…疲れた~」
「お疲れ様です」
その場に座り込んで溜め息を一つ。
ユキさんとソラちゃんが私のすぐ側にいる。
ゾンビ化していた人達は一人残らず元に戻した。
このまま道に放置しておくのも気が引けるので、近くにあった集会所に寝かせておいた。
人数は150人と少し。
ファクティスは自分を細かく分けてこの街の人の中に入り込んだみたいだけど、全て排除出来たみたいだからもう大丈夫だよね。
主神になった事でさらに無理が効く様になったけど、連続でオーバーブースト《レナータ》を使っても『疲れた』で済んでいるのだから。
「さて、さっきのファクティスがただの悪あがきでこんな事をしたのか、それとも何か策があるのか。どうだろうね?」
リオさんが空を見上げながら呟く。
[地球に接近する物体があります。ファクティスの群体です]
なるほど…私を消耗させて迎撃を難しくしようとしてたんだね。
「行かなくちゃ…」
立ち上がろうとするけど足に力が入らなくて倒れそうになる。
ユキさんとソラちゃんが支えてくれた。
「消耗が激しいよ。今迎撃に上がるのは危ないよ」
「そうですよ。今は少し休まないと」
「でも…私がやらないと」
空を見上げる。
流星が走る。大気の摩擦で燃え上がる。
巨大な隕石が5つ。
あれが落ちてきたら…
次の瞬間、1つの隕石が爆発した。
他の隕石も次々と爆発していく。
「なに…?」
「あれは…援軍です!使徒が来てくれました!」
メイファさんが声を上げる。
光の尾を引きながら沢山の人が空に上がっていく。
「ほぉ、あんなにいるのか」
「ようやくか」
ダキアさんとクロウさんが見上げながら言っている。
「遅いわよ…こんなに後手に回って、ミナに散々無茶させて…この借りは大きいわよ」
リオさんは空を睨みながら悪態をついていた。
『遅くなってすまない』
声が聞こえた。
地球の神様だ。
『神界の守りを突破されてしまった。対処するのに時間がかかってしまったが、これ以上侵入者は来ない』
そっか…神様が対応してくれたんだね。
良かったよ。
『しかし一体、地上に取り逃した者がいる。それは私達の使徒では対処出来ない。力を貸して貰えるだろうか?』
「はい。私達で出来るのならやります!」
「てか、私達にしか出来ないんでしょ?」
「そうですね。何が来たって私達が倒しますよ」
ソラちゃんとユキさんが言う。
[西側に何者かが現れました。地球の神の言う『取り逃した者』です]
「丁度消化不良だったんだ。やってやろうぜ!」
テュケ君はやる気満々だ。
「よし、行くぞ。ユキとソラはミナを連れてきてくれ。戦闘は私達でやる」
ルーティアさんが指示を出して全員で移動を開始する。
私は《アルスアドラステア》を維持して、ユキさんとソラちゃんに連れられて侵入者の所に向かう。
そこにいたのは体長50メートルはあろうかという金色のドラゴンだった。
一目で分かる。これは神だ。
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