468 / 760
特別編2:神様はじめました
帰国
しおりを挟む
──[human side]──
神竜ヴォーグタンルーはディエスエグゼクリシオンに頭を貫かれ、エスカトンディザスターで胴体を上下に断ち切られて消滅した。
や、やった……!
トリプルブーストの反動で身体が動かない。
その場に座り込んで呼吸を整える。
「ミナ様、ありがとうございました」
使徒の1人が私のそばに来て労いの言葉を掛けてくれる。
「何とか、倒せました…」
「はい。流石はミナ様です」
…ん?
何だか違和感が凄い。
確かさっきの人は私の事を『異世界の神』って呼んでたよね。
使徒の人でも情報に個人差があるのかな?
聞いてみようと顔を向けたらその使徒さんはエネルギー上の大剣を振りかぶっていた。
えっ……
ダメだ。避けられない…。
大剣が振り下ろされる事はなかった。
「やらせるかよ!!」
私の横にテュケ君が現れて使徒の人の両腕を斬り落とす。
「何しやがるです!」
「操られてるです?」
「冗談じゃないよ!」
4姉妹が取り囲んで使徒の人を突き刺し、ハトゥールさんの放った矢が頭を射抜いた。
「ねーちゃん大丈夫か?」
「うん…テュケ君ありがと。何で分かったの?」
「ねーちゃんが違和感を教えてくれたからそれに従っただけだよ」
そっか。《伝心》で私が感じた事を読み取ってくれたんだね。
それで《オーバードスピード》を掛けて守りに来てくれたんだ。
「本当にありがとう…!テュケ君が居なかったら死んでたよ」
立ち上がろうとしたけど足がもつれてしまう。テュケ君が支えてくれて転ばなくて済んだ。
「ねーちゃん無理するなよ」
「うん…ありがと」
やっぱり力が入らないや。
テュケ君が私を抱き上げてくれた。
「テュケがミナのピンチを助けたな!」
「テュケ君格好良かったですよ」
マサキさんとユキさんがテュケ君を労う。
「良いトコみせたわね」
「流石ミナの下位互換」
リオさんも喜んでいる。
ソラちゃん、それって褒めてるんだよね?
「さて、この使徒が何故ミナを襲ったのかを調べなければな。アウラ、解析出来るか?」
[ファクティスの反応はありません。魅了等の精神支配を受けた形跡もありません。恐らく裏切り工作を受けたものだと思われます]
だとしたらいつの間に使徒さんと接触したんだろう?
実はもうずっと前からライオアールの誰かが地球に居るって事なんじゃ…。
「とにかく今はこの場から離れるぞ。メイファとスイはついて来い。それ以外は信用出来ん。悪いがこの場に置いていく」
ルーティアさんが即断して、リオさんが《テレポート》で移動する。
宿泊している旅館の近くの林だ。
「ミサキに無事片付いた事を報告しに行こうぜ」
「そだねー。ミサキ心配してるだろうし」
ダキアさんとアリソンさんは林を出ようとする。
「その前に…装備を外しましょう。ミナ、《ヴィサス・エスカシャイターン》を解除して」
「あ、はい…」
解除するの忘れてた。
ネネさんに言われるまで気付かないとか、相当疲れてるのかな。
みんな装備を外したのでインベントリにしまっておく。
服も《修復》と《洗浄》を掛けて元通り。
「で、いつまで抱っこされてるの?」
一通り魔法を掛け終わった時にリオさんが聞いてくる。
「うーん、そろそろ降ろしてもらえるかな?」
転移してくる時も魔法使ってる時も普通にお姫様抱っこされたまま。
スゴく自然に抱っこしてくれているから私も意識してなかったけど、みんなニヤニヤしてるし恥ずかしくなってきた。
「ねーちゃん軽いからこのままでも大丈夫だぞ」
「うん。嬉しいけどちょっと恥ずかしいかな」
「でも、ねーちゃんまだ無理しない方がいいんじゃねえか?」
「もう平気だよ。ありがとうテュケ君」
降ろしてもらい、地面に立って大丈夫なのを確認してみる。
「残念。もっとミナを触ってたかった?」
「ち、ちげーよ!俺はねーちゃんが心配で…」
ソラちゃんがテュケ君をからかっている。
「ソラちゃん、テュケ君はそんな子じゃないよ。心配してくれてたんだよ?」
「そうかーそれは悪かったなテュケよ」
ソラちゃんは目を丸くした後、テュケ君に謝っていた。
うん。ソラちゃんも良い子だね。スゴく棒読みなのが気になるけど。
で、テュケ君は両手で顔を覆って蹲ってる。
「ど、どうしたの?」
「なんでもねーよ…」
なんか落ち込んでるんだけど。
「そういえば、メイファさん達も連れて来ちゃったけど良かったんですか?」
「はい。私達は日本の担当なので、むしろあんな所に置いて行かれなくて助かりました」
「あなた達使徒っていうくらいだし神界を行き来してるんでしょ?転移くらい出来るんじゃないの?」
「いえ、僕達は神界を出入りできないんだよ。主人からの指示は一方的だからね。転移は出来ないけど空は飛べるし移動に困る事はなかったかな」
使徒の人達って何だか大変そうだね。
「地球の神って人使い荒いのね」
「主人を悪く言わないでよ」
「メイファさんごめんなさい。神様を悪く言うつもりは無かったんです」
「ミナ様がそう仰るなら」
使徒の人達は使徒になったのはそれぞれ理由があるんだろう。メイファさんとスイさんにも深い理由があるだろうし、軽々しく聞くのも悪いだろうから聞かないでおこう。
さて…いい加減ライオアールを何とかしないと。
神竜ヴォーグタンルーはディエスエグゼクリシオンに頭を貫かれ、エスカトンディザスターで胴体を上下に断ち切られて消滅した。
や、やった……!
トリプルブーストの反動で身体が動かない。
その場に座り込んで呼吸を整える。
「ミナ様、ありがとうございました」
使徒の1人が私のそばに来て労いの言葉を掛けてくれる。
「何とか、倒せました…」
「はい。流石はミナ様です」
…ん?
何だか違和感が凄い。
確かさっきの人は私の事を『異世界の神』って呼んでたよね。
使徒の人でも情報に個人差があるのかな?
聞いてみようと顔を向けたらその使徒さんはエネルギー上の大剣を振りかぶっていた。
えっ……
ダメだ。避けられない…。
大剣が振り下ろされる事はなかった。
「やらせるかよ!!」
私の横にテュケ君が現れて使徒の人の両腕を斬り落とす。
「何しやがるです!」
「操られてるです?」
「冗談じゃないよ!」
4姉妹が取り囲んで使徒の人を突き刺し、ハトゥールさんの放った矢が頭を射抜いた。
「ねーちゃん大丈夫か?」
「うん…テュケ君ありがと。何で分かったの?」
「ねーちゃんが違和感を教えてくれたからそれに従っただけだよ」
そっか。《伝心》で私が感じた事を読み取ってくれたんだね。
それで《オーバードスピード》を掛けて守りに来てくれたんだ。
「本当にありがとう…!テュケ君が居なかったら死んでたよ」
立ち上がろうとしたけど足がもつれてしまう。テュケ君が支えてくれて転ばなくて済んだ。
「ねーちゃん無理するなよ」
「うん…ありがと」
やっぱり力が入らないや。
テュケ君が私を抱き上げてくれた。
「テュケがミナのピンチを助けたな!」
「テュケ君格好良かったですよ」
マサキさんとユキさんがテュケ君を労う。
「良いトコみせたわね」
「流石ミナの下位互換」
リオさんも喜んでいる。
ソラちゃん、それって褒めてるんだよね?
「さて、この使徒が何故ミナを襲ったのかを調べなければな。アウラ、解析出来るか?」
[ファクティスの反応はありません。魅了等の精神支配を受けた形跡もありません。恐らく裏切り工作を受けたものだと思われます]
だとしたらいつの間に使徒さんと接触したんだろう?
実はもうずっと前からライオアールの誰かが地球に居るって事なんじゃ…。
「とにかく今はこの場から離れるぞ。メイファとスイはついて来い。それ以外は信用出来ん。悪いがこの場に置いていく」
ルーティアさんが即断して、リオさんが《テレポート》で移動する。
宿泊している旅館の近くの林だ。
「ミサキに無事片付いた事を報告しに行こうぜ」
「そだねー。ミサキ心配してるだろうし」
ダキアさんとアリソンさんは林を出ようとする。
「その前に…装備を外しましょう。ミナ、《ヴィサス・エスカシャイターン》を解除して」
「あ、はい…」
解除するの忘れてた。
ネネさんに言われるまで気付かないとか、相当疲れてるのかな。
みんな装備を外したのでインベントリにしまっておく。
服も《修復》と《洗浄》を掛けて元通り。
「で、いつまで抱っこされてるの?」
一通り魔法を掛け終わった時にリオさんが聞いてくる。
「うーん、そろそろ降ろしてもらえるかな?」
転移してくる時も魔法使ってる時も普通にお姫様抱っこされたまま。
スゴく自然に抱っこしてくれているから私も意識してなかったけど、みんなニヤニヤしてるし恥ずかしくなってきた。
「ねーちゃん軽いからこのままでも大丈夫だぞ」
「うん。嬉しいけどちょっと恥ずかしいかな」
「でも、ねーちゃんまだ無理しない方がいいんじゃねえか?」
「もう平気だよ。ありがとうテュケ君」
降ろしてもらい、地面に立って大丈夫なのを確認してみる。
「残念。もっとミナを触ってたかった?」
「ち、ちげーよ!俺はねーちゃんが心配で…」
ソラちゃんがテュケ君をからかっている。
「ソラちゃん、テュケ君はそんな子じゃないよ。心配してくれてたんだよ?」
「そうかーそれは悪かったなテュケよ」
ソラちゃんは目を丸くした後、テュケ君に謝っていた。
うん。ソラちゃんも良い子だね。スゴく棒読みなのが気になるけど。
で、テュケ君は両手で顔を覆って蹲ってる。
「ど、どうしたの?」
「なんでもねーよ…」
なんか落ち込んでるんだけど。
「そういえば、メイファさん達も連れて来ちゃったけど良かったんですか?」
「はい。私達は日本の担当なので、むしろあんな所に置いて行かれなくて助かりました」
「あなた達使徒っていうくらいだし神界を行き来してるんでしょ?転移くらい出来るんじゃないの?」
「いえ、僕達は神界を出入りできないんだよ。主人からの指示は一方的だからね。転移は出来ないけど空は飛べるし移動に困る事はなかったかな」
使徒の人達って何だか大変そうだね。
「地球の神って人使い荒いのね」
「主人を悪く言わないでよ」
「メイファさんごめんなさい。神様を悪く言うつもりは無かったんです」
「ミナ様がそう仰るなら」
使徒の人達は使徒になったのはそれぞれ理由があるんだろう。メイファさんとスイさんにも深い理由があるだろうし、軽々しく聞くのも悪いだろうから聞かないでおこう。
さて…いい加減ライオアールを何とかしないと。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,737
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。