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朝になってもお姉様の涙が止まりません。

女の子はお姉様の瞳が溶けてしまわないか心配になりました。

お父様もお母様も心配して昨日と違う馬車にお姉様と女の子を乗せました。

周りを囲った馬車ではなく、風通しのいい馬車です。馬の餌の干し草が積んであり、風景がよく見えます。

お姉様には少しでも気持ちが和らぐ様にとの思いです。女の子には退屈しないようにする為です。

女の子はお母様に暴れて落ちない様に言われました。

女の子は「そんなことしないもん」と言いながら目がきょろきょろしています。

干し草の上にシーツを乗せその上にお姉様と女の子は座りました。
少しちくちくしますが干し草はふわふわと弾みます。

ぱふぱふ女の子が弾んで遊んでいる横でお姉様は大人しく座っています。
相変わらず涙は流れています。

そんなお姉様を見て女の子は考え思い出しました。
お父様におかえりと抱きつくとお父様が喜んで元気になった事を。

女の子は「元気になりますように」と願いを込めてお姉様に抱きつきました。

するとお姉様から流れる涙のしずくに柔らかな膜が掛かりぽろんぽろんとこぼれ転がりました。

ころころころころ転がります。
シーツの上にも転がります。干し草の中にも転がります。

妖精たちに当たったしずくはぽんと跳ねて道へと転がっていきます。


『もうはいらないよね』
『おなかいっぱいだよね』
『ほかにあげようね』
『『『みちしるべだね』』』



道に転がっていったしずくに他の妖精たちは気づくのでしょうか?




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