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第弐拾壱話-海外

海外-3

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「そんで、そのお友達の無実を証明する為にクリスマス間近の忙しい探偵を呼びつけたわけ?」
 長四郎は嫌味を言うと燐はすぐさま肘うちする。
「いっ!」
「それで、どうしてリイルさんはアマンダさんの家へ?」
「少し早いクリスマスパーティーをするってなってね」
「という事は、ミシェルさんも参加しようとしていたんですか?」燐の質問に頷いて答えるミシェル。
「だから、彼女の無実を証明して欲しいの!」
「ま、やれるだけの事はやるさ。現場に連れてってくれ」
「分かった」
 こうして、三人はアマンダが住んでいたマンションへと移動した。
「ここが、事件が起きた部屋よ」
 部屋の鍵を開け二人を部屋の中に通す。
 部屋の中は、アメリカドラマに出てくる部屋の代表みたいな部屋であった。
「ここで殺されたのね」倒れていたアマンダの形を模ったテープを見ながら長四郎は言う。
「そう。そこでアマンダは倒れていた。リイルはソファーの上で倒れていた」
 ソファーを指差して二人に発見当時の状況を教える。
「一番気になるのは警察に通報したのが誰かですよね? この捜査資料には、匿名の通報で駆け付けたとしか書かれていないから」
「流石は、長四郎のバディね。私もそこが一番の疑問なの」
「単純に考えれば犯人は通報者のそいつだろうな」
「ええ、私もそう思って調べてみたんだけど」
「何も掴めなかった」
 ミシェルは黙って頷くだけで、特にそれ以上は言わなかった。
「ふ~む。荒らされた形跡は特になさそうだなぁ~」
 長四郎は部屋をクルリと見回しながら、他に手掛かりはないかを調査する。
「アマンダさんって、どんな人だったんですか?」燐の問いに「そうね。明るくて友達思いのとても良い子だった。勿論、捕まっているリイルも一緒」
「へぇ~」とだけしか答えることができない燐であった。
「で、警察は物証もあることだしサッサと送検するんじゃないの?」
「それを私のツテで少し先延ばしにしてもらっている」
「それは凄いツテだ事で」
「あんた、嫌味言い過ぎ」
 燐からお仕置の脛蹴りを受ける長四郎は悶絶する。
「ミシェルさん。次はどうすれば良いですか?」
「貴方達も長旅で疲れたでしょうから、ホテルに送るわ」
「捜査しなくて良いんですか?」
「明日から本格的に始めれば良いわ。車、取って来るから待ってて」
 ミシェルはそう告げると、部屋を出ていった。
「なんか、モヤっとするよね?」長四郎にそう尋ねると「ああ、モヤモヤする。出来過ぎている」と答えた。
「明日からどうするの?」
「ミシェルのフィールドだから、ミシェルに任せようぜ」
 長四郎は燐にそう告げ部屋を後にした。
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