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 ダンジョンから帰ってきて、すぐにクエスト紹介所へと向かった。

「あれ、レイさんもう戻ってきたんですか?」

 受付のお姉さんが驚いた表情で声をかけて来る。

「ああボスは倒してきた」

 俺が言うと受付のお姉さんは、「ええッ!」とすっとんきょうな声をあげる。

「まだ四時間しか経ってないですよ!?」

「ん、ああ、そうだなボス部屋に向かって一直線で行ったから、割と早かったな。まだ宝とかは眠ってると思う」

「いやいや、ボス部屋一直線って、迷宮型のダンジョンでそんなことできるんですか!?」

「ああ、そういう意味ではちゃんとグルグルしているぞ。もちろん物理的に一直線に行ったわけじゃなくて、できる限りで最短ルートで行っただけだ」

「……いや、冷静に考えたら、レイさんならそれくらい簡単なんでしょうけど……。いつもいつもレイさんの話を聞いていると、すごすぎて驚いてしまいます……」


「それで、次はもう少し飛ばして、攻略済みのAランクダンジョンでモンスターを狩って経験値を貯めようと思うだが、どこかいいところはあるか?」

 次のダンジョンに行くのは明日にしてもよかったのだが、リリィに聞いたらもっともっと戦いたいと言うので、すぐに次のダンジョンに向かうことになった。

 受付のお姉さんは、ファイルをめくりながら答える。

「そうですね、ならば前にレイさんたちが攻略したダンジョンがあります。……ちょうど今ダミアンさんたちもクエストをこなしているんですが、それでもよければ。先に行ったので、クエストの邪魔になることはないとは思いますが」

「ああ、それでいい。許可証をもらえるか?」

「はい、ではこちらをどうぞ」

「じゃぁ昼ごはんを食べたら行こうか」

 俺はリリィに伝えると、彼女は「はい!」と勢いよく答えた。

 †


 Aランクダンジョンへ入っていく俺とリリィ。

 といっても、このダンジョンはすでにボスが倒されているいわゆる<攻略済み>のダンジョンだ。それゆえ、実質的に出現する敵はBランク相当と言える。

 しかもここは俺がダミアンたちとパーティを組んでいるときに攻略したダンジョンだ。

 マッピングもある程度できているので、なおのこと今の俺たちの実力でも十二分に戦っていける。

「よし、早速行こうか」

「はい!」

 俺は索敵のスキルでモンスターを警戒しながら進んでいく。

 そして、少し進んだところで、早速モンスターに出くわした。

 現れたのは、ガーゴイル。
 この石像の怪物は、並みの冒険者では歯が立たない防御力を持つ。
 スライムポジションで、ガーゴイルが出てくるとは、さすがはAランクダンジョンと言ったところか。

 ――だが、

 リリィは全く恐れることなく斬りかかる。

「“爆炎斬”――ッ!」

 先ほどのボス戦でレベルが上がったことで、覚えた上級スキルを放つ。

 炎を纏った剣は、ガーゴイルに反撃の隙を与えず、一刀両断する。

「おお、さすがだぞ、リリィ」

 たった半日でガーゴイルを瞬殺するようになるとは、驚きだ。
 やはり、<剣士適正100>は伊達じゃないな。


「また、レベルが上がりました!」

 と、リリィは無邪気に報告する。

 この調子でいけば、もうすぐBランク冒険者にはなれるな。
 そこに、俺の強化スキルが加われば、かなりのダンジョンで戦えるようになる。

 Aランクになる日も遠くないだろう。

 †
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