【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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体育祭⑷

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「ただいまー!徹!俺たちがいなくて寂しかったか?寂しかっただろ?そんな徹、はいジュース♪」

やけにテンションが高い尊が徹にウザ絡みしているが、すまん徹、俺も関わりたくない。
そして徹の表情死んでるぞ、尊。
一難あったクラス対抗競技も終わり、今は借り物競争が行われている。

「ピンク!ピンクの眼鏡してる奴!そんなんいねぇだろ!」
「カツラ!?持ってる人知ってるけど、絶対聞けないじゃん…」
「イチゴ柄のパンツ穿いてる奴―。」

絶妙にズレた内容で手間取っている手間取っている人が多い中…

「なんとーここで副会長様が一位でゴール!!さて、気になるお題は…?」

悠希先輩が知らぬ間にゴールしていた。その手には………会計の手が……

え、何ナニ?お題の内容めっちゃ気になるんですけど?
恐らくほとんどの生徒がお題の内容を気にしているのであろう、固唾をのんで見守る。

「お題は……ライバルですね。」

「……ら、ライバルぅぅぅぅ―――!!生徒会会計様と副会長様はライバル関係であると!ちなみに何に対してか聞いても…」

司会者の巻き舌が素晴らしい。じゃなくて…俺もなんのライバル関係か気になる!

「クスッ、秘密ですね。」

キレイに微笑んだ副会長はやんわり、じゃないなぁ。きっぱり断る。
横にいる会計は終始苦笑いで、居心地が悪そうだ。

「副会長、なかなかやりおるなぁ。」

俺の横では尊がいつものニヤニヤではなく、悪いことを考えてそうなニヤリ顔で呟いている。徹に関してはなんか威嚇してるし、可愛いんですけどー!

「ですよねー!なんのライバルかは気になる所ですが、会計様は何か思い当たることがありそうなのでクリアです!」

それにしてもあの二人がライバルだなんて意外!生徒会の中の関係性が俄然気になった俺だった。
他の生徒達も初めて知る衝撃な生徒会の関係性に、借り物競争に出ている他の生徒の存在感が可哀想なことに…

あ、そういえばあのイチゴ柄のパンツ穿いてる奴探してた人ゴールで来たのかな?イチゴパンツなら穿いてる奴俺の近くにいるんだけど……

「以上で借り物競争を終わります。次は皆さんお待ちかね、障害物競走!障害物競争に出る生徒は待機場所へお集まりください。」

障害物競走?そんなの種目決めのときあったっけ?

「栄人君!ごめん、障害物競争出て貰ってもいいかな?」

疑問を感じていたところに委員長が申し訳なさそうに頼み込んできた。別にいいんだけど…これだけ決めてなかったのか?それとも、休み?いや、今日は休んでる奴いなかった。なんだろう、この違和感。まぁ、頼まれた以上は出るしかないか…俺リレーしか出ないし。

「いいよ。じゃあ、行ってくる。」

二つ返事で承諾したことを後々後悔することになるなんて、このときの俺は考えてもみなかった。そして、これが仕組まれていたことも……






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