【完結】俺は遠慮します。

抹茶らて

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つられた?

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 ガラッ

「はぁ~体操着忘れるとかツイてない。」

俺が言い終わるぐらいのタイミングでいきなり教室のドアを開けた尊。そのまま、独り言を言いながら入っていく。
俺からは情事をしていた二人の表情までは見えないけど、可愛らしい喘ぎ声が聞こえなくなったということは…うん。

「あ、ごめん。すぐ出るね。」

尊のその声が聞こえてすぐ、ドアから出てくる姿が見える。気持ち悪いぐらいにニヤニヤしている。

「ほい、ご所望の体操着。」

「ありがとう、悪いな。」

「いや?良い顔見れたし、問題なし。…それで?そのちょっと赤らめた頬は照れちゃったの?」

子どもに尋ねる様な言い方に腹立つが、あながち間違いでもないから否定できない。だって、興味なくても人のアレコレって見ちゃうとなんか照れるよな。

「…悪いかよ。お前みたいに変態じゃねぇの。」

「何それ、可愛いかよ…」

感極まった様子で俺を抱きしめてくる尊。なんだ、バグか?

「もう~ほんとそういうところ。自分がえっちなことするのは妙に慣れてる感じなのに、人の見ると照れるとか…俺をどうしたいわけ?ギャップがたまらん。」

ノンブレスで話す尊にいつもの爽やかな面影はない。

「ねぇ、栄人?」

いきなりキリッとした表情になって、囁くような声で名前を呼ばれる。そのまま俺の頬に手を添えて、ゆっくりとイケメンの顔が近づいて来る。

思わず後ずさると

「ダメ…?」

顔を最大限活用して聞いて来るのは

「ズルい…」

「ズルくても何でもいい。ねぇ、こっち向いて?」

そんな切なそうな声で言うなよ。思わず見てしまうだろ。
いつもとは違う雰囲気に流された俺は近づいて来る尊に抵抗できず、ギュッと目を瞑る。

「…ふっ、そういうところも…」

え、なんか言ったかと思って目を開けてしまうと、ドアップでイケメンのキス顔が。なんか知らんけど、カァッと熱くなる。

「栄人…」

「…んっ」

なんで俺、尊とこんなことになってんだ?どういう状況?

「くち…開けて?」

「あ…んっふぅ…」

雰囲気に流されているのか、尊の言うことに逆らえなくて恥ずかしいけど少し口を開けてしまう。

その様子に、フッと愛おしそうに表情を崩した尊はそのまま口づけを再開する。
いつもの変態な笑みでも、爽やかさ全開の笑みでもない極上の甘ったるい微笑みに見てるこっちが恥ずかしくなる。
顔だけでなく口づけも甘くて、全身がフワフワする。

頬に添えていた手は、片方がいつの間にか俺の首筋まで降りていたずらに動いている。


耳を擦られ、鎖骨をゆっくりと撫でられる。



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