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番外編 ジレンマ⑴
しおりを挟む達哉とお付き合いを初めて早数カ月。
年齢の差はあるものの、そんなこと気にならないぐらい楽しい日々を送っている。
ただ、一つ…私は懸念していることを除けば…
「肇さん、今日も遅くまでお疲れ様です。晩御飯作っておいたんですけど、先にお風呂に入りましょうか。眠くなってもすぐに寝られるように。あ、俺と一緒に入りますか?」
「い、いや、大丈夫だ。ありがとう。お風呂に入って来るね。」
またある時は
「達哉、その…今日、一緒に寝ないか?あ、あのただ寝るだけじゃなくて…」
「肇さん、お誘いは嬉しいですけど連日の業務で疲れてるでしょう?ただ今度の休みはちゃんと開けといてくださいね?チュッ」
額にキスを落とし、一緒に布団に入る。そのまま掛布団を胸元までかけられ、ポンポンッとされる。
「―――――彼氏がスパダリ過ぎて辛い…私の方が年上なのにあの包容力はなんなんだ。私もたまには彼氏を甘やかしてあげたいのに…」
ここは資料室。一人で昼食を食べながら、ここ数日の出来事を思い出していたところだ。
付き合う前から思っていただ、付き合ってからは輪をかけて甘くなった気がする。
嬉しいのは嬉しいが私にだって年上の意地がある。彼氏を甘やかすぐらい……甘やかすぐらい…出来る、と思いたい。
「よし、今日は頑張って早く仕事を終わらせて先に帰る!」
気合を入れなおして、あまり仕事が降ってこないようにお願いしておく。
「……終わった。」
怒涛の午後を過ごして、何とか18時までに仕事を終わらす。終わったと言えば終わったが、終わってないと言えば終わってない。しかし、今日ぐらいいだろう。
達哉が残業をしているを横目で確認して、急いで自分の家に帰る。本当は早く終わったときぐらい一緒に帰りたい、が今日は仕方ない。
いつも平日は達哉が私の家に来ているため、帰ってすぐに夕食の準備を始める。
一人暮らしが長いお陰で料理は苦ではないが、最近達哉の手料理を食べていたため、自分の料理が味気なく感じる気がする。
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