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23.社畜サラリーマンは人間としての尊厳を放棄する
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「しかし、その……ペット様にお聞かせすべきか迷う話で……グフっ、だめだ、ペット様は本当に神々しい……見るだけで血が止まらぬ」
私を直視するたびに出血多量になりそうなレベルの鼻血を噴き出すセシルに、なんらかのヤバい神格に自身がなってしまったのではと心配になる。
セシルが鼻を抑えるのに使用している先ほどヘイズが渡したハンカチもまるで最初から赤かったのかと疑うレベルで真っ赤になっている。
「シヅルは話を聞きたいか??」
竜帝陛下が私を抱き寄せて髪を撫でながら聞いた。
正直この人外の世界のゴタゴタした話はあまり聞いてもよく分からないと思うので聞いても聞かなくても良いと思ってしまう。
「どちらでも私は大丈夫です。話を聞いた場合、守秘義務については社会人経験者ですのでもちろん守りますし、別室に移動した方がよければ移動します」
「そうか。なら、シヅルを余が離したくないからそのまま膝の上で話を聞いていておくれ」
と言われて膝の上にのせられた。以前は抵抗したが、抵抗するだけ無駄なのと最近はそれが心地良くなり始めている事実に驚きを隠せない。
「あわわ、ペット様が竜帝陛下の膝の上に、ううっ、神の化身たるお姿を直視するのは不敬なためこの体制にて失礼いたします」
となぜか床に平伏したセシルは、そのままの体制で話を始めた。
「実は、我が愚従兄弟のアヴェルから、信じ難い話を聞き、事実かは分かりませんが、調査が必要かと思われるますためこちらに参りました」
「ほぅ、あのリュカに忠義を持つ騎士がか」
その場が凍るような笑みを浮かべた竜帝陛下だが、五体投地スタイルのセシルは知る由もなく続けた。
「僕も正直、聞く必要のない愚かなことに思いましたが万が一事実なら竜帝陛下やペット様にまで危害が及びかねないことでしたので、念のためお伝え出来ればと。実は、あくらもといリュカ殿下はある人物により操られていた可能性があるとのことなのです」
「ある人物とは誰だ??」
シーンとしたシリアスなシーンだが、私は地味にピンチに陥っていた。
(トイレに行きたい……)
「それが……スタガー卿をご存知でしょうか??王妃様の側近であり、番い様に元は仕えていた人物で、あくらもといリュカ殿下とは幼なじみの関係でもあります」
「スタガーなら知っている。リュカの乳母の息子だからな。しかし、なぜスタガーがそのようなことを……」
沈黙が流れる中、私は竜帝陛下に小さく耳打ちする。
「あの‥‥トイレに行くので離して下さい」
「そうか、分かった」
てっきり手を離してくれると思ったが、竜帝陛下は姫抱きにして私を持ち上げた。
「シヅルと用を足しに行く。話の続きはしばし待て」
「いや、ひとりでいけます、離して下さい」
流石に排尿時にそばにいて欲しくなくて逃げようとしたが、腹部を圧迫しうっすら漏らしかけて動きを止める。
「大丈夫だ。ただ見守るだけだ」
慈愛に満ちた瞳で言われて私はそれ以上争うことが出来なかった。
私を直視するたびに出血多量になりそうなレベルの鼻血を噴き出すセシルに、なんらかのヤバい神格に自身がなってしまったのではと心配になる。
セシルが鼻を抑えるのに使用している先ほどヘイズが渡したハンカチもまるで最初から赤かったのかと疑うレベルで真っ赤になっている。
「シヅルは話を聞きたいか??」
竜帝陛下が私を抱き寄せて髪を撫でながら聞いた。
正直この人外の世界のゴタゴタした話はあまり聞いてもよく分からないと思うので聞いても聞かなくても良いと思ってしまう。
「どちらでも私は大丈夫です。話を聞いた場合、守秘義務については社会人経験者ですのでもちろん守りますし、別室に移動した方がよければ移動します」
「そうか。なら、シヅルを余が離したくないからそのまま膝の上で話を聞いていておくれ」
と言われて膝の上にのせられた。以前は抵抗したが、抵抗するだけ無駄なのと最近はそれが心地良くなり始めている事実に驚きを隠せない。
「あわわ、ペット様が竜帝陛下の膝の上に、ううっ、神の化身たるお姿を直視するのは不敬なためこの体制にて失礼いたします」
となぜか床に平伏したセシルは、そのままの体制で話を始めた。
「実は、我が愚従兄弟のアヴェルから、信じ難い話を聞き、事実かは分かりませんが、調査が必要かと思われるますためこちらに参りました」
「ほぅ、あのリュカに忠義を持つ騎士がか」
その場が凍るような笑みを浮かべた竜帝陛下だが、五体投地スタイルのセシルは知る由もなく続けた。
「僕も正直、聞く必要のない愚かなことに思いましたが万が一事実なら竜帝陛下やペット様にまで危害が及びかねないことでしたので、念のためお伝え出来ればと。実は、あくらもといリュカ殿下はある人物により操られていた可能性があるとのことなのです」
「ある人物とは誰だ??」
シーンとしたシリアスなシーンだが、私は地味にピンチに陥っていた。
(トイレに行きたい……)
「それが……スタガー卿をご存知でしょうか??王妃様の側近であり、番い様に元は仕えていた人物で、あくらもといリュカ殿下とは幼なじみの関係でもあります」
「スタガーなら知っている。リュカの乳母の息子だからな。しかし、なぜスタガーがそのようなことを……」
沈黙が流れる中、私は竜帝陛下に小さく耳打ちする。
「あの‥‥トイレに行くので離して下さい」
「そうか、分かった」
てっきり手を離してくれると思ったが、竜帝陛下は姫抱きにして私を持ち上げた。
「シヅルと用を足しに行く。話の続きはしばし待て」
「いや、ひとりでいけます、離して下さい」
流石に排尿時にそばにいて欲しくなくて逃げようとしたが、腹部を圧迫しうっすら漏らしかけて動きを止める。
「大丈夫だ。ただ見守るだけだ」
慈愛に満ちた瞳で言われて私はそれ以上争うことが出来なかった。
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