あやかしと孫娘

 母親を亡くし叔父夫婦に預けられた小春は、高校入学を機に寮生活を送っている。だが相部屋の同級生がなかなかの曲者で、土日は彼女の友人たちとどんちゃん騒ぎを繰り広げているため物理的にも精神的にも居場所がない。

 とある土曜日、夜の散歩に出かけていた小春は祖父・東雲明良の知人と名乗るあやかし、夜取と出会う。故人である祖父はとても心優しい性格で、それを帳消しにするくらい運が悪い人物だった。

 明良は人間でありながら妖力がとても高かったという。自分が窮地に陥るたびにその場にいたあやかしに助けを求め、お礼として近い未来、妖力増幅の御利益がある大福を作るという約束をしたらしい。だが彼はもう亡くなっているからあやかしが視える小春が代わりに作ってほしいと迫られ──。

 これは小春により作られた大福が、あやかしとあやかし、更にはあやかしと人間の縁を繋いでいくお話。
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