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運命の発情期
誠side私の番
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ピリピリするフェロモンを放つ新君が、岳くんの脇を離れて私に彼を託してくれた。新君の威嚇のフェロモンも、岳くんと番えば感じなくなるのだろうか。聞いたことの無い複数番の情報はあまりにもレアなケース過ぎた。
けれどもそう考えたのは一瞬で、私は目の前の美しいうなじに少し血の滲んだ二つの歯形に目を奪われた。岳くんから感じられるむせ返るような甘い匂いは私の欲情を膨れ上がらせた。痛いほど昂った股間を無意識に手でなだめると、ビリビリと快感が襲う。
私は思春期の様な自分の有り様に思わず苦笑と喜びを感じながら、そっと岳くんを引き寄せた。手元にあったバスタオルでサッと全裸の岳くんの雫を拭い去ると、火照った身体を感じた。
今直ぐにでもむしゃぶりつきたいうなじの匂いを胸いっぱい吸い込むと、クラクラして酩酊しそうだった。これは私の番だと身体中が叫び出す様な感覚は岳くんに会う度に高まっていたけれど、ああ、ついに私の番を手中に収めるのだと、指先は微かに震えている。
岳くんに甘く囁きかければ、振り返り様にトロンとした眼差しで私を見上げた。私のフェロモンに当てられてすっかり高まっている岳くんに、私もどんなにホッとしたか分からない。
普通番ってしまったΩには他のアルファのフェロモンは効かないし、下手に触れれば拒絶反応を示すものだ。彼らと既に番った岳くんが、私に拒絶反応を示したらそこでゲームオーバーだったろう。
私は岳くんの肌の白さでより赤く魅惑的に映える甘い唇に、崇める様に口づけた。触れてしまえば冷静でいようと頑張っていた頭の中もあっという間に熱くなって、只々岳くんを貪っていた。
彼のどの部分も永遠に味わっていたいほどの甘く美味しい味わいは、まるでカニバリズムの気持ちが分からなくもないと思わせた。許されるなら誰にも渡さずに閉じ込めて貪り尽くしたい。
私の中に存在するアルファとしての本能が、身の内から叫び出して飛び出たがっていた。アルファとしてのフェロモンが強いほど、このおぞましい程の病的な番への執着は強いのかもしれない。
そんな自分を怖がっていたのだろうかと、ぼんやりとΩを忌憚していた自分の本当の答えを知ってしまった。
けれど首に纏わりつく岳くんの指先が強請る様に私を引き寄せて優しくなぞると、そんな事はもはやほっぽり出して、夢中になって岳くんの願い通りにΩに溺れていった。
「…岳くん。あぁ、岳…。愛してる。君だけが私を狂わせる…!」
そう湧き上がる悲鳴の様な言葉に、岳は首を傾げて赤らんだ顔で私を見つめた。その目の輝きはこの世の中を誰が支配しているのかを教えた。
そうだ。アルファは愛するΩには敵わない。全ては愛する岳のために…。私は肩の力がふっと取れて、目の間の美しい青年に人生の全てを捧げる事が私の願いなのだと微笑んだ。
けれどもそう考えたのは一瞬で、私は目の前の美しいうなじに少し血の滲んだ二つの歯形に目を奪われた。岳くんから感じられるむせ返るような甘い匂いは私の欲情を膨れ上がらせた。痛いほど昂った股間を無意識に手でなだめると、ビリビリと快感が襲う。
私は思春期の様な自分の有り様に思わず苦笑と喜びを感じながら、そっと岳くんを引き寄せた。手元にあったバスタオルでサッと全裸の岳くんの雫を拭い去ると、火照った身体を感じた。
今直ぐにでもむしゃぶりつきたいうなじの匂いを胸いっぱい吸い込むと、クラクラして酩酊しそうだった。これは私の番だと身体中が叫び出す様な感覚は岳くんに会う度に高まっていたけれど、ああ、ついに私の番を手中に収めるのだと、指先は微かに震えている。
岳くんに甘く囁きかければ、振り返り様にトロンとした眼差しで私を見上げた。私のフェロモンに当てられてすっかり高まっている岳くんに、私もどんなにホッとしたか分からない。
普通番ってしまったΩには他のアルファのフェロモンは効かないし、下手に触れれば拒絶反応を示すものだ。彼らと既に番った岳くんが、私に拒絶反応を示したらそこでゲームオーバーだったろう。
私は岳くんの肌の白さでより赤く魅惑的に映える甘い唇に、崇める様に口づけた。触れてしまえば冷静でいようと頑張っていた頭の中もあっという間に熱くなって、只々岳くんを貪っていた。
彼のどの部分も永遠に味わっていたいほどの甘く美味しい味わいは、まるでカニバリズムの気持ちが分からなくもないと思わせた。許されるなら誰にも渡さずに閉じ込めて貪り尽くしたい。
私の中に存在するアルファとしての本能が、身の内から叫び出して飛び出たがっていた。アルファとしてのフェロモンが強いほど、このおぞましい程の病的な番への執着は強いのかもしれない。
そんな自分を怖がっていたのだろうかと、ぼんやりとΩを忌憚していた自分の本当の答えを知ってしまった。
けれど首に纏わりつく岳くんの指先が強請る様に私を引き寄せて優しくなぞると、そんな事はもはやほっぽり出して、夢中になって岳くんの願い通りにΩに溺れていった。
「…岳くん。あぁ、岳…。愛してる。君だけが私を狂わせる…!」
そう湧き上がる悲鳴の様な言葉に、岳は首を傾げて赤らんだ顔で私を見つめた。その目の輝きはこの世の中を誰が支配しているのかを教えた。
そうだ。アルファは愛するΩには敵わない。全ては愛する岳のために…。私は肩の力がふっと取れて、目の間の美しい青年に人生の全てを捧げる事が私の願いなのだと微笑んだ。
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