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人間降臨
王宮の僕の部屋
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僕は口をあんぐりと開けていた。確かに王様が王宮に僕の部屋が必要だと言った件に賛成はしたけれど、それがよもやちょっとした小宮殿だなんて誰が予想しただろう。しかもロクシー専用の森付き。
つくづく王族ってやる事が凄いって思った。それより人間の僕が特別なのかな。案内してくれている皇太子が僕と手を繋ぎながら言った。
「気に入ったかい?この離宮はマモルに相応わしくなる様に手を入れたんだ。元々は私のお祖母様である、今は亡き王太后がお住まいになっていたのだ。
彼女はなかなか豪な方でね。早くにお祖父様が亡くなったこともあって、若い王に、私の父上だけど、全てを任せて、ここに引きこもって多くの取り巻きと楽しく暮らしていたんだ。
私もここに遊びに来るのが本当に楽しみで、子供の頃の良い思い出が詰まっているんだ。だからマモルにここに住んでもらえるなら、これ以上の事はないよ。」
確かに見て周ると、この宮殿には遊び心が詰まっている気がした。森が近いこともあって、離宮の窓からは小さな小川が流れているのも見えた。
アシメントリーな形式美の庭園とは違った、自由な美しい庭を眺めながら僕は心が浮き立つのを感じた。ロキシーなんて、あっという間に森へ飛んで行ってしまったし。はは、随分気に入ったみたいだ。
皇太子は僕の繋いでる手をクイッと引っ張って、僕に王子様フェイスを近寄らせて囁いた。
「早くマモルがここに引っ越して来てほしい。そうすれば、私もマモルに会いに来やすいだろう?ダメかい?」
うっ、金の王子様のおねだり…。僕は心臓がバクバクするのを感じながら深みのある金色の瞳を見つめて言った。
「あ、あの。そこら辺は伯爵と相談して、ご希望に応えたいと思います…。」
僕がそう言うと、アスランはふいに片手で口元を覆ってそっぽを向いた。
「はあ、マモルが可愛すぎる。そんなに真っ赤になったら、私に食べられたいって言ってるようなものでしょう?」
顔が赤いのは自覚があったんだ。恥ずかしさに居た堪れなくなってしまった僕は、アスランから離れてムッとして言った。
「そんな事言ってない!アスランのバカ!」
するとアスランは目を光らせて僕の手をもう一度つないで、何を考えているのかわからない笑顔を浮かべて言った。
「ほんと、マモルは酷い。…さあ、主寝室に案内しよう。」
あれ?なんかアスラン怒ってる?僕は何を考えているのかわからない、整ったアスランの横顔をチラチラ見ながら手を引かれていったんだ。
~お知らせ~
懲りずに新作BL投稿開始いたしました♡
これ以上連載を増やしてどうするんだという心の声は聞こえないふりで、前のめりで書いてます_φ(・_・
『逃げたい官史と傲慢男の拗らせ愛』
傲慢な男が、脅して情夫にした逃げ腰の美人に翻弄されて、弱ったり葛藤したりするのが見どころのお話です。単純に傲慢なスパダリが書きたかっただけ…かも(^◇^;)
中華時代ファンタジーが舞台なので、煌びやかさと朝廷の人間模様なども楽しめるように書いてます♪
一時期どっぷりハマっていた中華時代ものがこんなところで役に立つとは…。なんちゃって中華なので、おおらかな目線で楽しんでください♡
覗いていただけると喜びます♡よろしくお願いします♫
つくづく王族ってやる事が凄いって思った。それより人間の僕が特別なのかな。案内してくれている皇太子が僕と手を繋ぎながら言った。
「気に入ったかい?この離宮はマモルに相応わしくなる様に手を入れたんだ。元々は私のお祖母様である、今は亡き王太后がお住まいになっていたのだ。
彼女はなかなか豪な方でね。早くにお祖父様が亡くなったこともあって、若い王に、私の父上だけど、全てを任せて、ここに引きこもって多くの取り巻きと楽しく暮らしていたんだ。
私もここに遊びに来るのが本当に楽しみで、子供の頃の良い思い出が詰まっているんだ。だからマモルにここに住んでもらえるなら、これ以上の事はないよ。」
確かに見て周ると、この宮殿には遊び心が詰まっている気がした。森が近いこともあって、離宮の窓からは小さな小川が流れているのも見えた。
アシメントリーな形式美の庭園とは違った、自由な美しい庭を眺めながら僕は心が浮き立つのを感じた。ロキシーなんて、あっという間に森へ飛んで行ってしまったし。はは、随分気に入ったみたいだ。
皇太子は僕の繋いでる手をクイッと引っ張って、僕に王子様フェイスを近寄らせて囁いた。
「早くマモルがここに引っ越して来てほしい。そうすれば、私もマモルに会いに来やすいだろう?ダメかい?」
うっ、金の王子様のおねだり…。僕は心臓がバクバクするのを感じながら深みのある金色の瞳を見つめて言った。
「あ、あの。そこら辺は伯爵と相談して、ご希望に応えたいと思います…。」
僕がそう言うと、アスランはふいに片手で口元を覆ってそっぽを向いた。
「はあ、マモルが可愛すぎる。そんなに真っ赤になったら、私に食べられたいって言ってるようなものでしょう?」
顔が赤いのは自覚があったんだ。恥ずかしさに居た堪れなくなってしまった僕は、アスランから離れてムッとして言った。
「そんな事言ってない!アスランのバカ!」
するとアスランは目を光らせて僕の手をもう一度つないで、何を考えているのかわからない笑顔を浮かべて言った。
「ほんと、マモルは酷い。…さあ、主寝室に案内しよう。」
あれ?なんかアスラン怒ってる?僕は何を考えているのかわからない、整ったアスランの横顔をチラチラ見ながら手を引かれていったんだ。
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傲慢な男が、脅して情夫にした逃げ腰の美人に翻弄されて、弱ったり葛藤したりするのが見どころのお話です。単純に傲慢なスパダリが書きたかっただけ…かも(^◇^;)
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