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友人のヤバいバイト

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「へぇ、光一さんは色々なバイトしてるんですね。ネットで見たんですけど、何かヤバいやつとか有るんじゃないですか?」

真己はあっという間に初対面の光一と打ち解けて、核心へと話を掘り起こしていく。光一は真己のさりげない話術にハマって話し出した。

「ああ、そう言えば最近あれがヤバかったかもしれないな。そう言われてみると、それ以来食欲もないし。」

そう言いながらチーズたっぷりのピザを貪る様に食べる光一を、俺たちはゲンナリした気分で見つめた。いや、何も言うまい。俺は話の続きを促した。


「…そうなんだ。食欲がね…。光一、それってどんなバイトだった訳?」

ガタイの良い光一は、周囲をキョロキョロと見回してから、少し前屈みになって言った。

「…それがさ、空き家の掃除だったんだけど。ゴミ屋敷ってわけでもなかったんだ。普通の空き家。その家の家財道具を運び出すバイトでさ。普通よりバイト代が良かったんだよね。でもその時妙なことが度々起きて、一緒にやってた奴らもビビっちゃって。体調崩す奴続出で、結局最後の方は俺一人でやってたわ。」

そう言いながらケラケラ笑う光一の背中には、べったりと黒いモヤが巻き付いて見える…。俺がなんと言えば良いか考えてると、真己が言った。


「…その空き家で変な写真とか見ました?」

光一はおっと目を見開いて、楽しそうに言った。

「それがさ、写真立てを割っちゃって、片付けてたら裏側からもう一枚写真が出てきたんだよね。それがめっちゃ美人の写真でさ。そこって若い夫婦が住んでた家なんだけど、奥さんとは別の女の人の写真だった訳。俺は事件の匂いを感じたよ。実際、後で調べたらその若い夫婦、行方不明らしいし。」


俺は不思議に思って光一に尋ねた。

「お前が、帰ってから色々調べるとか珍しくないか。どっちかというと、そんなの気にしない方だろ?」

すると光一は、ちょっと言い出しにくそうな素振りで、でも思い切った様に言った。

「実はさ、俺見ちゃったんだよね。その写真の美人。みんなで片付けてた時に、庭の生垣の道路側から覗き込んでたんだよ。見かけた時にはまだ写真を見る前でさ、随分な美人が野次馬してんなくらいだったんだけど。そしたら写真と同じ女だろ?流石の俺もビビっちゃって。スタッフもどんどん体調悪くなってるし。ヤバいだろ?」


俺は聞いてるだけでゾクっとして、腕に立った鳥肌を手のひらで擦って誤魔化していた。そして思わず尋ねていた。

「その覗き込んでた女って、生きてたか?それともお化け?」





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