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戦い

お仕事やってます

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『昨日は芦毛の兄貴が怪我したから、僕たちはもっと厳しい場所へ行かなきゃいけなくなるかもね。』

僕がそう言うと、ビッツは僕の顔をじっと見つめて言った。

『…俺、時々お前はやっぱり人間なんだなって思うよ。俺はそこまで色々考えられないから。実際お前のお陰で、俺たちはほとんど怪我をしなくて済んでるし。


敵を見た時に立つ位置や、状況判断をお前が皆に教えてくれたおかげで、俺たちは怪我をしても致命傷にはなってない。芦毛だって、浅い傷だ。

リーダーも言ってただろ?先輩馬から聞いてた時とは全然被害が違うって。』

僕はビッツの肩を組む代わりに、首筋に顔を擦りつけて言った。

『皆の役に立てたなら嬉しいけど、油断はしちゃだめだよ?僕はこんな戦いはさっさと終わらせて、平和な王都に早く戻りたいだけなんだよ。とにかく無事に帰ろう。ね?』


そう言って、ビッツを見つめると、ビッツはおうと返事をすると視線を彷徨わせた。全くこいつは妙に挙動不審だ。ま、良いけど。

僕はビッツに言われたことを考えてた。確かに騎士が振るう、長い槍もどきを動かしやすくするためには、僕たちの立ち位置は重要だ。僕は直ぐにベストポジションを見い出して、それを皆にも伝えた。

勝率を上げることで、早く王都に帰りたかったし、皆に怪我もさせたくは無かったんだ。


それが上手いこと、こっちの優勢に繋がってくるとは考えなかったけどね。あーあ、早く帰りたいよ。…それに僕はここに来てしばらく経っていることに気づいていた。

そう、月がまたふっくらと育ってきているんだ。僕は毎晩夜空を見上げながら満月の前に王都に戻りたかったんだ。ほんと死活問題だよ。厩舎で素っ裸の男とか、シュール過ぎて変態にも程があるよ。


僕がそんな気持ちで最後のご褒美の甘くてコリコリの人参を食べていると、ウィルが近くにやってきた。僕が人参を食べ終わるのを美味しいかって優しく声を掛けてくれてる。

あー、好き。ウィルはこの厳しい命の駆け引きをしているせいか、精悍な顔をますます研ぎ澄ませて、惚れ惚れする様なイイ男になっていた。


そんなことを考えていたせいか、僕のあそこがムクムクと伸びていく感じがした。や、ヤバい…。鎮まれ、僕のマグナム!人間の僕のソレは可愛い子ちゃんだけど、馬の僕のそれはマグナムに相応しいあり様だろう?

気が散ったせいか、僕のマグナムは鎮まった。ああ、ヤバかった。ウィルに見られていたら恥ずかしかったし、何て言い訳したらいいのさ。僕を撫でていたウィルは僕の顔の側でクスッと笑って言った。


「フォル、興奮したのか?何に?」

バレてたー!




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