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4章

4章86話(386話)

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 翌日には私の体調もすっかり良くなり、ディアと一緒にマリアお母様に『友人を呼んでお茶会をしたいです』という内容を伝えた。すると、お母様はにっこりと微笑んで、

「そうだと思って、すでに準備しているわ」

 と、言葉にした。驚いて目を丸くする私たちに、お母様は口元を隠すように扇子を広げて、「うふふ、わたくしにもまだ、巫子の力は残っていてよ?」と楽しそうに声を弾ませた。

 ――つまり、友人たちとお茶会をしている未来をた、のね。

 私とディアは顔を見合わせて、それからお母様に「ありがとうございます」と頭を下げる。

 私たちの頭を交互に撫でて、お母様は目元を細めた。

「わたくしは参加しないから、たくさん語り合うと良いわ」
「語り合う……」
「ええ。そのための、お茶会なのでしょう?」

 こくり、と首を縦に動かすと、お母様は「ね」ともう一度私たちの頭を撫でた。それから、仕事があるからということで、お茶会の準備を私たちに任せてくれた。

 リタとタバサの力を借りて、お茶会の準備をした。お茶会、と言っても、友人を呼んで近況をたくさん話す感じにしたいから、格式ばったものよりもみんながリラックスできるような雰囲気を目指したい。

 ディアとも話し合い、ジーンとイヴォン、ジェリーにとってどんな場所がリラックスできるだろうかといっぱい考えて、結局晴れているときは中庭ということに落ち着いた。

「アンダーソン邸の中庭の花々はとても素晴らしいもの。きっとみんな、ゆっくり見てみたいと考えていると思うの」

 ディアの言葉に「そうね」と同意を返した。花々に囲まれてのお茶会は、きっと楽しいものになるだろう。

「お母様、招待状も出したみたいなのよね」
「巫子の力っていつお茶会をやるかまで、わかるものなのでしょうか?」
「どうなのかしら……? でも、そのおかげでこうして準備に集中できるわね」
「それは確かに。友人たちのお茶会の準備だから、なんだかワクワクしているわ」

 それは私もそうだ。二年間の間にいろんなお茶会に参加したけれど、その家独特のルールがあったりして、なんだか少し楽しかったのを覚えている。――もちろん、アンダーソン公爵家の令嬢として、お茶会の主催をしたこともあるけれど、初めてのときは緊張してしまってほとんどのことを覚えていないのよね。

「お昼に近い時間帯だし、軽食は必要よね」
「ええ。たくさんのことを話したいから、いっぱい用意してもらいましょう。お茶も、軽食も、お菓子も」

 ディアとふたりでそんなことを話し合っていると、コツコツと歩く音が聞こえた。振り返ると、シー兄様が私たちに近付いていた。
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