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2章:同じことはしないけど
放課後デート 1話
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そして放課後――……
「まだ帰りたくありませんわ、アレクシス殿下」
「そうか、ならば図書室にでも――……」
「ごきげんよう、アレクシス殿下とフローラさま。少しお時間よろしいかしら?」
授業が終わってイチャイチャしているところに突撃。
彼女たちは驚いたように私を見たけれど、フローラはそれこそ、花が綻ぶように微笑み、それを目にしたアレクシス殿下が顔を赤らめている。
……ラブラブですねぇ。
おっと、呆れた表情を浮かべてしまった。
イチャイチャするのは勝手にやってくれって感じだけど……いや、本当に。
恋は盲目という言葉があるけれど、今のアレクシス殿下の状態がそうなのかも。
思わずそう分析していると、フローラの表情が歪み始めた。
一分もしないうちに表情を崩してどうするの。
「フローラさま、明日の放課後、私の用事に付き合ってくださらない?」
「……私が、リディアさまの用事に……?」
怪訝そうに眉間に皺を刻むフローラ。アレクシス殿下は「なにを言っているんだ!」と声を荒げた。
「もちろん、二人きりではありません。アレクシス殿下も同行して構いません。フローラさまのお友だちも、何人呼んでいただいても構いません。フィリベルトさまも一緒ですし」
隣に立ってくれているフィリベルトさま。彼は私の肩にぽんと手を置いて、小さくうなずく。
「……なんの用ですの?」
「明日のお楽しみですわ」
それだけ言い終えて、私は彼らに背を向けた。
くるりと振り返り、「それでは、ごきげんよう」と柔らかく声をかけて、教室をあとにする。
フィリベルトさまは、そんな私に付き合ってくれた。
「……リディア嬢、今から少し、時間をいただいても?」
「……えっ?」
あとはもう帰るだけ、というタイミングで、フィリベルトさまが誘ってきた。今から? と目を瞬かせると、そっと手を差し出す。
この手を取ろうかどうか、一瞬迷った。
でも――……
「私を楽しませてくださいますの?」
「そうですね……リディア嬢が甘いものが好きなら、楽しめると思います」
にっと白い歯を見せるフィリベルトさまに、そっと自分の手を重ねた。
だって今の私たち、期間限定とはいえ『恋人同士』という関係だし。
一昨日のダンスパーティーで、アレクシス殿下から婚約破棄宣言されたのは、学生たちも知っているものね。
普段なら、男性と二人きりになることは避けていたけれど……、もう関係ない。
「それじゃあ、ちょっと寄り道していきましょう」
「どこに連れていってくださるのかしら?」
「ついてからのお楽しみですよ」
そう言われると、とっても気になる。ワクワクとした気持ちが湧きあがり、私とフィリベルトさまは街へと繰り出した。
「まだ帰りたくありませんわ、アレクシス殿下」
「そうか、ならば図書室にでも――……」
「ごきげんよう、アレクシス殿下とフローラさま。少しお時間よろしいかしら?」
授業が終わってイチャイチャしているところに突撃。
彼女たちは驚いたように私を見たけれど、フローラはそれこそ、花が綻ぶように微笑み、それを目にしたアレクシス殿下が顔を赤らめている。
……ラブラブですねぇ。
おっと、呆れた表情を浮かべてしまった。
イチャイチャするのは勝手にやってくれって感じだけど……いや、本当に。
恋は盲目という言葉があるけれど、今のアレクシス殿下の状態がそうなのかも。
思わずそう分析していると、フローラの表情が歪み始めた。
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「……私が、リディアさまの用事に……?」
怪訝そうに眉間に皺を刻むフローラ。アレクシス殿下は「なにを言っているんだ!」と声を荒げた。
「もちろん、二人きりではありません。アレクシス殿下も同行して構いません。フローラさまのお友だちも、何人呼んでいただいても構いません。フィリベルトさまも一緒ですし」
隣に立ってくれているフィリベルトさま。彼は私の肩にぽんと手を置いて、小さくうなずく。
「……なんの用ですの?」
「明日のお楽しみですわ」
それだけ言い終えて、私は彼らに背を向けた。
くるりと振り返り、「それでは、ごきげんよう」と柔らかく声をかけて、教室をあとにする。
フィリベルトさまは、そんな私に付き合ってくれた。
「……リディア嬢、今から少し、時間をいただいても?」
「……えっ?」
あとはもう帰るだけ、というタイミングで、フィリベルトさまが誘ってきた。今から? と目を瞬かせると、そっと手を差し出す。
この手を取ろうかどうか、一瞬迷った。
でも――……
「私を楽しませてくださいますの?」
「そうですね……リディア嬢が甘いものが好きなら、楽しめると思います」
にっと白い歯を見せるフィリベルトさまに、そっと自分の手を重ねた。
だって今の私たち、期間限定とはいえ『恋人同士』という関係だし。
一昨日のダンスパーティーで、アレクシス殿下から婚約破棄宣言されたのは、学生たちも知っているものね。
普段なら、男性と二人きりになることは避けていたけれど……、もう関係ない。
「それじゃあ、ちょっと寄り道していきましょう」
「どこに連れていってくださるのかしら?」
「ついてからのお楽しみですよ」
そう言われると、とっても気になる。ワクワクとした気持ちが湧きあがり、私とフィリベルトさまは街へと繰り出した。
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