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3章:竜の国 ユミルトゥス
竜の国へ! 3話
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「ここで少し休憩しよう。首都にはまだ遠いので」
「ユミルトゥスって、こんなに遠い国だったのですね……」
こちらに近づいてきたフィリベルトさまに、しみじみと言葉をこぼすと、彼は「はは」と軽く笑う。
それに合わせるように、自然と笑みが浮かんだ。
そんな私たちの様子を、みんなが微笑ましそうに眺めている。
「クッキーありますけれど、いかがですか?」
「いただいてよろしいのですか?」
「もちろんです」
女性がクッキーの入った小袋を取り出す。首をかしげて問うと、女性はにっこりと微笑んで渡してくれた。
「ありがとうございます」
「リディア嬢、こちらへ」
「?」
お礼の言葉を伝えてから、フィリベルトさまに手を引かれて歩く。
緑がきれいな草原。ところどころに、赤やピンクの花々が咲いているところもあって、とてもきれいな場所だ。
わぁ、と声を上げると、フィリベルトさまがハンカチを取り出して地面に敷いてくれた。
「どうぞ、お座りください」
「あ、ありがとうございます」
いいのかな、と思いながらも、ハンカチの上に座る。
クッキーの包みを開けて、フィリベルトさまに差し出した。
「甘いもの、平気でしたよね?」
「ええ、いただきます」
彼はクッキーを一枚手に取って、口を運ぶ。私もクッキーを一口食べる。
サクッとした軽い食感に、バターの風味と砂糖の甘さ。
うーん、美味しい!
こういう甘いものって、幸せな気持ちにしてくれるわよね。
休憩が終わり、再びムーンに乗り込む。
ぎゅっと後ろから抱きしめられた。慣れないけれど……たぶん、安全のため、よね?
バサッと翼を広げて、ムーンが空へと舞い戻る。
今度はもっとしっかり、空の旅を楽しんだ。
フィリベルトさまも辺りを見渡しているようで、懐かしんでいるのかな? と想像した。
しばらく飛行していると、フィリベルトさまがすっと前を指す。
指先を追うように視線を動かすと、そこに――大きな都市が広がっていた。
もしかして、ここがユミルトゥスの首都なのかしら? でも、最初はスターリング領に行くと話していたから、まさかこの広い街がスターリング領?
急にドキドキしてきた。フィリベルトさまのご両親にきちんと挨拶しないとって。
ムーンがゆっくりと降り始めた。
先ほどと同じように降ろしてもらい、辺りを見渡す。
竜がたくさん降りても大丈夫なくらい、広い場所。
ローレンとチェルシーは、やっぱりちょっと具合が悪そうにふらふらしていた。
「おかえりなさいませ、フィリベルトさま」
「ああ、今戻った。父上と母上は?」
「応接室でお待ちです」
執事服の男性が近づいてきて、フィリベルトさまに頭を下げた。やっぱりここが彼の生家だったのね!
「そうか。リディア嬢、ついたばかりで申し訳ないが……」
「い、いえ! いきます。ご挨拶させてください」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼は微笑みを浮かべて私に手を伸ばし、さっさっと髪を整えてくれた。
それから私の手を握り、「こちらへ」と歩き出す。
かなり緊張しているけれど、フィリベルトさまにエスコートされながら、なんとか足を動かした。
「ユミルトゥスって、こんなに遠い国だったのですね……」
こちらに近づいてきたフィリベルトさまに、しみじみと言葉をこぼすと、彼は「はは」と軽く笑う。
それに合わせるように、自然と笑みが浮かんだ。
そんな私たちの様子を、みんなが微笑ましそうに眺めている。
「クッキーありますけれど、いかがですか?」
「いただいてよろしいのですか?」
「もちろんです」
女性がクッキーの入った小袋を取り出す。首をかしげて問うと、女性はにっこりと微笑んで渡してくれた。
「ありがとうございます」
「リディア嬢、こちらへ」
「?」
お礼の言葉を伝えてから、フィリベルトさまに手を引かれて歩く。
緑がきれいな草原。ところどころに、赤やピンクの花々が咲いているところもあって、とてもきれいな場所だ。
わぁ、と声を上げると、フィリベルトさまがハンカチを取り出して地面に敷いてくれた。
「どうぞ、お座りください」
「あ、ありがとうございます」
いいのかな、と思いながらも、ハンカチの上に座る。
クッキーの包みを開けて、フィリベルトさまに差し出した。
「甘いもの、平気でしたよね?」
「ええ、いただきます」
彼はクッキーを一枚手に取って、口を運ぶ。私もクッキーを一口食べる。
サクッとした軽い食感に、バターの風味と砂糖の甘さ。
うーん、美味しい!
こういう甘いものって、幸せな気持ちにしてくれるわよね。
休憩が終わり、再びムーンに乗り込む。
ぎゅっと後ろから抱きしめられた。慣れないけれど……たぶん、安全のため、よね?
バサッと翼を広げて、ムーンが空へと舞い戻る。
今度はもっとしっかり、空の旅を楽しんだ。
フィリベルトさまも辺りを見渡しているようで、懐かしんでいるのかな? と想像した。
しばらく飛行していると、フィリベルトさまがすっと前を指す。
指先を追うように視線を動かすと、そこに――大きな都市が広がっていた。
もしかして、ここがユミルトゥスの首都なのかしら? でも、最初はスターリング領に行くと話していたから、まさかこの広い街がスターリング領?
急にドキドキしてきた。フィリベルトさまのご両親にきちんと挨拶しないとって。
ムーンがゆっくりと降り始めた。
先ほどと同じように降ろしてもらい、辺りを見渡す。
竜がたくさん降りても大丈夫なくらい、広い場所。
ローレンとチェルシーは、やっぱりちょっと具合が悪そうにふらふらしていた。
「おかえりなさいませ、フィリベルトさま」
「ああ、今戻った。父上と母上は?」
「応接室でお待ちです」
執事服の男性が近づいてきて、フィリベルトさまに頭を下げた。やっぱりここが彼の生家だったのね!
「そうか。リディア嬢、ついたばかりで申し訳ないが……」
「い、いえ! いきます。ご挨拶させてください」
ぐっと拳を握って意気込むと、彼は微笑みを浮かべて私に手を伸ばし、さっさっと髪を整えてくれた。
それから私の手を握り、「こちらへ」と歩き出す。
かなり緊張しているけれど、フィリベルトさまにエスコートされながら、なんとか足を動かした。
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