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3 新しい生活の始まり
3‑8 メッセージを飛ばす
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見守る、殿下の研究チームの生徒達も大興奮である。
「この魔法陣で、魔力同調が可能になるんですね?」
「元々、わたしとエステル嬢の魔力は親和性が高いからね。次は、君たちでやってみるかい?」
そう。誰でも扱えるようになるには、どんな魔力質の人とも出来なければ、共鳴魔法とはいえない。
まずは、同じ水属性が得意な生徒二人が、魔法陣に魔力を流して馴染ませるところから始める。
魔力の共鳴という作業が初めての生徒達。
わずかに水は揺れたものの、移動させるまでには至らなかった。
「でも、感覚は摑めました! 何度かやれば、出来るようになると思います」
七年生の女子は、大興奮である。
そこで、次は風が得意な男子と火と土が得意な男子とでやってみることに。
得意属性でなくても効果を出せるのか。
男子二人は幼馴染みで、仲が良いので、精神的な反発はないだろうとのこと。
さすが、上級生、魔力を流して馴染ませるのはすんなりいく。
属性を混ぜ込まなければ、誰でも魔法陣の起動自体は可能。ここまでは順調。
杯の中の水に波紋が広がり始める。
パシャン
水が弾けるように跳ね、木製の杯はふたつに割れてしまった。
「中々、殿下達のようにはいきませんね」
「もう少し、魔法術式の構築を改善してみないとダメかな」
今日一日は、生徒達の共鳴訓練が続いた。
꙳
学校がない日は、魔法省で殿下の仕事のお手伝い⋯⋯とはいえ、私に出来ることはまだ殆どない。
せめて、ラケルに習ったハーブティーを、殿下と執事の皆さまに淹れるくらい。
「ありがとう」
殿下は、演習遠征に出ている第三王子殿下に手紙を書いていたようで、中を見ないように、そっとティーカップを、倒したり落としたりしない距離に置く。
「エステルなら、風霊を使って、確実に手紙を届けるんだろうね?」
「はい。と言っても、精霊達が宛てる先の場所か人の霊気を記憶してある必要がありますけど」
「ほお? やはり、それなりに条件や制限はあるか⋯⋯ 精霊魔法が何でも万能という訳ではないんだな」
ハーブティーを一口含み、美味いよと礼を言ってくれる。
「個性を持つほど大きな精霊だと、探して届けるなんて事も出来ますけど、ただのメッセンジャー能力を持たせただけの小さな精霊は、先に相手を⋯⋯」
そうだ。魔法関連の事件やトラブルなどの解決策を見出すのが殿下の主なお役目なら。
「殿下、このような物があるのですが」
ヘンリッキの精霊感染させた特殊用紙の紙飛行機を見せた。
「ん? これは⋯⋯」
使い方を話すと、興味津々に紙飛行機を手の中でくるくる回したり折り目を広げてみたり。
さすがはエリオス殿下、視るだけで大体の術式の構成は理解されたみたいだった。
「飛ばすところがみたい。かな」
「あの、その紙飛行機を作った者について、少し相談があるのですが」
「なに? 聞くよ。本人も一緒に聞いた方がいいのかな?」
「はい。この紙飛行機を作った者に宛てて飛ばしますので、本人がここへ来ることをお許しくださいますか?」
「もちろん。相談事がなくても、是非とも話を聞いてみたいね」
にっこり テーブルの上で手を組み微笑んで請け負ってくてる殿下に甘え、相談してみることにした。
「こうして、中に文章を書いても書かなくても良くて宛先として魔力を馴染ませた相手の名を⋯⋯『ヘンリッキ』こちらの翼に入れたら⋯⋯」
ふわっと紙飛行機が机の上から浮き上がる。
数秒間そのまま滞空してから、ツと開いた窓から飛んでいった。
「わあ、燕みたいですね?」
「私も、飛ばすのは初めてなんです」
途中、どれくらいの速さで飛んだのかわからないけれど、十分しないで、私の魔力を馴染ませた黄色のが窓から入って来た。
「色が変わった?」
「これは先ほどのとは別です。あれには、ヘンリッキの魔力を馴染ませてあって、こちらには、わたくしの魔力が込められています。わたくしがどこに居ても、その後魔力を頼りに追跡するという物のようです」
「なら、先に相手の魔力を馴染ませておけば、確実に本人に届くという訳だね」
ヘンリッキの返信には、少し乱れた文字で、何をおいても馳せ参じると書いてあった。
見守る、殿下の研究チームの生徒達も大興奮である。
「この魔法陣で、魔力同調が可能になるんですね?」
「元々、わたしとエステル嬢の魔力は親和性が高いからね。次は、君たちでやってみるかい?」
そう。誰でも扱えるようになるには、どんな魔力質の人とも出来なければ、共鳴魔法とはいえない。
まずは、同じ水属性が得意な生徒二人が、魔法陣に魔力を流して馴染ませるところから始める。
魔力の共鳴という作業が初めての生徒達。
わずかに水は揺れたものの、移動させるまでには至らなかった。
「でも、感覚は摑めました! 何度かやれば、出来るようになると思います」
七年生の女子は、大興奮である。
そこで、次は風が得意な男子と火と土が得意な男子とでやってみることに。
得意属性でなくても効果を出せるのか。
男子二人は幼馴染みで、仲が良いので、精神的な反発はないだろうとのこと。
さすが、上級生、魔力を流して馴染ませるのはすんなりいく。
属性を混ぜ込まなければ、誰でも魔法陣の起動自体は可能。ここまでは順調。
杯の中の水に波紋が広がり始める。
パシャン
水が弾けるように跳ね、木製の杯はふたつに割れてしまった。
「中々、殿下達のようにはいきませんね」
「もう少し、魔法術式の構築を改善してみないとダメかな」
今日一日は、生徒達の共鳴訓練が続いた。
꙳
学校がない日は、魔法省で殿下の仕事のお手伝い⋯⋯とはいえ、私に出来ることはまだ殆どない。
せめて、ラケルに習ったハーブティーを、殿下と執事の皆さまに淹れるくらい。
「ありがとう」
殿下は、演習遠征に出ている第三王子殿下に手紙を書いていたようで、中を見ないように、そっとティーカップを、倒したり落としたりしない距離に置く。
「エステルなら、風霊を使って、確実に手紙を届けるんだろうね?」
「はい。と言っても、精霊達が宛てる先の場所か人の霊気を記憶してある必要がありますけど」
「ほお? やはり、それなりに条件や制限はあるか⋯⋯ 精霊魔法が何でも万能という訳ではないんだな」
ハーブティーを一口含み、美味いよと礼を言ってくれる。
「個性を持つほど大きな精霊だと、探して届けるなんて事も出来ますけど、ただのメッセンジャー能力を持たせただけの小さな精霊は、先に相手を⋯⋯」
そうだ。魔法関連の事件やトラブルなどの解決策を見出すのが殿下の主なお役目なら。
「殿下、このような物があるのですが」
ヘンリッキの精霊感染させた特殊用紙の紙飛行機を見せた。
「ん? これは⋯⋯」
使い方を話すと、興味津々に紙飛行機を手の中でくるくる回したり折り目を広げてみたり。
さすがはエリオス殿下、視るだけで大体の術式の構成は理解されたみたいだった。
「飛ばすところがみたい。かな」
「あの、その紙飛行機を作った者について、少し相談があるのですが」
「なに? 聞くよ。本人も一緒に聞いた方がいいのかな?」
「はい。この紙飛行機を作った者に宛てて飛ばしますので、本人がここへ来ることをお許しくださいますか?」
「もちろん。相談事がなくても、是非とも話を聞いてみたいね」
にっこり テーブルの上で手を組み微笑んで請け負ってくてる殿下に甘え、相談してみることにした。
「こうして、中に文章を書いても書かなくても良くて宛先として魔力を馴染ませた相手の名を⋯⋯『ヘンリッキ』こちらの翼に入れたら⋯⋯」
ふわっと紙飛行機が机の上から浮き上がる。
数秒間そのまま滞空してから、ツと開いた窓から飛んでいった。
「わあ、燕みたいですね?」
「私も、飛ばすのは初めてなんです」
途中、どれくらいの速さで飛んだのかわからないけれど、十分しないで、私の魔力を馴染ませた黄色のが窓から入って来た。
「色が変わった?」
「これは先ほどのとは別です。あれには、ヘンリッキの魔力を馴染ませてあって、こちらには、わたくしの魔力が込められています。わたくしがどこに居ても、その後魔力を頼りに追跡するという物のようです」
「なら、先に相手の魔力を馴染ませておけば、確実に本人に届くという訳だね」
ヘンリッキの返信には、少し乱れた文字で、何をおいても馳せ参じると書いてあった。
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