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不思議なダンジョンの奥には
さん。『私達の誰もが斃せるイメージが湧かなかったベヒモスを斃した功労者達は、私の指をちゅぱちゅぱしたり毛繕いしたりに余念がない』──一休み
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🐿
私達の誰もが斃せるイメージがまったく湧かなかったベヒモスを斃した功労者達は、私の指をちゅぱちゅぱしたり、毛繕いしたりに余念がない。
が、カーバンクルお母さんは、チロッと私を見た後、ぴょーんと跳び上がるとくるりと一回転して、空間を裂いて帰って行った。
「あ、私達も⋯⋯いや、道は開けたからいいのか」
幻獣同士の攻撃しか有効でなくて私達では刃が立たない、ベヒモスを斃してくれたカーバンクルちゃん達。
いつも空間転移で現れて用が済めば帰って行く。たぶん、初めて会った林の中に。
チビちゃん達はまだ私の指をちゅぱちゅぱしてる。
「まあ、今回の功労者だもんね。コハクちゃんの体調に影響がないのなら、好きなだけ吸わせてあげな」
「うん。私の魔法精神力は2しかないのに、よく吸うものがあるよね」
「MPを吸ってるんじゃないんじゃないかしら?」
「そうなの?」
「コハクちゃんの生命力とか、何か私達とは違う、不思議な力とかあるんじゃないかしら?」
「そうそう。本来物質的肉体はないはずの精霊種の火蜥蜴を鷲摑みにして後頭部を圧して焰を吹かせたり、ラジエの抜けた魂も鷲摑みにして傷口から身体に押し込んで蘇生させたり、普通は出来ないよねぇ」
それ、誉めてないよね? まあ、事実だけど、変人扱いじゃないのかなとか思ったり。
「まあまあ、頼りにしてるわよ。コハクちゃん」
「君がいなかったら、ロックストーヴ山の奥底で冥府の王の前から帰ってこられなかったし、その前に狂った火蜥蜴や寝起きの大雪ダルマにヤられてただろうし」
誉めてるとは言うけど、ただのビックリ事件を笑い話にしているだけの人達のようにも見える。
「⋯⋯聞きしにまさる、だね。コハクちゃん。そんな大冒険をして来たんだ。さすがはプラチナ級冒険者だなぁ」
カイルロッド様は感心してくれるけど、プラチナ級詐欺っぽいよね、レベル1なんだもん。
私達の誰もが斃せるイメージがまったく湧かなかったベヒモスを斃した功労者達は、私の指をちゅぱちゅぱしたり、毛繕いしたりに余念がない。
が、カーバンクルお母さんは、チロッと私を見た後、ぴょーんと跳び上がるとくるりと一回転して、空間を裂いて帰って行った。
「あ、私達も⋯⋯いや、道は開けたからいいのか」
幻獣同士の攻撃しか有効でなくて私達では刃が立たない、ベヒモスを斃してくれたカーバンクルちゃん達。
いつも空間転移で現れて用が済めば帰って行く。たぶん、初めて会った林の中に。
チビちゃん達はまだ私の指をちゅぱちゅぱしてる。
「まあ、今回の功労者だもんね。コハクちゃんの体調に影響がないのなら、好きなだけ吸わせてあげな」
「うん。私の魔法精神力は2しかないのに、よく吸うものがあるよね」
「MPを吸ってるんじゃないんじゃないかしら?」
「そうなの?」
「コハクちゃんの生命力とか、何か私達とは違う、不思議な力とかあるんじゃないかしら?」
「そうそう。本来物質的肉体はないはずの精霊種の火蜥蜴を鷲摑みにして後頭部を圧して焰を吹かせたり、ラジエの抜けた魂も鷲摑みにして傷口から身体に押し込んで蘇生させたり、普通は出来ないよねぇ」
それ、誉めてないよね? まあ、事実だけど、変人扱いじゃないのかなとか思ったり。
「まあまあ、頼りにしてるわよ。コハクちゃん」
「君がいなかったら、ロックストーヴ山の奥底で冥府の王の前から帰ってこられなかったし、その前に狂った火蜥蜴や寝起きの大雪ダルマにヤられてただろうし」
誉めてるとは言うけど、ただのビックリ事件を笑い話にしているだけの人達のようにも見える。
「⋯⋯聞きしにまさる、だね。コハクちゃん。そんな大冒険をして来たんだ。さすがはプラチナ級冒険者だなぁ」
カイルロッド様は感心してくれるけど、プラチナ級詐欺っぽいよね、レベル1なんだもん。
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