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第一章 辺境の町

第214話 束の間の休息

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 そうして、今度こそ自分達用の白チーズ茸を確保したので、その日は三人で茸パーティーをして楽しんだよ!

 食欲が爆発しているリノはともかく、私と彼は満足するまで食べたんだけど……いやあれは人を駄目にする美味しさだったですねぇ……。



 まずは、たくさん採れたら一度は食べたいと思っていた、念願の白チーズ茸のステーキ!
 贅沢にも茸を分厚く切って、自家製の香草塩だけをパラリとふり、後はほどよい火加減で焼くだけという一品です。
 素材の味で勝負する、料理といってもいいものかというようなシンプル極まりないものだったけど、リノの一押しだしずっと食べたかったんだよね。


 茸尽くしのスープも作った。又々女将さんにお借りした大鍋に、白チーズ茸の他にも虹色茸や水白茸、水光茸や金茶香茸、瑠璃玉茸、オーブ茸、豆茸など、これまでに採取して乾燥保存してあったものも含めて、たくさんの種類の茸をこれでもかっていうくらい入れる。
 そこにラグナードが干し肉を少々提供してくれたので細切れにし、茸と一緒に採ってきたばかりの香草も加えて味付けしていく。
 これを弱火でコトコトと煮込んだものは、ポタージュのようにコッテリと仕上がりましたっ。
 見た目も香りもトロトロに溶けたチーズのようで、少し黄色味がかって艶々したスープは、見ているだけで食欲を刺激されますね!



 どちらも堪らなく美味しかったんだけど、それ以上に絶品だったのは、ホーンラビットの丸焼きだったんだよね!

 あれはちょうど白チーズ茸を採取して帰る道筋で、付け合わせの香草なんかも採りつつ、他にも何かないかと探している時にバッタリと出会ってしまった運の悪い奴がいて……それはもう立派な大きさの個体だったんだけど、リノにはお肉の塊にしか見えなかったらしく、いい笑顔で瞬殺してくれたんだ……。うん、ありがとうね。

 せっかくいい素材が手に入ったので、ホーンラビットのお肉をメインにしたお料理はどんなのがいいかを考えて、ローストチキンっぽく調理する事を思いついたんだ。
 丁寧に下処理し内臓を取り出したお腹の中に、刻んだ香草や野菜、乾燥させてあったパンの実を砕いたものと共に、白チーズ茸をいっぱい詰め込み、丸ごと焼いてみたんだよね。そうしたら……。

「これは、ウマイな……」

「めちゃくちゃい美味しいですよねっ」

「……本当、美味しい」


 ――語彙力が崩壊しちゃっているけど、それはもう言葉を失うくらいに、ただただ美味しかったんですっ。


 思い出しただけでもヨダレが出そう、とっても贅沢な時間でした! ご馳走さまです。また食べたいなっ。




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