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第一章 ヒロイン編

18.

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婚約発表が明日の御披露目パーティーが王宮で行われる。
皇太子の婚約発表だから盛大なものになるのだろう。
まさか私が皇太子の婚約者として主役の隣に立つことになるとは思ってもみなかったですわ。
ゲームでは隣にはヒロインがいましたからね。。
しかも婚約発表は学園で愛を育んで卒業してからのはず………なのにモブな私と婚約する上に学園入学してすぐ婚約発表なんて………私がついていけませんわ。

「カルは学業もあり公務もありで大変かと思います。婚約発表は卒業してからでもいいのですが………。カルも学生生活満喫してほしいのです。」

って?リティは俺といる時間が少なくてもいいってことかな?それともリティはと遊びたいってこと?」

カル……にこやかな顔のはずが背筋が凍るように寒く冷や汗が出ますよ。

「ちっ違いますわ。誤解です。私は入学して学業に素敵なご令嬢と出会いがあれば友達になりたいなと思ってただけですわ。」

「そう…………ならいいが俺は忙しくてもリティとの時間が欲しい。それに婚約者と大々的に皆にも知らせたい。俺だけのリティでいてほしい。」

なっなんかこの前も思いましたがゲームの中のカルの性格と違いませんか?
こんなに独占欲強かった?

「私はもうカルの婚約者です。カルが私を婚約破棄しない限りいつまでもお側におりますわ。」

「婚約破棄?するわけないじゃないか。リティの口から婚約破棄なんて言葉を聞くとは思わなかったな。何か隠し事してないよな?」

身体がビクッと反応してしまったが、目を細めジーと見ていたカルはふぅと息をはいて私の頬を撫でながら

「…………まあ、いずれ。婚約発表を楽しみにしてるよ。」

と笑顔でいってくれたので深く追求されないことに安心していた。


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「カルティド・パシフィクルとリティアナ・ファシリックの婚約発表を宣言する。」

カルの国王様お父様が発表なされました。
これで余程浮気や他に好きな人のことがない限り私とカルの婚約は破棄できませんわ。
私からは絶対にいたしません。
家のこともありますが、私なりに婚約を決めたときからカルに想いを寄せる部分があったのかもしれませんわ。
あんな素敵な婚約申し込みをされると女ならときめくでしょう。
でも、クラリスお兄様ラブは変わりませんわ。

周りからお祝いの言葉を沢山いただきます。
隣には私の手を………いや腰を引くカルがいます。
何故腰ですの!?
婚約発表で注目を浴びている中、さらに浴びるようなことしないでください。

「カル、ひいてくださいませ。腰は近すぎますわ。」

「リティ、今日は婚約発表の日だ。皆に忠告……いやしっかり認知してもらわないとな。リティは俺のだってね。」

小さい声でカルに言うが笑顔を崩さずにカルが発言するから私も女ですからね……顔が熱くなってしまうではありませんか。
端からみたら私がカルに腰を抱かれて嬉しくて頬を染めてる………と思われますわ。
………ほら、あちらにもこちらにも温かな目で見てる夫人や令嬢がいらっしゃいますわ。
うぅ……恥ずかしいですわ。

最初に王様と王妃様にご挨拶した際も温かい眼差しで私とカルを見られてました。

「カルは何でも出来る子だったから何かを熱望したのは初めてで、私達もリティアナがカルを射止めてくれて嬉しく思っておりますのよ。こんなにリティアナを求めちゃって。カルと仲良くね。」

王妃様……私いつカルを射止めたかしりませんでしたわ。
こんなに熱い想いを抱かれてるなんて私も最近知ったばかりなのです。

「あんなに婚約者を拒んでたのはリティアナの為だったのだな。リティアナよ。カルはずっと一途に想っていたということだ。学生生活を楽しむがよい。」

とは何のことでしょう??
カルと一緒にデートとかして楽しめってことでしょうか?
一途なところはわかりましたが、、ゲームではヒロインに一途だったのですよ。
……………自分が婚約者の立場になると不安しかありませんわ。

「カルの隣で支えられるように私も学業に励みたいと思います。」

不安でも今出来ることをするしかありません。
腰を抱かれてるので綺麗なカーテシーができませんので離れてくださいませ。
少し抵抗してみるもガッシリと抱き締められていて離れない。

「………………申し訳ございません国王様、王妃様このような状況ですので綺麗なご挨拶ができないことご了承くださいませ。」

出来る限りのカーテシーをするがこんな時でも離れないこの王子カルが少し鬱陶しい。
王様と王妃様は笑ってくださったが………本当にもう!!と言いたくなるわ。

「逃がさないよ。」

耳元でそんな声優並みのいい声で言わないでください。
不覚ながらときめいてしまいますわ。
というか、今の話ですか?これからの話ですか?
いろんな意味の怖さがありますが………どっちですか。
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