お兄様が攻略対象者で妹のモブ令嬢のはずですが、攻略対象者が近づいてきて溺愛がとまりません。

MAYY

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第一章 ヒロイン編

42.

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「そう言えばこの前珍しく令嬢を家に呼んでたな。朝からウキウキして気持ち悪いなと思ってたから……確か三人の令嬢が来て鼻の下を伸ばしていたとメイドが話してた。その三人のうちの一人が本命なんだろうな。」

か…………。イグルスその三人の令嬢はわかるか?」

「俺は外出していたから実際に会ってないんです。バカ兄のことなんでサラッと流してましたがメイドに詳しく聞きましょうか?」

「ブレーリ令息、詳細がわかり次第教えてくれ。」

「わかりました。バカ兄が何かしでかしましたか?いつかはやると思ってましたが……家にさえ迷惑をかけなければ俺はあいつがどうなろうとかまわない。」

「弟にここまで嫌われるとは……余程何かしたんだろうな。」

真顔でリティを指差してきたブレーリ令息。

「あいつ、小さい頃からリティアナを目の敵………というか絡むんですよね。」

「へぇ。」

「カルティド顔が怖いことになってるぞ。」

当たり前だ。リティの話が出たからな。
話はがリティにそんなに絡んでいたのか……それは穏やかな話ではないな。
クラリスの言うことを無視してブレーリ令息の話を聞く。

「あいつリティアナのことが嫌いで虐めてると思ってたらどうも好意を持っているみたいで観察してると、ある時リティアナを連れ込もうとしたから俺がボコボコにした。」

「なっ。そんなことがあったのか?」

「ああ、クラリス兄さんは知らないはずだよ。ブレーリ公爵家うちにファシリック公爵婦人がリティアナを連れてきていたときだったからね。その時バカ兄を見ていたら自分のメイドを遠ざけ始めたんだ。バカ兄は一人じゃ何もできないからメイドを下がらせることは普通しないから怪しくてね。そしたらリティアナを見ながらニヤニヤしだして嫌がっているリティアナを自分の部屋に連れていこうとしてね。リティアナを引っ張って行こうと手を出しそうになったから俺が止めた。リティアナと話してるとその記憶はよほど嫌だったのか覚えてなかったな。その代わりバカ兄にすごい嫌悪感を示すようになったんだよな。」

「イグルス、リティを助けてくれてありがとう。ブレーリ兄の方は許せないな。どうしようかな痛めつけようかな。」

困りましたわ……気がつくとカルに抱き締められてクラリスお兄様とイグルスの声もしますわ。
さらに驚愕の事実を知ってしまいました。
あいつブレーリ兄が私に好意を抱いてた??
あんなやつに好かれてたなんて今聞いただけでも寒気がしますわ。
確かに記憶はありませんでしたが、小さいながら、あいつに無理矢理つれていかれそうな悪夢をあの頃は何度見たことか………本当のことだったんですね。
イグルスがいなかったらどうなってたのか想像するだけで怖いです。
知らない間に助けてくれてありがとうございます。
本当に心からお礼を言いたい!!

でも先ほどのことを思い出すとイグルス………恥ずかしさのあまり今は顔を合わせづらすぎます。
破廉恥なことをいってしまった私をイグルスは軽蔑したでしょうね。
あぁぁぁぁ、とても恥ずかしくなってきましたわ。
このまま起きないで寝たふりが一番ですわね。
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