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第一章 ヒロイン編
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「全員揃ってるな。」
リティをひどい目に遭わせた奴らを目の前にして怒りが込み上げいつもより低い声が出てしまった。
部屋に入って周りを見渡し確認する。
リティを連れ去った主犯のモーリス男爵令嬢にバカ兄ブレーリ、エバ・カーシス子爵令嬢それにララ・サルコー令嬢は部屋の中心で縛られて床に座っていた。
俺の怒りを感じているのか俺を見るなり4人は震えていた…隠すつもりもないが。
その周りには近づけないように両親を呼び出しこれで断罪者はそろったわけだ。
「「「カルティド殿下、これは一体……この度はどのようなことで…………。」」」
……よく今の俺に話を掛けられたな、浅はかだ。
モーリス男爵夫妻にカーシス子爵夫妻にサルコー令嬢の両親がが口を揃えて何事かと訴え掛けてくるが、ブレーリ公爵夫妻は難しい顔をして沈黙している。
さすが公爵だ。事の成り行きがわかってないにしてもこの状況を察しているのだろう。
罪人4人の目の前に立ち俺のサイドにはクラリスとイグルスが立つ。
「先程、俺の婚約者であるファシリック公爵令嬢が拐われた。拐ったのはそこにいる王宮侍女として働いていたララ・サルコー嬢だが、他三名も加担していた。」
話すに連れて皆の顔が青ざめていく。
手を出したのが皇太子の婚約者並びに権力があり高貴な公爵家となれば敵に回したくないだろう。
「なっ何かの間違えでは!?サラリーは優しい子です。サラリー違うよな?」
男爵の問いにモーリス男爵令嬢は震えながら俯いている。
「はっ。モーリス男爵、子供を信じたい気持ちはわかるが俺が嘘を言っているとでも?」
「そっそのようなことは一切ございません。」
「俺達が踏み込んだ時………いやこの音声を聞けばわかるだろう。」
意識を戻してからのリティと奴らの会話を大音量で流した。
クラリスはいつの間に……とボソッと呟き、バカ兄の言動や態度にイグルスは拳を握りしめ怒りを耐えていた。
4人は証拠がないだろうと余裕な顔だったが、だんだんと青ざめていった。
悪いな。俺は聞くだけではないんだ。
リティに関することは一秒でも一言でも逃しはしない。
「それに会話を聞いた時以外にもファシリック公爵令嬢のお腹を殴っているな。これは王宮医師も確認している。頬が腫れ上がる力でモーリス嬢が叩いている。」
「お腹もか!?他の場所はなかったか??」
「頬とお腹だけだ。」
リティの現状を伝えるとクラリスが血相を変え、罪人を睨み付けた。
「ファシリック家は今回のことを黙ってないぞ。」
クラリスの一言で男爵夫妻にカーシス子爵夫妻、サルコー嬢の両親は今にも倒れそうになっている。
ファシリック公爵家を相手にしたらもう没落かさらにはもっと大変な目に遭うことはわかっているんだろう。
「もちろん、俺も黙ってるつもりはない。」
俺も後押ししたことで誰もが何も言えなくなっていた。
「どうして………どうしてよ!!本当は私が私がヒロインでカルティドと幸せになってたはずなのに!!あの女のどこがいいのよ!!」
リティをひどい目に遭わせた奴らを目の前にして怒りが込み上げいつもより低い声が出てしまった。
部屋に入って周りを見渡し確認する。
リティを連れ去った主犯のモーリス男爵令嬢にバカ兄ブレーリ、エバ・カーシス子爵令嬢それにララ・サルコー令嬢は部屋の中心で縛られて床に座っていた。
俺の怒りを感じているのか俺を見るなり4人は震えていた…隠すつもりもないが。
その周りには近づけないように両親を呼び出しこれで断罪者はそろったわけだ。
「「「カルティド殿下、これは一体……この度はどのようなことで…………。」」」
……よく今の俺に話を掛けられたな、浅はかだ。
モーリス男爵夫妻にカーシス子爵夫妻にサルコー令嬢の両親がが口を揃えて何事かと訴え掛けてくるが、ブレーリ公爵夫妻は難しい顔をして沈黙している。
さすが公爵だ。事の成り行きがわかってないにしてもこの状況を察しているのだろう。
罪人4人の目の前に立ち俺のサイドにはクラリスとイグルスが立つ。
「先程、俺の婚約者であるファシリック公爵令嬢が拐われた。拐ったのはそこにいる王宮侍女として働いていたララ・サルコー嬢だが、他三名も加担していた。」
話すに連れて皆の顔が青ざめていく。
手を出したのが皇太子の婚約者並びに権力があり高貴な公爵家となれば敵に回したくないだろう。
「なっ何かの間違えでは!?サラリーは優しい子です。サラリー違うよな?」
男爵の問いにモーリス男爵令嬢は震えながら俯いている。
「はっ。モーリス男爵、子供を信じたい気持ちはわかるが俺が嘘を言っているとでも?」
「そっそのようなことは一切ございません。」
「俺達が踏み込んだ時………いやこの音声を聞けばわかるだろう。」
意識を戻してからのリティと奴らの会話を大音量で流した。
クラリスはいつの間に……とボソッと呟き、バカ兄の言動や態度にイグルスは拳を握りしめ怒りを耐えていた。
4人は証拠がないだろうと余裕な顔だったが、だんだんと青ざめていった。
悪いな。俺は聞くだけではないんだ。
リティに関することは一秒でも一言でも逃しはしない。
「それに会話を聞いた時以外にもファシリック公爵令嬢のお腹を殴っているな。これは王宮医師も確認している。頬が腫れ上がる力でモーリス嬢が叩いている。」
「お腹もか!?他の場所はなかったか??」
「頬とお腹だけだ。」
リティの現状を伝えるとクラリスが血相を変え、罪人を睨み付けた。
「ファシリック家は今回のことを黙ってないぞ。」
クラリスの一言で男爵夫妻にカーシス子爵夫妻、サルコー嬢の両親は今にも倒れそうになっている。
ファシリック公爵家を相手にしたらもう没落かさらにはもっと大変な目に遭うことはわかっているんだろう。
「もちろん、俺も黙ってるつもりはない。」
俺も後押ししたことで誰もが何も言えなくなっていた。
「どうして………どうしてよ!!本当は私が私がヒロインでカルティドと幸せになってたはずなのに!!あの女のどこがいいのよ!!」
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