断罪なんて嘘でしょ!?

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圭一の誕生日(3)

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 月曜日圭一のプレゼントもしっかりと持ち、学校へ向かった。

 圭一とはクラスが違うため渡すのは昼食時になりそうである。

 午前中の授業は特に問題なく終了した。喜んでくれるだろうか自信がなく、そわそわしながら食堂へ向かう。隼人と海里もプレゼントを渡したいとのことで、一緒に向かうことにした。

 食堂にはすでに圭一とお兄様連夜様が揃っていた。あまり考える時間がなく選んだので、他の人達と比べられる前に渡してしまおうと、座る前に

 「圭一、誕生日おめでとう。圭一にとって幸せな1年になりますように。」

 あ、こっちの小さい包みの方は食べ物だから早く食べてね。と言い渡した。

 「おう。誕生日にもらうお菓子楽しみにしてたんだよなー。さんきゅー。」

と受け取ってくれた。その後、隼人と海里も渡し終える。

 プレゼントを渡し終えた後は、皆で和気あいあいと昼食を摂った。食べ終えた後、一息ついていると、圭一がプレゼントを開けても良いか聞いてきた。食べ物があるし、私のを一番に開封してほしいことを伝える。圭一はミルククレープをとても喜んでくれた。タオルとジャージについてだが、流石幼馴染。誕生日を忘れて急いで購入したことがばれてしまった。何故分かったのかと尋ねると、今までくれたものと明らかに違うし、無難なものだからとのこと。あと、一番は誕生日前には有紗がしつこく纏わりついてくるくせにそれがなかったからと意地の悪い顔で笑ってきた。毎年さりげなく調査しているだけだというのに、纏わりつくなんて失礼しちゃうわ!むっとしたので、ほっぺを膨らませて怒っていますよアピールをしたのだが、指でつぶされてしまい、「ごめんごめん。毎年ありがとう。嬉しいよ。」と頭をポンッポンッとなでてきた。しかたない。今日圭一はお誕生日様だし、この辺で許してあげようじゃないか。「うむ。わかればよろしい。」

他の人のプレゼントも開封していき、自分のではないが、ワクワクとそれを見ていた。お兄様があげたカバンは大きめで、普段使いも勿論だが、部活の際にも使用できそうである。デザインと実用性も兼ね備えている。流石お兄様!連夜様は圭一の好きな野球選手のサイン入りボールを渡したようだ。なるほど、そういう手もあったのかと感心する。隼人は自作のネックレスであった。シンプルなものであるが宝石も散らばめられており、才能あふれる人はすごいなーと感嘆した。海里はスポーツウェア姿しか見たことがなかったので、あえての普段着をということだった。センスが良く、圭一が着るととても良く似合うだろうことが容易に想像が出来た。

やはり、みんなセンスがいいなーと思うと同時に、店員さんのおすすめセットを渡してしまった私は、来年こそ、ここにいる事ができれば、誰にも負けない物を渡そうと決意をした。
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