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「奏様、俺の教育方法が間違ってたんでしょうかねぇ?」
メディアセンターの書架の影。
利用する生徒が少ない放課後、ヤマが生徒会の仕事をしている隙に俺の教育係兼ボディーガードの萩野 疾風(はぎの はやて)とこの場で落ち合っていた。
黒縁眼鏡では隠しきれない、灰色の冷えきった狐目に睨まれビクンッと身体が震える。
桜宮家支給の漆黒のスーツ、両耳には傍受機能を備えた赤いピアス、短く刈り上げた黒髪・・・1歩間違えればその筋にしか見えない格好だし、その筋にさえ恐れられる力を持つ優等α。
だが、片手で茶色の紙袋を持つ姿は、ファーストフードのランチパックを手にしたサラリーマンにしか見えないから不思議だ。
一見、人が良さそうに見える優男の風貌をしていても、過去に殺人を生業にしていたこともある血生臭さが残ってもおかしくないのに。
目立つ整った外見も合わせて、周りに溶け込ませてしまえる。
何より、Ωを受け入れているだけあって万全を期している学園内で見つかることなく、俺のボディーガードを丸々4年継続している時点でその腕の確かさは立証できている。
あのヤマでさえ、対面した時に固まって動けないでいたくらいの格の違いがあるα。
そんな萩野から、チクチクどころか、グサグサ刺さってくる冷たい視線を送られ完全に畏縮。
萩野に頼んだ時点でこうなることはわかっていたんだが・・・
メディアセンターの書架の影。
利用する生徒が少ない放課後、ヤマが生徒会の仕事をしている隙に俺の教育係兼ボディーガードの萩野 疾風(はぎの はやて)とこの場で落ち合っていた。
黒縁眼鏡では隠しきれない、灰色の冷えきった狐目に睨まれビクンッと身体が震える。
桜宮家支給の漆黒のスーツ、両耳には傍受機能を備えた赤いピアス、短く刈り上げた黒髪・・・1歩間違えればその筋にしか見えない格好だし、その筋にさえ恐れられる力を持つ優等α。
だが、片手で茶色の紙袋を持つ姿は、ファーストフードのランチパックを手にしたサラリーマンにしか見えないから不思議だ。
一見、人が良さそうに見える優男の風貌をしていても、過去に殺人を生業にしていたこともある血生臭さが残ってもおかしくないのに。
目立つ整った外見も合わせて、周りに溶け込ませてしまえる。
何より、Ωを受け入れているだけあって万全を期している学園内で見つかることなく、俺のボディーガードを丸々4年継続している時点でその腕の確かさは立証できている。
あのヤマでさえ、対面した時に固まって動けないでいたくらいの格の違いがあるα。
そんな萩野から、チクチクどころか、グサグサ刺さってくる冷たい視線を送られ完全に畏縮。
萩野に頼んだ時点でこうなることはわかっていたんだが・・・
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