ヘタレαにつかまりまして ２

13 修学旅行

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今日は予報通りの一日晴天になりそうだ。
店の窓ガラスから頭上を覗けば、ガラス張りのアーケード越しに青空が広がっている。

俺は、デニムのハーフパンツを膝上にロールアップし、清人さんのデザインした白地にアルファベットと数字が散らされたTシャツ。
ヤマは、白のハーフパンツにデニムシャツ。
実は、履いている濃紺のスニーカーがお揃いだ。
手荷物は、まとめてヤマがショルダーバッグに入れてくれているから手ぶら。

カチューシャを着けても、場所のせいか馴染んで見える。
店内の鏡に映る自分達が、テーマパークの住人に本当になったみたいだ。

今回は、桜宮家でお年玉だ、誕生日だとあれこれ名目をつけて両親や親戚から貰っていたお金を引き出してきている。
ヤマに断りをいれてから、それで支払いを済ませた。

弟の咲夜が生まれてから、一気に貰う金額が上がって。
俺の通帳は、桜宮財閥の絡むさくら銀行の他に三行の計四冊。
それぞれの残高は、名義が高校生とは思えない額に達している。
いずれ桜宮家を出たとき、苦労しないようにと見越してなんだろうな。
贈与税がかからない枠で、履歴も残るよう振込み人の名前もしっかり入れて振込まれていたからな。
俺の通帳は、どれも親戚と親の名義でコメント欄が埋まっている。