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尽くす女は彼氏の浮気に涙する
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「ねえ、斎藤さん。少しいいかしら…?」
終業した私はいつもお世話になっている川野先輩に引き留められた。
「…斎藤さんにこれを私が伝えていいのかどうかすごく悩んだんだけど…実は田中君と同じ営業の長瀬さんが休日に一緒にいるのを最近何度か見かけてるの…」
「え…?雄太と長瀬さん…ですか?」
「どうも私と長瀬さんの住んでるアパートが近いみたいで、長瀬さんは気が付いてなかったみたいだけど、私は何度か彼女を近所で見かけたことがあったの。それで最近になって…なぜか斎藤さんの彼氏の田中君が長瀬さんと一緒にいるのを見かけるようになって…最初はまさかと思ってたんだけど…やっぱり何かおかしいと思って。
余計なお世話だと思うんだけど斎藤さんにやっぱり知らせた方がいいかなって…。だって、私、斎藤さんのこと本当に大事な後輩だと思ってるし、斎藤さんにはそれを知る権利があると思ったから…もし知りたくなかったって思うなら本当にもうし訳ないと思うんだけど。やっぱり黙ってることが出来なかったの。本当にごめんなさいね…。」
「………まさか……」
それを川野先輩に聞かされてすぐに脳裏に浮かんだのは、いつか雄太が出張だといった日に見かけた雄太と長瀬さんの姿だった。
「川野先輩...教えて頂いて本当にありがとうございました。…最近思い当たるふしはあったけどまさか…………今から雄太のところで夕飯作ってお泊りする予定だったのに……どうしよう...」
「…斎藤さん、今日は私とご飯に行きましょう?ちょうど金曜日だし。ね?そうしましょう?」
「ご迷惑じゃないですか?」
「何言ってんのよ斎藤さん。さあ、行くわよ?」
頭が混乱する中でとにかく雄太にメッセージを送っておかなければとスマホをハンドバッグから取り出した。
(どんな顔して雄太に会えばいいのかわからない…今雄太を目の前にしたら私は…)
今週末はいけなくなったと、それだけを雄太にメッセージで知らせて私は川野先輩に連れられて賑わっている居酒屋へ入っていった。
お酒を飲みながら、やっぱり自分の目で確認するまでは、雄太の浮気を信じ切れない部分も少しだけ残っていたけど、酔っぱらっていくたびにやっぱり川野先輩に聞いた話は間違いないんだろうなと感じていた。
思い返せば返すほど、思い当たることばかりだからだ。雄太が長瀬さんと浮気をしているのだろうなと思うと、涙が止まらなくなっていた。雄太が私以外の女の子に触れて優しくしている姿が嫌でも想像できて苦しくなった。あらかじめ仕切りのある席を選んでくれた先輩に感謝した。
終業した私はいつもお世話になっている川野先輩に引き留められた。
「…斎藤さんにこれを私が伝えていいのかどうかすごく悩んだんだけど…実は田中君と同じ営業の長瀬さんが休日に一緒にいるのを最近何度か見かけてるの…」
「え…?雄太と長瀬さん…ですか?」
「どうも私と長瀬さんの住んでるアパートが近いみたいで、長瀬さんは気が付いてなかったみたいだけど、私は何度か彼女を近所で見かけたことがあったの。それで最近になって…なぜか斎藤さんの彼氏の田中君が長瀬さんと一緒にいるのを見かけるようになって…最初はまさかと思ってたんだけど…やっぱり何かおかしいと思って。
余計なお世話だと思うんだけど斎藤さんにやっぱり知らせた方がいいかなって…。だって、私、斎藤さんのこと本当に大事な後輩だと思ってるし、斎藤さんにはそれを知る権利があると思ったから…もし知りたくなかったって思うなら本当にもうし訳ないと思うんだけど。やっぱり黙ってることが出来なかったの。本当にごめんなさいね…。」
「………まさか……」
それを川野先輩に聞かされてすぐに脳裏に浮かんだのは、いつか雄太が出張だといった日に見かけた雄太と長瀬さんの姿だった。
「川野先輩...教えて頂いて本当にありがとうございました。…最近思い当たるふしはあったけどまさか…………今から雄太のところで夕飯作ってお泊りする予定だったのに……どうしよう...」
「…斎藤さん、今日は私とご飯に行きましょう?ちょうど金曜日だし。ね?そうしましょう?」
「ご迷惑じゃないですか?」
「何言ってんのよ斎藤さん。さあ、行くわよ?」
頭が混乱する中でとにかく雄太にメッセージを送っておかなければとスマホをハンドバッグから取り出した。
(どんな顔して雄太に会えばいいのかわからない…今雄太を目の前にしたら私は…)
今週末はいけなくなったと、それだけを雄太にメッセージで知らせて私は川野先輩に連れられて賑わっている居酒屋へ入っていった。
お酒を飲みながら、やっぱり自分の目で確認するまでは、雄太の浮気を信じ切れない部分も少しだけ残っていたけど、酔っぱらっていくたびにやっぱり川野先輩に聞いた話は間違いないんだろうなと感じていた。
思い返せば返すほど、思い当たることばかりだからだ。雄太が長瀬さんと浮気をしているのだろうなと思うと、涙が止まらなくなっていた。雄太が私以外の女の子に触れて優しくしている姿が嫌でも想像できて苦しくなった。あらかじめ仕切りのある席を選んでくれた先輩に感謝した。
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