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一章【始まり】
?.ある存在
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隔絶された光の無い空間で――
「危なかった~」
そう言って、その男はヒュドラを殺した銀髪の青年を思い浮かべる。
「メリスよ、あれは手に入れたのか?」
『危なかった~』と呑気にぼやく男に質問をしたのは、銀髪の老翁ダリス・カナリア。王者の風格を漂わせるその男の目は緑色に光っており金の装飾が施された椅子に座っている。
「無理っした」
飄々としたその男――メリス・マリスは、反省の色を見せずにそう返す。
「お前でも、無理だったか……」
メリスの表情を見て、それが嘘でないことを知ったダリスは、驚きを見せた。
「でも、ヒュドラの欠片は手に入れましたよ」
無理。その言葉に少し思案していたダリスだったが、メリスの発言に耳を傾ける。
メリスがヒュドラの欠片と呼ぶものは、銀髪の男にとってかなり面白いことだったらしい。
「ほう。それは…………分かった。少し、思案する」
ヒュドラの欠片と、言った途端、ダリスはフッっと笑い思案すると言い席を立つ。
「それにしても、お前がそんなことをするとはな」
去り際――予想外だ、とダリスはメリスに言う。
「手ぶらで帰ると、怒られそうでしたっすから」
「……ハハハッ」
返ってきた返事に、吹っ切れたように笑ったダリスは、面白いと呟くと後その場から姿を消した。王座と共に。
「疲れた~。白銀も黄金も取れなかったなぁ。説教あるかな?ま、いっすかね。どっちでも……」
ダリスが去ったあと、メリスはそう言って姿を消すのだった。
「危なかった~」
そう言って、その男はヒュドラを殺した銀髪の青年を思い浮かべる。
「メリスよ、あれは手に入れたのか?」
『危なかった~』と呑気にぼやく男に質問をしたのは、銀髪の老翁ダリス・カナリア。王者の風格を漂わせるその男の目は緑色に光っており金の装飾が施された椅子に座っている。
「無理っした」
飄々としたその男――メリス・マリスは、反省の色を見せずにそう返す。
「お前でも、無理だったか……」
メリスの表情を見て、それが嘘でないことを知ったダリスは、驚きを見せた。
「でも、ヒュドラの欠片は手に入れましたよ」
無理。その言葉に少し思案していたダリスだったが、メリスの発言に耳を傾ける。
メリスがヒュドラの欠片と呼ぶものは、銀髪の男にとってかなり面白いことだったらしい。
「ほう。それは…………分かった。少し、思案する」
ヒュドラの欠片と、言った途端、ダリスはフッっと笑い思案すると言い席を立つ。
「それにしても、お前がそんなことをするとはな」
去り際――予想外だ、とダリスはメリスに言う。
「手ぶらで帰ると、怒られそうでしたっすから」
「……ハハハッ」
返ってきた返事に、吹っ切れたように笑ったダリスは、面白いと呟くと後その場から姿を消した。王座と共に。
「疲れた~。白銀も黄金も取れなかったなぁ。説教あるかな?ま、いっすかね。どっちでも……」
ダリスが去ったあと、メリスはそう言って姿を消すのだった。
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