52 / 61
52 千影視点 僕の女神へ(3)
しおりを挟む
駅のホームに降り立った時、東京とは違う涼やかな風が印象的だった。夏とはいえ、山間部は日が落ちるのが早い。急がなければ夜になってしまう。消える前に自然の美しさだけは堪能しておきたい。
千影は宿泊先のロッジに向かうため、一時間に二本しかないバスに乗り込んだ。バス停を降りたあとは、ロッジまでさらに二十分は歩くらしい。
千影の他には一人の高齢者しか乗っていないバスに揺られながら、畑や木々や近くに見える山々をぼんやり眺めていると、涙が流れ落ちた。
しかしそれは一筋流れただけで、すぐに止まった。悲しいだとか悔しいだとかいう感情は、とうにどこかへ置いてきたはずなのに、涙が出たことに理解が追いつかず、戸惑う。
千影は伊達メガネを外し、涙を拭った。この頃は外出のたびに、このメガネをかけている。知り合いを避けるための、ささやかな変装だ。
眠ったのはいつだろう? と思った。ここのところ、浅い眠りさえも訪れていない。まともな食事もしていない。髪を切る暇さえなく……。
「疲れた……、疲れた疲れた疲れた疲れた……」
ブツブツと独り言を言いながら俯き、片手で頭を掻きむしった。ボサボサの頭をほったらかしたままで目を閉じてみたものの、やはり眠くはならない――。
――ひぐらしの声が、うるさいくらいに耳の中へ響いてくる。緑と土のむせ返るような匂いが千影を取り囲んでいた。
どうやら自分は、いつの間にか目的地に到着していたようである。
頭をぶるりと振って、つい今しがたのことを思い出そうとしたがよくわからない。
誰かと会話をしたような気はするし、リュックも持っていないので、チェックインは済ませてきたのだろう。
千影はロッジのそばにあった小道を進み、森の奥へと入っていった。
森の木々の間から、美しい山々が見渡せる。あたりはすでに薄暗くなっているが、夕暮れはきっと素晴らしい景色だっただろう。もう生涯見ることはないのだが。
とはいえ、日が落ちたばかりの空を背景に、遠くの高い山がくっきりと黒い影になって見える姿は、素晴らしいものだった。
荘厳な景色に吸い込まれるようにして、千影はさらに歩みを進めていく。涼しさは冷え込みに近くなっていた。どうやらすぐそこは崖になっているようだ。
この美しい景色を最後の記憶にして、消えてしまおう……。
「……よ~」
道から外れて、森の土と草を踏みしめていく。ぶん、という虫の羽ばたきが近くで聞こえた。信じられないほどの速さで、薄暗がりが濃くなっていく。
「お客さん、そっちは崖になってるから危ないですよ!」
「っ!!」
まさかこんな場所で呼び止められるとは思っておらず、驚いた千影の体が反射的にビクッと揺れた。
「もうごはんです、戻ってくださーい!」
振り向くと、薄暗がりの中、若い女性が片手を大きく振りながら千影のそば駆け寄ってきた。
「あ、ああ……すみません」
「……うちのお客さん、ですよね?」
はぁ、と苦しそうに深呼吸した彼女が、千影を見て訝しげな表情をする。
「……」
周辺に宿泊施設を見なかったので、千影が予約したロッジのスタッフだろう。しかし千影は咄嗟に返事ができず、目を泳がせた。
「もう夕ご飯の時間になるので、ロッジに戻ってくださいね」
何か答えないと彼女はこの場から離れてくれないだろう。千影は小声で返事をした。
「僕は、夕ご飯なしでお願いしてるので……」
「嘘です」
こちらを睨むようにして彼女が言った。
ネットで予約した内容は、ロッジの場所しか覚えておらず、チェックインした時の記憶もないので適当に答えたのだが、見破られている。
「う、嘘なんかじゃないですよ。夕飯あり、なしで選べるじゃないですか」
焦って返事をするも、彼女の表情は揺らがない。せっかくここまで来たのに「消える」という計画が崩れてしまう。千影は話をごまかすために、自分の左手首に右手で触れた。
「でも嘘です。私にはわかり――」
「君に、これあげるよ。もう必要ないんだ」
彼女の言葉を待たずに、千影は手首に着けていた腕時計を外す。事業が軌道に乗り始めたとき、さらに高見を目指すために、自分に気合いを入れる意味で購入した唯一の高級品だ。その後も新しい物は買わずに大切に使ってきた。しかしこれはもう必要ない。自分と一緒に壊れるのなら、最期に出会った彼女に渡すのが最善に思えた。
千影は腕時計を彼女の前に差し出す。いつの間にかひぐらしの鳴き声が止み、夜が迫っていることを教えてくれた。
「……そんな高価そうなもの、いりません」
彼女は眉根を寄せて、小さく首を横に振った。
確かに、彼女の判断は妥当だろう。どこの誰かもわからぬ男にもらった物など気持ちが悪いのは当たり前だ。
心の中で自嘲しながら、千影は投げやりに彼女へ言った。
「そう。じゃあ、捨てといて」
「あなたが元気になったら、その時にもらいます」
「……え?」
「だから、その時まで預かっていてください。楽しみにしていますね」
言いながら、彼女がニコッと笑った。
――約束をしたら、生きなければならない。
そんな考えがよぎり、彼女の提案を否定しようとしたその時。
「……あっ、お客さん到着した!」
彼女が目線を向けたほうから、車の音が届いた。
「さぁ、戻りましょう。夕ご飯、後付けでも食べられるので、私が伝えておきます。お金が足りなければ、私のおごりで」
明るく溌剌とした瞳が千影の心を刺す。
「い、いや……それは……」
こちらに向けられた笑顔が眩しすぎて、直視できない。
目を逸らして戸惑いつつも、この瞬間から千影の中で何かが変わったような気がしていた。
坂を上がってきた車が停まり、客と思われる数人が出て来る。話し声がここまで届いた。
ぼやけていた現実が、徐々にはっきりと千影の前に現われてくる。
「ほら、早く行きましょう。ご飯を食べたら元気も出ますから」
暗闇に、ほんの少しだけ光が灯った気がした。まだすがりつきたいと思ってしまうような、温かな光りが。
「……ありがとう」
気づけば、そうつぶやいていた。
そんな言葉を発したのは久しぶりだったと気づく。
「え?」
「いや、なんでもないです……」
涙が出そうになるのを知られたくなくて、俯いたまま、ぼそりと返した。
千影は宿泊先のロッジに向かうため、一時間に二本しかないバスに乗り込んだ。バス停を降りたあとは、ロッジまでさらに二十分は歩くらしい。
千影の他には一人の高齢者しか乗っていないバスに揺られながら、畑や木々や近くに見える山々をぼんやり眺めていると、涙が流れ落ちた。
しかしそれは一筋流れただけで、すぐに止まった。悲しいだとか悔しいだとかいう感情は、とうにどこかへ置いてきたはずなのに、涙が出たことに理解が追いつかず、戸惑う。
千影は伊達メガネを外し、涙を拭った。この頃は外出のたびに、このメガネをかけている。知り合いを避けるための、ささやかな変装だ。
眠ったのはいつだろう? と思った。ここのところ、浅い眠りさえも訪れていない。まともな食事もしていない。髪を切る暇さえなく……。
「疲れた……、疲れた疲れた疲れた疲れた……」
ブツブツと独り言を言いながら俯き、片手で頭を掻きむしった。ボサボサの頭をほったらかしたままで目を閉じてみたものの、やはり眠くはならない――。
――ひぐらしの声が、うるさいくらいに耳の中へ響いてくる。緑と土のむせ返るような匂いが千影を取り囲んでいた。
どうやら自分は、いつの間にか目的地に到着していたようである。
頭をぶるりと振って、つい今しがたのことを思い出そうとしたがよくわからない。
誰かと会話をしたような気はするし、リュックも持っていないので、チェックインは済ませてきたのだろう。
千影はロッジのそばにあった小道を進み、森の奥へと入っていった。
森の木々の間から、美しい山々が見渡せる。あたりはすでに薄暗くなっているが、夕暮れはきっと素晴らしい景色だっただろう。もう生涯見ることはないのだが。
とはいえ、日が落ちたばかりの空を背景に、遠くの高い山がくっきりと黒い影になって見える姿は、素晴らしいものだった。
荘厳な景色に吸い込まれるようにして、千影はさらに歩みを進めていく。涼しさは冷え込みに近くなっていた。どうやらすぐそこは崖になっているようだ。
この美しい景色を最後の記憶にして、消えてしまおう……。
「……よ~」
道から外れて、森の土と草を踏みしめていく。ぶん、という虫の羽ばたきが近くで聞こえた。信じられないほどの速さで、薄暗がりが濃くなっていく。
「お客さん、そっちは崖になってるから危ないですよ!」
「っ!!」
まさかこんな場所で呼び止められるとは思っておらず、驚いた千影の体が反射的にビクッと揺れた。
「もうごはんです、戻ってくださーい!」
振り向くと、薄暗がりの中、若い女性が片手を大きく振りながら千影のそば駆け寄ってきた。
「あ、ああ……すみません」
「……うちのお客さん、ですよね?」
はぁ、と苦しそうに深呼吸した彼女が、千影を見て訝しげな表情をする。
「……」
周辺に宿泊施設を見なかったので、千影が予約したロッジのスタッフだろう。しかし千影は咄嗟に返事ができず、目を泳がせた。
「もう夕ご飯の時間になるので、ロッジに戻ってくださいね」
何か答えないと彼女はこの場から離れてくれないだろう。千影は小声で返事をした。
「僕は、夕ご飯なしでお願いしてるので……」
「嘘です」
こちらを睨むようにして彼女が言った。
ネットで予約した内容は、ロッジの場所しか覚えておらず、チェックインした時の記憶もないので適当に答えたのだが、見破られている。
「う、嘘なんかじゃないですよ。夕飯あり、なしで選べるじゃないですか」
焦って返事をするも、彼女の表情は揺らがない。せっかくここまで来たのに「消える」という計画が崩れてしまう。千影は話をごまかすために、自分の左手首に右手で触れた。
「でも嘘です。私にはわかり――」
「君に、これあげるよ。もう必要ないんだ」
彼女の言葉を待たずに、千影は手首に着けていた腕時計を外す。事業が軌道に乗り始めたとき、さらに高見を目指すために、自分に気合いを入れる意味で購入した唯一の高級品だ。その後も新しい物は買わずに大切に使ってきた。しかしこれはもう必要ない。自分と一緒に壊れるのなら、最期に出会った彼女に渡すのが最善に思えた。
千影は腕時計を彼女の前に差し出す。いつの間にかひぐらしの鳴き声が止み、夜が迫っていることを教えてくれた。
「……そんな高価そうなもの、いりません」
彼女は眉根を寄せて、小さく首を横に振った。
確かに、彼女の判断は妥当だろう。どこの誰かもわからぬ男にもらった物など気持ちが悪いのは当たり前だ。
心の中で自嘲しながら、千影は投げやりに彼女へ言った。
「そう。じゃあ、捨てといて」
「あなたが元気になったら、その時にもらいます」
「……え?」
「だから、その時まで預かっていてください。楽しみにしていますね」
言いながら、彼女がニコッと笑った。
――約束をしたら、生きなければならない。
そんな考えがよぎり、彼女の提案を否定しようとしたその時。
「……あっ、お客さん到着した!」
彼女が目線を向けたほうから、車の音が届いた。
「さぁ、戻りましょう。夕ご飯、後付けでも食べられるので、私が伝えておきます。お金が足りなければ、私のおごりで」
明るく溌剌とした瞳が千影の心を刺す。
「い、いや……それは……」
こちらに向けられた笑顔が眩しすぎて、直視できない。
目を逸らして戸惑いつつも、この瞬間から千影の中で何かが変わったような気がしていた。
坂を上がってきた車が停まり、客と思われる数人が出て来る。話し声がここまで届いた。
ぼやけていた現実が、徐々にはっきりと千影の前に現われてくる。
「ほら、早く行きましょう。ご飯を食べたら元気も出ますから」
暗闇に、ほんの少しだけ光が灯った気がした。まだすがりつきたいと思ってしまうような、温かな光りが。
「……ありがとう」
気づけば、そうつぶやいていた。
そんな言葉を発したのは久しぶりだったと気づく。
「え?」
「いや、なんでもないです……」
涙が出そうになるのを知られたくなくて、俯いたまま、ぼそりと返した。
23
あなたにおすすめの小説
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
エリート役員は空飛ぶ天使を溺愛したくてたまらない
如月 そら
恋愛
「二度目は偶然だが、三度目は必然だ。三度目がないことを願っているよ」
(三度目はないからっ!)
──そう心で叫んだはずなのに目の前のエリート役員から逃げられない!
「俺と君が出会ったのはつまり必然だ」
倉木莉桜(くらきりお)は大手エアラインで日々奮闘する客室乗務員だ。
ある日、自社の機体を製造している五十里重工の重役がトラブルから莉桜を救ってくれる。
それで彼との関係は終わったと思っていたのに!?
エリート役員からの溺れそうな溺愛に戸惑うばかり。
客室乗務員(CA)倉木莉桜
×
五十里重工(取締役部長)五十里武尊
『空が好き』という共通点を持つ二人の恋の行方は……
恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~
泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の
元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳
×
敏腕だけど冷徹と噂されている
俺様部長 木沢彰吾34歳
ある朝、花梨が出社すると
異動の辞令が張り出されていた。
異動先は木沢部長率いる
〝ブランディング戦略部〟
なんでこんな時期に……
あまりの〝異例〟の辞令に
戸惑いを隠せない花梨。
しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!
花梨の前途多難な日々が、今始まる……
***
元気いっぱい、はりきりガール花梨と
ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。
私の婚活事情〜副社長の策に嵌まるまで〜
みかん桜
恋愛
身長172センチ。
高身長であること以外ごく普通のアラサーOL、佐伯花音。
婚活アプリに登録し、積極的に動いているのに中々上手く行かない。
「名前からしてもっと可愛らしい人かと……」ってどういうこと?
そんな男、こっちから願い下げ!
——でもだからって、イケメンで仕事もできる副社長……こんなハイスペ男子も求めてないっ!
って思ってたんだけどな。気が付いた時には既に副社長の手の内にいた。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる