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59 あなたと生きていきたい
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うなだれている千影から涙が落ちたのだろう、夕美の肩が湿った。
その瞬間、夕美は夢から覚めたかのように意識がはっきりする。
(このままじゃダメ。だって私は……)
「千影さん」
「夕美……夕美」
夕美はすぐ横にある彼の耳へ呼びかけた。しかし彼は顔を上げず、同じように夕美の名を呟いている。
「千影さん、これ取って」
「……え?」
「この縛ってる手、ほどいて」
夕美は拘束されている両手を動かし、紐をぐいぐいと引っ張った。もちろんそんなことでは外れないのだが、この気持ちを伝えたい一心で動かし続ける。
「ダメだ。イヤだよ、夕美。そんなことしたら、君は僕から離れてしまう」
ようやく顔を上げた千影が、必死な声で抵抗する。
「千影さん、いいから取って……!」
「っ!」
夕美は強い意志で声を上げた。その言葉にショックを受けたのか、千影は呆然とした顔で何も言えずにこちらを見つめている。
「……取ってくれないと、泣いている千影さんを抱きしめてあげられない……でしょ?」
自分の言葉に、なぜか涙があふれてきた。
千影の行動は常軌を逸している。
しかしそのことで、夕美は直接迷惑を被ったわけではない。そもそも、夕美も「推し」という言葉でごまかしながら、隠し撮りをしたり、会話を盗み聞きしたり、こっそり行動を注視していたりと、千影にストーカーじみた行為をしていたのだ。
ただその程度が違っただけ。形が違っただけ。
短い期間だったけれど、気持ちが通じ合ってからのふたりは、幸せだったはず――。
夕美は口を引き結び、涙をこぼしながら目の前の千影に訴えた。
「千影さんは私の、推しなの。大切な大切な人なの。だから……私を信じて……!」
一瞬うろたえの表情を見せた千影は、唇を噛みしめ、夕美の言葉に従う。
紐はほどかれ、両手が解放されたと同時に千影の背に手をやり抱きしめた。そしてすぐに彼の胸に手をやり、強く押して突き放す。
「え、夕美……!?」
動揺した千影のモノは夕美のナカから引き抜かれ、彼の吐き出したものがとろとろとシーツにこぼれ落ちていく。
「千影さん、横になって……!」
勢いのままに夕美は千影を押し倒し、彼の上にまたがった。そして彼の両手と自分の両手と合わせ、指を絡ませる。
「ちょっと、夕美……何を」
こちらを見上げる千影の目にはもう涙はない。戸惑いはあるが、いつもの優しげな彼の表情に戻っていた。
「私は千影さんから離れない。千影さんの全部を知っても嫌いにならない。だからもう、私を疑ったり、心配しなくていいの……」
「夕美……んっ、ん……っ」
千影の両手をベッドに押しつけながら、夕美は深く唇を重ねた。くぐもった彼の喘ぎ声とともに、夕美のお尻に当たっているモノが徐々に硬くなっていく。
夕美はブラウスとブラを脱ぎ、蜜の入口へ彼の張り詰めたモノを導いた。少しずつ腰を下ろして、熱く滾ったそれを呑み込んでいく。
「私が動く、から、好きな時に……出して」
「夕美……」
千影は目を潤ませ、快感に顔を歪ませながら夕美を見上げていた。もっと感じて欲しくて、夕美は腰を動かす。しかし彼を感じさせているつもりが、好きなように動くことで気持ちが良くなってしまい、いつの間にか夢中になっていた。
「夕美……ああ、最高に、いい……っ」
「……私のこと、信じてくれる?」
「ああ……信じ、る……。夕美、もう……」
夕美は腰を振りながら、達しそうになっている彼の顔に近づいた。
「じゃあもう、このお部屋も、お隣のお部屋も、解約だよ?」
「いや、それは……、あっ?!」
返事を躊躇った千影のモノを、夕美は自身から素早く引き抜き、両手で熱い滾りに手をやった。そして右手で根元を押さえ、丸くふくらんだ鈴口の割れ目に左の手のひらを当てる。
「返事ができないなら……出させてあげない」
今までの夕美なら、こんな行動は絶対に出来ないのだが、千影にわかってもらうために必死だった。
とはいえ、あんなにも憧れていた推しにこんなことを……と興奮してしまう気持ちも否めずにいる。
「ううっ、わかっ、わかったから……、解約、する……夕美を信じる……」
悶え苦しむ千影の様子を確認した夕美は、手を離して再び彼にまたがった。そして切なく腫れ上がった彼のモノを、一気に膣奥に埋め込む。
「あ、あっ……夕美……っ!」
千影は悦楽の声を上げ、夕美に向かって手を伸ばした。夕美も言いようのない快感に耐えながら、彼にそっと問いかける。
「おあいこ、ね?」
「あっ、ああ……そうだ、おあいこだね、夕美、夕美……っ」
夕美は彼の小指に自分の小指を絡ませ、「約束ね」とささやいた。
まるでその言葉を待っていたかのように、千影は腰を大きく震わせて快感に喘ぎながら、再び夕美のナカへ精液を解き放つ。
一晩で何度愛し合ったのだろう。
夕美と千影は朦朧とした意識と、疲れ切った体を寄せ合い、翌日の夕方まで目を覚まさずに眠り続けた――。
+
四月下旬のゴールデンウィーク真っ只中。
リビングの窓から見える新緑が輝き、日差しは眩しく、すべてがキラキラと輝いている。
「あ、たくさん来てる……!」
新作のドリンクをコーヒーショップへ買いに行った夕美は、マンションのポストに届いていた手紙をチェックした。その中には夕美と仲の良い先輩、室井の名前もある。
「ただいま」
「お帰り、夕美」
玄関扉を開けると、エプロン姿の千影が出迎えてくれた。彼は夕美が外に出ている間、掃除をしていてくれたのだ。
「お掃除ありがとう、千影さん。これ、一緒に飲もう」
「ありがとう、楽しみだな」
夕美からドリンクの袋を受け取った千影が、嬉しそうに笑った。彼と一緒に廊下を歩きながら、手紙を差し出す。
「千影さん、見て。結婚式の招待状のお返事が届き始めてるの」
「え、もう? 早いね、誰?」
「会社の人たちよ。お祝いの言葉も書いてあるの、ほら」
招待状の返信を渡しながら指さすと、彼が微笑みながら文面を見つめた。
「嬉しいなぁ。そうそう、部長がスピーチ引き受けてくれたよ」
「本当に? 良かった~!」
嬉しくて手を合わせると、千影が頬にそっとキスを落としてくる。
「ドリンク、リビングに持って行くから、手を洗っておいで」
「はーい」
背伸びをして千影の頬にキスをお返しすると、彼は照れ笑いをしながらリビングに向かった。
――千影は夕美との約束通り、すぐにアパートの部屋を解約した。家具はすべて粗大ゴミに出す。ただ、誰かに持って行かれたらイヤだという千影の気持ちを汲み、処理場に持ち込みで処分をしたのだが。
そして未だに千影は夕美の行動を心配することもあるが、自分でそれが過剰なことに気づき、「ごめんね」と済まなそうに謝って反省をする。
相変わらず夕美は千影の目の前を堂々と彼を推しているし、そんな夕美を見て笑っている千影だが、彼もまた夕美の写真を撮ったり、夕美に倣って推し活に手を出し始めていた。
「夕美、ここに来て。夕美に触りたい」
「うん」
ソファに座っていた千影に呼ばれ、彼のもとへ行く。膝の上に乗って欲しいと言うので、その通りにした。千影は夕美の髪を優しく撫でながら、ふと視線を移動させる。
「ずっと着けてくれているんだね、時計」
夕美の左手首を取り、愛おしげに眺める。あのアパートの夜に着けられた腕時計は、そのまま夕美の物になっていた。
「そうよ。約束だもの」
「……僕、約束を守れたのかな?」
自信なさげに笑う千影の表情に、胸がきゅっと痛くなる。
この人の悲しみや苦しさをすべて取り除くことはできないが、夕美が寄り添うことで少しでも和らいでくれれば、それでいい。
「私に何もかも話して、もう元気になってるでしょう?」
「ああ、その通りだよ。元気になってる。そう君に認めてもらえて良かったな。……幸せだ」
「私も、幸せ」
優しく笑った彼の胸に顔を押しつけ、その体温を感じてホッとする。
アパートの夜から一ヶ月が経ち、ようやく、これでいいのだ、と心から思えるようになった。
幸せはこれからいくらでも、ふたりで作っていけるのだから。
その瞬間、夕美は夢から覚めたかのように意識がはっきりする。
(このままじゃダメ。だって私は……)
「千影さん」
「夕美……夕美」
夕美はすぐ横にある彼の耳へ呼びかけた。しかし彼は顔を上げず、同じように夕美の名を呟いている。
「千影さん、これ取って」
「……え?」
「この縛ってる手、ほどいて」
夕美は拘束されている両手を動かし、紐をぐいぐいと引っ張った。もちろんそんなことでは外れないのだが、この気持ちを伝えたい一心で動かし続ける。
「ダメだ。イヤだよ、夕美。そんなことしたら、君は僕から離れてしまう」
ようやく顔を上げた千影が、必死な声で抵抗する。
「千影さん、いいから取って……!」
「っ!」
夕美は強い意志で声を上げた。その言葉にショックを受けたのか、千影は呆然とした顔で何も言えずにこちらを見つめている。
「……取ってくれないと、泣いている千影さんを抱きしめてあげられない……でしょ?」
自分の言葉に、なぜか涙があふれてきた。
千影の行動は常軌を逸している。
しかしそのことで、夕美は直接迷惑を被ったわけではない。そもそも、夕美も「推し」という言葉でごまかしながら、隠し撮りをしたり、会話を盗み聞きしたり、こっそり行動を注視していたりと、千影にストーカーじみた行為をしていたのだ。
ただその程度が違っただけ。形が違っただけ。
短い期間だったけれど、気持ちが通じ合ってからのふたりは、幸せだったはず――。
夕美は口を引き結び、涙をこぼしながら目の前の千影に訴えた。
「千影さんは私の、推しなの。大切な大切な人なの。だから……私を信じて……!」
一瞬うろたえの表情を見せた千影は、唇を噛みしめ、夕美の言葉に従う。
紐はほどかれ、両手が解放されたと同時に千影の背に手をやり抱きしめた。そしてすぐに彼の胸に手をやり、強く押して突き放す。
「え、夕美……!?」
動揺した千影のモノは夕美のナカから引き抜かれ、彼の吐き出したものがとろとろとシーツにこぼれ落ちていく。
「千影さん、横になって……!」
勢いのままに夕美は千影を押し倒し、彼の上にまたがった。そして彼の両手と自分の両手と合わせ、指を絡ませる。
「ちょっと、夕美……何を」
こちらを見上げる千影の目にはもう涙はない。戸惑いはあるが、いつもの優しげな彼の表情に戻っていた。
「私は千影さんから離れない。千影さんの全部を知っても嫌いにならない。だからもう、私を疑ったり、心配しなくていいの……」
「夕美……んっ、ん……っ」
千影の両手をベッドに押しつけながら、夕美は深く唇を重ねた。くぐもった彼の喘ぎ声とともに、夕美のお尻に当たっているモノが徐々に硬くなっていく。
夕美はブラウスとブラを脱ぎ、蜜の入口へ彼の張り詰めたモノを導いた。少しずつ腰を下ろして、熱く滾ったそれを呑み込んでいく。
「私が動く、から、好きな時に……出して」
「夕美……」
千影は目を潤ませ、快感に顔を歪ませながら夕美を見上げていた。もっと感じて欲しくて、夕美は腰を動かす。しかし彼を感じさせているつもりが、好きなように動くことで気持ちが良くなってしまい、いつの間にか夢中になっていた。
「夕美……ああ、最高に、いい……っ」
「……私のこと、信じてくれる?」
「ああ……信じ、る……。夕美、もう……」
夕美は腰を振りながら、達しそうになっている彼の顔に近づいた。
「じゃあもう、このお部屋も、お隣のお部屋も、解約だよ?」
「いや、それは……、あっ?!」
返事を躊躇った千影のモノを、夕美は自身から素早く引き抜き、両手で熱い滾りに手をやった。そして右手で根元を押さえ、丸くふくらんだ鈴口の割れ目に左の手のひらを当てる。
「返事ができないなら……出させてあげない」
今までの夕美なら、こんな行動は絶対に出来ないのだが、千影にわかってもらうために必死だった。
とはいえ、あんなにも憧れていた推しにこんなことを……と興奮してしまう気持ちも否めずにいる。
「ううっ、わかっ、わかったから……、解約、する……夕美を信じる……」
悶え苦しむ千影の様子を確認した夕美は、手を離して再び彼にまたがった。そして切なく腫れ上がった彼のモノを、一気に膣奥に埋め込む。
「あ、あっ……夕美……っ!」
千影は悦楽の声を上げ、夕美に向かって手を伸ばした。夕美も言いようのない快感に耐えながら、彼にそっと問いかける。
「おあいこ、ね?」
「あっ、ああ……そうだ、おあいこだね、夕美、夕美……っ」
夕美は彼の小指に自分の小指を絡ませ、「約束ね」とささやいた。
まるでその言葉を待っていたかのように、千影は腰を大きく震わせて快感に喘ぎながら、再び夕美のナカへ精液を解き放つ。
一晩で何度愛し合ったのだろう。
夕美と千影は朦朧とした意識と、疲れ切った体を寄せ合い、翌日の夕方まで目を覚まさずに眠り続けた――。
+
四月下旬のゴールデンウィーク真っ只中。
リビングの窓から見える新緑が輝き、日差しは眩しく、すべてがキラキラと輝いている。
「あ、たくさん来てる……!」
新作のドリンクをコーヒーショップへ買いに行った夕美は、マンションのポストに届いていた手紙をチェックした。その中には夕美と仲の良い先輩、室井の名前もある。
「ただいま」
「お帰り、夕美」
玄関扉を開けると、エプロン姿の千影が出迎えてくれた。彼は夕美が外に出ている間、掃除をしていてくれたのだ。
「お掃除ありがとう、千影さん。これ、一緒に飲もう」
「ありがとう、楽しみだな」
夕美からドリンクの袋を受け取った千影が、嬉しそうに笑った。彼と一緒に廊下を歩きながら、手紙を差し出す。
「千影さん、見て。結婚式の招待状のお返事が届き始めてるの」
「え、もう? 早いね、誰?」
「会社の人たちよ。お祝いの言葉も書いてあるの、ほら」
招待状の返信を渡しながら指さすと、彼が微笑みながら文面を見つめた。
「嬉しいなぁ。そうそう、部長がスピーチ引き受けてくれたよ」
「本当に? 良かった~!」
嬉しくて手を合わせると、千影が頬にそっとキスを落としてくる。
「ドリンク、リビングに持って行くから、手を洗っておいで」
「はーい」
背伸びをして千影の頬にキスをお返しすると、彼は照れ笑いをしながらリビングに向かった。
――千影は夕美との約束通り、すぐにアパートの部屋を解約した。家具はすべて粗大ゴミに出す。ただ、誰かに持って行かれたらイヤだという千影の気持ちを汲み、処理場に持ち込みで処分をしたのだが。
そして未だに千影は夕美の行動を心配することもあるが、自分でそれが過剰なことに気づき、「ごめんね」と済まなそうに謝って反省をする。
相変わらず夕美は千影の目の前を堂々と彼を推しているし、そんな夕美を見て笑っている千影だが、彼もまた夕美の写真を撮ったり、夕美に倣って推し活に手を出し始めていた。
「夕美、ここに来て。夕美に触りたい」
「うん」
ソファに座っていた千影に呼ばれ、彼のもとへ行く。膝の上に乗って欲しいと言うので、その通りにした。千影は夕美の髪を優しく撫でながら、ふと視線を移動させる。
「ずっと着けてくれているんだね、時計」
夕美の左手首を取り、愛おしげに眺める。あのアパートの夜に着けられた腕時計は、そのまま夕美の物になっていた。
「そうよ。約束だもの」
「……僕、約束を守れたのかな?」
自信なさげに笑う千影の表情に、胸がきゅっと痛くなる。
この人の悲しみや苦しさをすべて取り除くことはできないが、夕美が寄り添うことで少しでも和らいでくれれば、それでいい。
「私に何もかも話して、もう元気になってるでしょう?」
「ああ、その通りだよ。元気になってる。そう君に認めてもらえて良かったな。……幸せだ」
「私も、幸せ」
優しく笑った彼の胸に顔を押しつけ、その体温を感じてホッとする。
アパートの夜から一ヶ月が経ち、ようやく、これでいいのだ、と心から思えるようになった。
幸せはこれからいくらでも、ふたりで作っていけるのだから。
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