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第86話

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 ベッドに押し倒され、足を開く。
 ローションを手にした彼は、後孔に塗りつけてゆっくり指を入れてくる。



「っん……はぁ……」
「もうトロトロになってる。俺の咥えながらここ触られるの想像した?」
「ふ、ぅ……」



 恥ずかしくて、返事をしないでいると指が増えて奥を何度も指先で突いてくる。


「あっ、あ、あ、あっ!」
「可愛い」
「あ、あー……っ、いく、イクっ!」


 ガクガク足が震えて体から力が抜ける。
 ある程度慣らされたそこに、いつの間にかゴムを着けたペニスが宛てがわれた。


「あっ、待って、な、凪っ!」
「……どうかした?」
「ぁ、あの、俺……俺がする……」
「え?」


 体を起こして、凪をベッドに寝かせる。
 彼の上に乗って、お腹に左手をつき、後ろに右手を回してペニスを掴んだ。


「できるの?無理しなくていいよ」
「する……っ!」


 後孔に先端を当てて、時間をかけて腰を下ろしていく。


「っは、はぁ、ぁ……っ!」
「力が入りすぎてる」
「うっ、わかって、るっ!」


 自分で挿れるのなんて初めてで、余計な力が入ってしまって上手くできない。
 彼にそれを指摘されて、怒っているように返事をしてしまった。


「はぁーっ、は、先っぽ、入った……?」
「うん。そのまま腰下ろして」
「うぅぅ……っ」


 腰を下ろして、もういつもなら届くお腹の深くまでペニスが来てるはずなのに、まだ彼の全部は入っていない。
 下生えにさわさわと触れるけれど、ピッタリと体がつかない。


「ま、まだ、あるの……っ!?」
「うん、いつもは全部挿れないからな」
「っう、嘘、でしょ……?」
「嘘じゃないよ。……今日は頑張ってみる?」


 彼は冗談のつもりでそう言ったんだろうけど、今日の俺は凪を気持ちよくしてあげたいと強く思っているわけで。


「っ、やる!」
「……じゃあ交代」
「え、えっ、あぁっ!」


 挿れられたまま、彼が起き上がり代わりに俺は寝転がる。
 一番奥だと思っていたそこをコツコツと突かれて、爪先をキュッと丸めた。


「あっ、は、はぁっ、ぁ、きも、ち……あっ、あぅぅっ」
「はぁ……」


 先端を押し付けるように奥の壁を捏ねられ、腰が跳ねて凪に押さえ付けられた。


「だ、め……っそれ、ダメぇっ、イク、イク……ッッ!」


 絶頂し、痙攣するように震える体を押さえ付けられたまま、また奥の壁にグリグリと先端を押し付ける。


「ヒッ!あっ、いってる、のにぃ……っ!」
「柔らかくなってきた」
「あぐっ、ぅっ、くる、し……っぁ、はぅ、う……っ」


 気持ちよすぎて息ができない。
 やる、って言わなきゃよかったかもしれない。
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