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ep.11 好きの代わりに
(1)
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暖かな春の陽気を感じる朝だった。
随分と日の出が早くなった。
私は、窓の傍でコーヒーを飲みながら新聞を読む。
毎朝3紙読むのが、YAMAGAMIに入社して以来の私の習慣だ。
ページをめくっていくと、一番下の欄の広告が目に入った。
昔見た映画のリバイバル上映の記事だ。
写真も小さく簡潔で、うっかり見過ごすようなところに掲載されている。
当時、2度映画館に足を運んでみた記憶がある。
迫力のある歌とダンスは、圧巻だった。
久しぶりに映画館で見るのもいいかもしれない。
私はスマートフォンを取り出して、映画館のサイトを開き、ネットで予約しようとした。
だがそこでふと、一ノ瀬の顔が思い浮かんだ。
彼がこういう映画を好むかはわからない。
ミュージカル映画は好き嫌いが分かれるが、彼は果たしてどちらなのか。
誘うかどうか迷ったのは数秒で、私は時刻を確認した。
この時間ならまだ出社前で、部屋にいるはずだ。
私はすぐに彼の連絡先を呼び出して、電話を掛けた。
コール音5回まで待ってみて、もしかしたらもう家を出たのかと私は切ろうとした。
すると、呼び出し音が止まり、一ノ瀬の声がする。
「美浜さん、おはようございます」
「おはよう」
はきはきとした明るい声で言われて、私は内心戸惑いを覚えていた。
朝からこんなに溌溂としていると思っていなかったからだ。
ホテルで目覚める時にはあんなに気怠そうで、てっきり朝が苦手なのだと思っていた。
うっかり寝顔まで思い出してしまって、なかなか言葉が出てこない。
「今週の土曜日に映画館に行こうと思っている。5年ほど前のミュージカル映画なのだが、君もどうだろうか」
過不足なく伝えたつもりだが、電話の向こうで一ノ瀬は押し黙る。
何かもう少し言うべきなのか、それとも用事があって断ろうとしているのか。
沈黙からは何も図り切れなくて、私は答えを待つ。
すると、遅れてくすりと笑う声がした。
「美浜さんからのデートのお誘いなんて、嬉しいですね」
「……デート?」
そうか。個人的に休日に映画を見に行くのは、デートに誘ったことになるのか。
「違うんだ、これは──」
デートという言葉に慌てて否定しようとしていると、一ノ瀬は続けた。
「あなたと映画を見たいと思っていました」
そう言われて、私は言い訳の代わりに当日の待ち合わせ時間と場所を伝える。
「わかりました。では、その時間に行きます」
そして、そこで通話は切れた。
私はホッとしてスマートフォンをしまい、自分を省みて顔を顰める。
どうしてこう、一ノ瀬を前にすると慌てふためき、落ち着かなくなるのか。
そもそも、デートだなんて言い出した、向こうが悪い。
責任転嫁してみるものの、あのくらいで慌てる自分の方がおかしいに決まっている。
私は深い溜息を吐き、新聞の続きを読んでから出社した。
私の勤めるYAMAGAMIは、日本のビールメーカーの中でも老舗の部類に入る。
毎シーズン商品の刷新を図り、リニューアルや新商品の開発に取り組んではいるが、なかなか定番商品の中に食い込むのは難しい。
今回のからり晴れはその中にあってYAMAGAMIの新たな定番商品になるのではと、自社だけではなく業界でも注目されている。
その根底にあるのは、何よりもその爆発的な売り上げの伸び率だ。
このまま行けば、今年度中に生産が追い付かなくなるのではないかとさえ言われている。嬉しい悲鳴に工場側は苦慮しているというが、それは池谷事業部長が手腕を発揮するに違いない。
「おはようございます」
「おはよう」
執務室に入って数分足らずで、部下の仲本が来た。
「こちらが、開発部3課と営業部の報告書です」
「ああ、ありがとう」
私は報告書を受け取り、今日のスケジュールを確認した。
すると、仲本はわずかに首を傾げて私を見る。
何か気にかかることでもあるのかと、ペンを止めて視線で促すと、仲本は微笑んだ。
「美浜部長に報告書をお渡ししてお礼を言われたのは、初めてだったので」
そうだっただろうか。
記憶を掘り起こしてみても、自分では思い当たらない。
仲本は、それだけ言って執務室を出て行った。
私は、チームミーティングの時間を確認して報告書に目を通し、企画開発部の部屋に寄って指示を出した。
そして、重役会議に出席するため、上の階の会議室へ向かう。
「いやあ、からり晴れの売れ行きはすさまじいものがあるねえ」
会議の冒頭、月島専務は腕を組んでうんうんと一人頷いている。
「先日も社長と、長門課長を営業部部長にして、一ノ瀬くんを課長にするという話が持ち上がったんだけどねえ」
「月島専務、それはまだ決定していない話ですので」
隣に座る八田が慌てて制した。
そんな話はこれまで聞いたことはなく、私は内心驚いていた。
ちらりと白石部長を見れば、顔が引きつっている。
それはそうだろう。
長門を部長にするとなれば、現在営業部部長である自分の地位はどうなるのか。
降格はなくとも、部の異動はあり得る。
この辺りはすべて、八田次第か。
だが、社長と月島専務の間で話が進んでいるとすれば、八田も反対はできまい。
そうなると──。
一ノ瀬が2課の課長に昇進することも有り得るわけか。
27という年齢から考えても、早くはない。
今回の功績を買われたのなら、むしろ順当と言えるだろう。
会議が終わり、執務室に戻ると、私は今後について考えた。
からり晴れは近いうちに私の手を離れ、開発部3課のチームリーダーが引継ぐ。
営業や広報についての指示は、そのリーダーがすることになる。
そして、私はこれから、次の商品の開発に着手する。
構想はもう頭の中にあるが、コンセプトを決定してプレゼンをしてから、チームメンバーの選抜が始まる。
恐らく、からり晴れよりも大きなプロジェクトになるだろう。
次に営業を担当するのは、1課かあるいは2課か。
また一ノ瀬の顔が思い浮かんでしまい、それまでの思考がぴたりと止まる。
こんなことでは、先が思いやられる。
私は額に手を当ててイメージを払拭し、仕事に専念した。
随分と日の出が早くなった。
私は、窓の傍でコーヒーを飲みながら新聞を読む。
毎朝3紙読むのが、YAMAGAMIに入社して以来の私の習慣だ。
ページをめくっていくと、一番下の欄の広告が目に入った。
昔見た映画のリバイバル上映の記事だ。
写真も小さく簡潔で、うっかり見過ごすようなところに掲載されている。
当時、2度映画館に足を運んでみた記憶がある。
迫力のある歌とダンスは、圧巻だった。
久しぶりに映画館で見るのもいいかもしれない。
私はスマートフォンを取り出して、映画館のサイトを開き、ネットで予約しようとした。
だがそこでふと、一ノ瀬の顔が思い浮かんだ。
彼がこういう映画を好むかはわからない。
ミュージカル映画は好き嫌いが分かれるが、彼は果たしてどちらなのか。
誘うかどうか迷ったのは数秒で、私は時刻を確認した。
この時間ならまだ出社前で、部屋にいるはずだ。
私はすぐに彼の連絡先を呼び出して、電話を掛けた。
コール音5回まで待ってみて、もしかしたらもう家を出たのかと私は切ろうとした。
すると、呼び出し音が止まり、一ノ瀬の声がする。
「美浜さん、おはようございます」
「おはよう」
はきはきとした明るい声で言われて、私は内心戸惑いを覚えていた。
朝からこんなに溌溂としていると思っていなかったからだ。
ホテルで目覚める時にはあんなに気怠そうで、てっきり朝が苦手なのだと思っていた。
うっかり寝顔まで思い出してしまって、なかなか言葉が出てこない。
「今週の土曜日に映画館に行こうと思っている。5年ほど前のミュージカル映画なのだが、君もどうだろうか」
過不足なく伝えたつもりだが、電話の向こうで一ノ瀬は押し黙る。
何かもう少し言うべきなのか、それとも用事があって断ろうとしているのか。
沈黙からは何も図り切れなくて、私は答えを待つ。
すると、遅れてくすりと笑う声がした。
「美浜さんからのデートのお誘いなんて、嬉しいですね」
「……デート?」
そうか。個人的に休日に映画を見に行くのは、デートに誘ったことになるのか。
「違うんだ、これは──」
デートという言葉に慌てて否定しようとしていると、一ノ瀬は続けた。
「あなたと映画を見たいと思っていました」
そう言われて、私は言い訳の代わりに当日の待ち合わせ時間と場所を伝える。
「わかりました。では、その時間に行きます」
そして、そこで通話は切れた。
私はホッとしてスマートフォンをしまい、自分を省みて顔を顰める。
どうしてこう、一ノ瀬を前にすると慌てふためき、落ち着かなくなるのか。
そもそも、デートだなんて言い出した、向こうが悪い。
責任転嫁してみるものの、あのくらいで慌てる自分の方がおかしいに決まっている。
私は深い溜息を吐き、新聞の続きを読んでから出社した。
私の勤めるYAMAGAMIは、日本のビールメーカーの中でも老舗の部類に入る。
毎シーズン商品の刷新を図り、リニューアルや新商品の開発に取り組んではいるが、なかなか定番商品の中に食い込むのは難しい。
今回のからり晴れはその中にあってYAMAGAMIの新たな定番商品になるのではと、自社だけではなく業界でも注目されている。
その根底にあるのは、何よりもその爆発的な売り上げの伸び率だ。
このまま行けば、今年度中に生産が追い付かなくなるのではないかとさえ言われている。嬉しい悲鳴に工場側は苦慮しているというが、それは池谷事業部長が手腕を発揮するに違いない。
「おはようございます」
「おはよう」
執務室に入って数分足らずで、部下の仲本が来た。
「こちらが、開発部3課と営業部の報告書です」
「ああ、ありがとう」
私は報告書を受け取り、今日のスケジュールを確認した。
すると、仲本はわずかに首を傾げて私を見る。
何か気にかかることでもあるのかと、ペンを止めて視線で促すと、仲本は微笑んだ。
「美浜部長に報告書をお渡ししてお礼を言われたのは、初めてだったので」
そうだっただろうか。
記憶を掘り起こしてみても、自分では思い当たらない。
仲本は、それだけ言って執務室を出て行った。
私は、チームミーティングの時間を確認して報告書に目を通し、企画開発部の部屋に寄って指示を出した。
そして、重役会議に出席するため、上の階の会議室へ向かう。
「いやあ、からり晴れの売れ行きはすさまじいものがあるねえ」
会議の冒頭、月島専務は腕を組んでうんうんと一人頷いている。
「先日も社長と、長門課長を営業部部長にして、一ノ瀬くんを課長にするという話が持ち上がったんだけどねえ」
「月島専務、それはまだ決定していない話ですので」
隣に座る八田が慌てて制した。
そんな話はこれまで聞いたことはなく、私は内心驚いていた。
ちらりと白石部長を見れば、顔が引きつっている。
それはそうだろう。
長門を部長にするとなれば、現在営業部部長である自分の地位はどうなるのか。
降格はなくとも、部の異動はあり得る。
この辺りはすべて、八田次第か。
だが、社長と月島専務の間で話が進んでいるとすれば、八田も反対はできまい。
そうなると──。
一ノ瀬が2課の課長に昇進することも有り得るわけか。
27という年齢から考えても、早くはない。
今回の功績を買われたのなら、むしろ順当と言えるだろう。
会議が終わり、執務室に戻ると、私は今後について考えた。
からり晴れは近いうちに私の手を離れ、開発部3課のチームリーダーが引継ぐ。
営業や広報についての指示は、そのリーダーがすることになる。
そして、私はこれから、次の商品の開発に着手する。
構想はもう頭の中にあるが、コンセプトを決定してプレゼンをしてから、チームメンバーの選抜が始まる。
恐らく、からり晴れよりも大きなプロジェクトになるだろう。
次に営業を担当するのは、1課かあるいは2課か。
また一ノ瀬の顔が思い浮かんでしまい、それまでの思考がぴたりと止まる。
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