8 / 38
第4話 接触開始 ニネット視点(3)
「俺は灯台のように、多くを照らすことのできる大きな力を持つ男。だから灯台のように、近すぎる存在は見えていなかったんだろうな」
漆黒の下に広がる、ムーディーな場所。パーティーの参加者は立ち入りが許可されている、美しい中庭。
そんな場所に着くや否や、エドモン様は大仰に肩を竦められた。
「これまでもニネットの姿は、何度も目にしていた。だが魅力的だと感じたことは、今まで一度もなかったんだ」
「……はい。エドモン様」
「だが今夜ようやく、見えていなかった部分に光が当たり、真実に気が付いた。ニネット、お前は魅力的な女だ。周囲に居る者の、誰よりもな」
頭からつま先まで。エドモン様はゆっくりと視線を下げて、上げ、再びわたくしの顔で止まった。
「その顔、その体、その心。どれもが、完璧だった」
「っっ。エドモン様……っ」
外面が先で、内面があと。他の男にそんなことを言われたら、不愉快で即座に平手打ちをしていたでしょうね。
けれどココも、その人がエドモン様なら話は別。大好きな方に褒めていただけるのであれば、なんだって嬉しい。非常に大きな幸せと、なってしまうのですわ。
「ニネット・ネズレント。パーフェクトなお前は、パーフェクトなこの俺に相応しい女だ。……欲しい物は、なんでも買ってやろう。お前に、最高の幸せ与えてやろう。だから――この男のものとなれ」
おもわずうっとりしていたら、大きな右手がわたくしへと伸びてきました。
エドモン・ダーファルズ様。この方は今、好きでたまらない御方。そして、
――自分自身をパーフェクトと明言する――。
――自分に相応しい女だと口にする――。
大きな自信を持つ御方。
――買ってやろう――。
――俺のものになれ――。
力強く引っ張っていってくださる御方。
接触してみれば更に美点が見えてきて、ますます好きになった御方なんですもの。
その答えは、決まっていますわ……!
「はい……っ。喜んで……!」
迷わずその手に手を重ね、わたくしはエドモン様の恋人になったのでした――。
漆黒の下に広がる、ムーディーな場所。パーティーの参加者は立ち入りが許可されている、美しい中庭。
そんな場所に着くや否や、エドモン様は大仰に肩を竦められた。
「これまでもニネットの姿は、何度も目にしていた。だが魅力的だと感じたことは、今まで一度もなかったんだ」
「……はい。エドモン様」
「だが今夜ようやく、見えていなかった部分に光が当たり、真実に気が付いた。ニネット、お前は魅力的な女だ。周囲に居る者の、誰よりもな」
頭からつま先まで。エドモン様はゆっくりと視線を下げて、上げ、再びわたくしの顔で止まった。
「その顔、その体、その心。どれもが、完璧だった」
「っっ。エドモン様……っ」
外面が先で、内面があと。他の男にそんなことを言われたら、不愉快で即座に平手打ちをしていたでしょうね。
けれどココも、その人がエドモン様なら話は別。大好きな方に褒めていただけるのであれば、なんだって嬉しい。非常に大きな幸せと、なってしまうのですわ。
「ニネット・ネズレント。パーフェクトなお前は、パーフェクトなこの俺に相応しい女だ。……欲しい物は、なんでも買ってやろう。お前に、最高の幸せ与えてやろう。だから――この男のものとなれ」
おもわずうっとりしていたら、大きな右手がわたくしへと伸びてきました。
エドモン・ダーファルズ様。この方は今、好きでたまらない御方。そして、
――自分自身をパーフェクトと明言する――。
――自分に相応しい女だと口にする――。
大きな自信を持つ御方。
――買ってやろう――。
――俺のものになれ――。
力強く引っ張っていってくださる御方。
接触してみれば更に美点が見えてきて、ますます好きになった御方なんですもの。
その答えは、決まっていますわ……!
「はい……っ。喜んで……!」
迷わずその手に手を重ね、わたくしはエドモン様の恋人になったのでした――。
あなたにおすすめの小説
『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』
六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。
王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。 数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。
そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。
「復讐? いいえ、これは正当な監査です」
リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。 孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。 やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。
私から全てを奪おうとした妹が私の婚約者に惚れ込み、色仕掛けをしたが、事情を知った私の婚約者が、私以上に憤慨し、私のかわりに復讐する話
序盤の村の村人
恋愛
「ちょっと、この部屋は日当たりが悪すぎるわ、そうね、ここの部屋いいじゃない!お姉様の部屋を私が貰うわ。ありがとうお姉様」 私は何も言っていません。しかし、アーデルの声を聞いたメイドは私の部屋の荷物を屋根裏部屋へと運び始めました。「ちょっとアーデル。私は部屋を譲るなんて一言も言ってないです」
「お姉様、それは我が儘すぎるわ。お姉様だけこんな部屋ずるいじゃない」「マリーベル。我が儘は辞めてちょうだい。また部屋を移動させるなんてメイド達が可哀想でしょ」私たちの話を聞いていた義理母のマリアは、そう言うと、メイド達に早くするのよと急かすように言葉をかけました。父の再婚とともに、義理の妹に私の物を奪われる毎日。ついに、アーデルは、マリーベルの婚約者ユーレイルの容姿に惚れ込み、マリーベルから奪おうとするが……。
旧タイトル:妹は、私から全てを奪おうとしたが、私の婚約者には色仕掛けが通用しなかった件について
·すみません、少しエピローグのお話を足しました。楽しんでいただけると嬉しいです。
溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。
両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。
ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。
そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。
だが、レフーナはそれに激昂した。
彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。
その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。
姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。
しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。
戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。
こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。
【完結】私の婚約者の、自称健康な幼なじみ。
❄️冬は つとめて
恋愛
「ルミナス、すまない。カノンが…… 」
「大丈夫ですの? カノン様は。」
「本当にすまない。ルミナス。」
ルミナスの婚約者のオスカー伯爵令息は、何時ものようにすまなそうな顔をして彼女に謝った。
「お兄様、ゴホッゴホッ! ルミナス様、ゴホッ! さあ、遊園地に行きましょ、ゴボッ!! 」
カノンは血を吐いた。
完璧な妹に全てを奪われた私に微笑んでくれたのは
今川幸乃
恋愛
ファーレン王国の大貴族、エルガルド公爵家には二人の姉妹がいた。
長女セシルは真面目だったが、何をやっても人並ぐらいの出来にしかならなかった。
次女リリーは逆に学問も手習いも容姿も図抜けていた。
リリー、両親、学問の先生などセシルに関わる人たちは皆彼女を「出来損ない」と蔑み、いじめを行う。
そんな時、王太子のクリストフと公爵家の縁談が持ち上がる。
父はリリーを推薦するが、クリストフは「二人に会って判断したい」と言った。
「どうせ会ってもリリーが選ばれる」と思ったセシルだったが、思わぬ方法でクリストフはリリーの本性を見抜くのだった。
侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい
花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。
ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。
あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…?
ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの??
そして婚約破棄はどうなるの???
ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。
私から婚約者を奪うことに成功した姉が、婚約を解消されたと思っていたことに驚かされましたが、厄介なのは姉だけではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
ジャクリーン・オールストンは、婚約していた子息がジャクリーンの姉に一目惚れしたからという理由で婚約を解消することになったのだが、そうなった原因の贈られて来たドレスを姉が欲しかったからだと思っていたが、勘違いと誤解とすれ違いがあったからのようです。
でも、それを全く認めない姉の口癖にもうんざりしていたが、それ以上にうんざりしている人がジャクリーンにはいた。
【完結済み】妹の婚約者に、恋をした
鈴蘭
恋愛
妹を溺愛する母親と、仕事ばかりしている父親。
刺繍やレース編みが好きなマーガレットは、両親にプレゼントしようとするが、何時も妹に横取りされてしまう。
可愛がって貰えず、愛情に飢えていたマーガレットは、気遣ってくれた妹の婚約者に恋をしてしまった。
無事完結しました。