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第2話 おめでとうと、おめでとうのあと ジゼル視点(1)
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「ちゃんと、理解できるようになったね。おめでとう」
ずっと私は、異様で異常だった。そちらを声にすると、拍手と共にリヴェド様は笑顔を浮かべられました。
「忌々しい『魅了』は消え去って、何に対しても自分の意思で考え動けるようになった。君はもう自由だよ」
「はい……っ。リヴェド様、ありがとうございます……! 痛み入ります……!!」
この方が現れてくださらなければ、私は偽りの感情に囚われたままでした。好きでもない方を心から愛し慕い続けるという、恐ろしい人生となってしまっていました。
ですので喜びの涙を零しつつ、深々と腰を折り曲げました。
「貴方様のお力によって、悲劇を回避できました。感謝してもしきれません」
「あはは、気にしないで。俺が勝手にやったことなんだから、お礼なんて要らないよ」
そうすればリヴェド様は即座に顔の前で左手を左右に振り、「それにまだ問題は残ってるから、そっちの話をしようか」と仰られました。
…………。問題……?
「私は魅了というものをかけられていて、そちらは先ほど解いていただきました。他にはないと、思うのですが……?」
「いやいや、とっても大きなものが残ってるよ。『偽りの婚約をしている』という、特大の問題がね」
あっ。そうです、そうでした!
私はあのような状態となっていたため、正式な形で婚約を結んでしまっています。
「このままだと、魅了を仕掛けてきたクズ男と結婚する羽目になってしまう。これをどうにかしないと、真の解決とはいえないよね?」
「……はい。そう、ですね」
そんな未来は、必ず回避しなければなりません。そうするには……。
「リヴェド様。コルベット様が魅了をかけた、その物証の入手は可能でしょうか?」
「魅了――呪術は、形を持たないものだからね。物的証拠を手に入れるのは、不可能だよ」
やはり、そうですよね。
となると、あちらの責任を問いつつ白紙にすることは至難ですが……。だからと言って、諦めるという選択肢はありえません。
どうすれば、いいのでしょうか……?
「安心して。そこもちゃんと、考えてあるよ」
眉を寄せて黙考していると、予想外のお声が耳に入ってきました。
え……? リヴェド様には、すでにおあり……!?
ずっと私は、異様で異常だった。そちらを声にすると、拍手と共にリヴェド様は笑顔を浮かべられました。
「忌々しい『魅了』は消え去って、何に対しても自分の意思で考え動けるようになった。君はもう自由だよ」
「はい……っ。リヴェド様、ありがとうございます……! 痛み入ります……!!」
この方が現れてくださらなければ、私は偽りの感情に囚われたままでした。好きでもない方を心から愛し慕い続けるという、恐ろしい人生となってしまっていました。
ですので喜びの涙を零しつつ、深々と腰を折り曲げました。
「貴方様のお力によって、悲劇を回避できました。感謝してもしきれません」
「あはは、気にしないで。俺が勝手にやったことなんだから、お礼なんて要らないよ」
そうすればリヴェド様は即座に顔の前で左手を左右に振り、「それにまだ問題は残ってるから、そっちの話をしようか」と仰られました。
…………。問題……?
「私は魅了というものをかけられていて、そちらは先ほど解いていただきました。他にはないと、思うのですが……?」
「いやいや、とっても大きなものが残ってるよ。『偽りの婚約をしている』という、特大の問題がね」
あっ。そうです、そうでした!
私はあのような状態となっていたため、正式な形で婚約を結んでしまっています。
「このままだと、魅了を仕掛けてきたクズ男と結婚する羽目になってしまう。これをどうにかしないと、真の解決とはいえないよね?」
「……はい。そう、ですね」
そんな未来は、必ず回避しなければなりません。そうするには……。
「リヴェド様。コルベット様が魅了をかけた、その物証の入手は可能でしょうか?」
「魅了――呪術は、形を持たないものだからね。物的証拠を手に入れるのは、不可能だよ」
やはり、そうですよね。
となると、あちらの責任を問いつつ白紙にすることは至難ですが……。だからと言って、諦めるという選択肢はありえません。
どうすれば、いいのでしょうか……?
「安心して。そこもちゃんと、考えてあるよ」
眉を寄せて黙考していると、予想外のお声が耳に入ってきました。
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