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第1話 元家族……? テレーズ視点
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((三人とも、似ている……。全員、当時の面影がある……))
10年も経っているので、あの頃と異なる点の方が多い。ですが三人ともに、いくつか見覚えのある部分があるのです。
((一生懸命隠そうとしていますが、性格の悪さ、醜さを感じますし……。まさか……本物……? ……そんなはずは、ありませんよね))
カウティア子爵家はそれなりに裕福な家でしたし、長女の溺愛の件はともかくとして、借金を作るような立ち回りはしない人たちでした。それに――
「? ど、どうかされましたか……?」
「わたくしどもの顔に、なにかついていますでしょうか……?」
「?? なっ、なにか失礼なことをしてしまいましたか……!?」
――あちらの三人は、わたしを見ても平然としています。
いくら表向きには『死んだ』ことになっていても、殺した者とそっくりな人間がいたら動揺します。ということは――
((いえ、そうはなりませんね。……うっかりしていました。わたしには、以前の面影はほぼなかったんでした))
万が一何かの拍子に元の家族に生存を知られたら、ライアンさんとフィリップさんにご迷惑がかかってしまいます。そのため当時のブロンドのロングヘア―からブラウンのショートヘアーに変え、外にいる時はいつも伊達メガネをかけていますし、農園での生活によって肌は焼けてある程度筋肉もつきました。
今は元家族の三人であっても気が付かない姿になっているので、その点では判断できません。
((……なにか……。本人か否かを判別できる材料は、なかったでしょうか……?))
もう二度と思い出すことはないと思っていた、元家族の姿。三人の顔と身体を、本当に久しぶりに思い浮かべて――すぐに、最適なものが見つかりました。
((そういえばイヴェットには、二の腕に小さなほくろがありましたね))
今は夏直前ということもあり、イヴェットらしき女性は半袖。二の腕をしっかりと目視できます。
ですので、
「いえ、なんでもありません。それでは面接を始めさせていただきますね」
本当に何事もなかったように挨拶を行い、イスに腰を下ろしながら確認をします。
対面で3人並んでいる中の、真ん中。ブロンドのロングヘア―の女性の、二の腕には――
((…………あり、ますね。ほくろがあります))
当時の面影があって、まったく同じ箇所にほくろがある人が、別人なはずはありません。
やっぱり、そうだった。
目の前に居るのは、かつてわたしの家族だった人達です。
((まさか、こんな形で再会することになるだなんて……。でも……。この人達はなぜ護衛なしで隣国にいて、雇って欲しいなんて言っているのでしょうか……?))
10年も経っているので、あの頃と異なる点の方が多い。ですが三人ともに、いくつか見覚えのある部分があるのです。
((一生懸命隠そうとしていますが、性格の悪さ、醜さを感じますし……。まさか……本物……? ……そんなはずは、ありませんよね))
カウティア子爵家はそれなりに裕福な家でしたし、長女の溺愛の件はともかくとして、借金を作るような立ち回りはしない人たちでした。それに――
「? ど、どうかされましたか……?」
「わたくしどもの顔に、なにかついていますでしょうか……?」
「?? なっ、なにか失礼なことをしてしまいましたか……!?」
――あちらの三人は、わたしを見ても平然としています。
いくら表向きには『死んだ』ことになっていても、殺した者とそっくりな人間がいたら動揺します。ということは――
((いえ、そうはなりませんね。……うっかりしていました。わたしには、以前の面影はほぼなかったんでした))
万が一何かの拍子に元の家族に生存を知られたら、ライアンさんとフィリップさんにご迷惑がかかってしまいます。そのため当時のブロンドのロングヘア―からブラウンのショートヘアーに変え、外にいる時はいつも伊達メガネをかけていますし、農園での生活によって肌は焼けてある程度筋肉もつきました。
今は元家族の三人であっても気が付かない姿になっているので、その点では判断できません。
((……なにか……。本人か否かを判別できる材料は、なかったでしょうか……?))
もう二度と思い出すことはないと思っていた、元家族の姿。三人の顔と身体を、本当に久しぶりに思い浮かべて――すぐに、最適なものが見つかりました。
((そういえばイヴェットには、二の腕に小さなほくろがありましたね))
今は夏直前ということもあり、イヴェットらしき女性は半袖。二の腕をしっかりと目視できます。
ですので、
「いえ、なんでもありません。それでは面接を始めさせていただきますね」
本当に何事もなかったように挨拶を行い、イスに腰を下ろしながら確認をします。
対面で3人並んでいる中の、真ん中。ブロンドのロングヘア―の女性の、二の腕には――
((…………あり、ますね。ほくろがあります))
当時の面影があって、まったく同じ箇所にほくろがある人が、別人なはずはありません。
やっぱり、そうだった。
目の前に居るのは、かつてわたしの家族だった人達です。
((まさか、こんな形で再会することになるだなんて……。でも……。この人達はなぜ護衛なしで隣国にいて、雇って欲しいなんて言っているのでしょうか……?))
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