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第10話 言い訳 シブリアン視点(3)

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「君を様々な形で傷付けてしまった償いは、しないといけない。そしてそれは、生半可なものじゃいけないと思っているんです」
「「「「………………」」」」
「俺は貴族籍を手放し、アドリエンヌに償いの奉仕をする人生を歩もうと考えています。ですから、お願いします。俺を貴方専属の使用人にしてください」

 罰を与えられる前に、自ら罰に言及する。こうすることで、『最悪』を回避する……!

「もちろん給料は要りませんし、食事などその他の環境だって他の使用人と同レベルで構いません。むしろ周囲よりも下げてもらっても構いません。……この条件で働かせてください。お願いします……!」

 コクユイファ家の使用人アイツらみたいに、他者の手足となる人生なんて惨め。嫌に決まっている。
 でも追放されてしまったら、それ以上にキツく辛い毎日が待ってるんだ。使用人レベルの日常が保証されるのなら、背に腹は代えられない。

「お願いします! お願いします!! 一生をかけて償いをさせてくだ――」
「兄さん、まだ愚行を重ねるつもりなのですか? いい加減に――」
「俺はアドリエンヌと話しているんだ邪魔をしないでくれ!! ねえアドリエンヌ! お願いします! どうか――」
「父上」
「ああ。……そんなもの認められるはずがないだろう。処遇が決まるまでお前は別邸に移動させる。そこで判断を待っていろ」
「だから俺はアドリエンヌと話しているんですよっ、邪魔をしないでください! ねえアドリエンヌ! アドリエンヌ!! アドリエン――やめろ! 離せ!!」

 父上の合図で俺は使用人2人に拘束され、そのままズルズルと引きずられていく。
 ……いくら抵抗しても、無駄だった……。
 俺はそのまま馬車に放り込まれて、軟禁され……。
 その後……。

 ――追放――。

 貴族籍を剥奪された後、金も食べ物もない状態で……。別邸を追い出され……。
 路頭に、迷う羽目になってしまったのだった……。


 ○○


 そうして、あっという間にすべてを失ってしまったシブリアン。
 その日から彼は孤独な人生を歩むこととなったのですが――。それから1年後のこと。そんな彼に、とある出会いが待っているのでした。
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