邪魔者の婚約者を消す方法

 俺ことルゾマウア子爵令息シルヴァンには、幼馴染で婚約者のマルセルという名の女性がいる。
 婚約は政略的なものだがマルセルとは旧知の仲で、家族のように大切な存在だった。だから婚約はとても嬉しく感じていて、将来はふたりで良い夫婦になりたいと強く思っていた。
 だがある時俺はもう一人の幼馴染であるジャクリーヌに恋をしていると気付き、同時にジャクリーヌも俺に恋心を抱いていたのだと気付いたのだった。

 ――俺達は相思相愛、それを知ったらそうなるのは必然的だった――。

 互いに『この人と結婚したい』という感情を抑えきれなくなって、本当はそんなことしたくはなかった。俺達3人は物心ついた時からの付き合いで、幼馴染3人でずっと一緒に笑い合っていたかった。
 でもマルセルがいたら、俺達は結婚できないから……。邪魔者である彼女に消えてもらうことにしたのだった。


 ごめんよ、マルセル。俺達の幸せのために、君には死んでもらいます。


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