前世で薬師だったことを思い出したので、今度こそ愛する人を救います

柚木ゆず

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第3話(2)

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「今回採取するのは、『ドーアク草(そう)』『ダナミ草(そう)』『オラマ花(ばな)』。それぞれ最低でも200グラム程度、持ち帰りたいと思います」

 目的地に着いたわたしはまず、改めて説明をさせていただきました。
 ドーアク草とダナミ草は、排毒用。オラマ花は、本命用となっています。

「確かドーアク草は木の傍で、ダナミ草は日陰。オラマ花は菌糸類の傍に生えている、だったわよね」
「はい。まずは、実際にお見せしますね」

 出発前に図鑑でチェックしていただきましたが、やはり実物を目にするのが一番です。そこで近くをうろうろと歩き、3つを持って戻りました。

「この薄緑のものがドーアク草で、濃緑のものがダナミ草です。そしてこの黄色のものが、オラマ花になります」
「なるほど、ね。ばっちり把握したわ」
「摘み方などに細かい決まりはありませんし、かぶれ等の心配もございません。わたしは向かって右半分のエリアを中心に探しますので、メリッサさんは左半分をお願いします」
「了解。この辺りに動物は生息していないから、危険はないのだけれど。何かしら違和感を覚えたら、すぐに叫んでね?」
「はい、分かりました。それではお願い致します」

 疑われずに外出できる時間には限りがあるため、ここからは二手に分かれて作業を行います。
 さっきやったように3種を同時に探しながら歩き、見つけたらしゃがんで丁寧に摘む。虫さんが載っていたら『ごめんなさい』をして降りてもらい、丁寧に摘む。
 ひたすらに、そんな作業を――懐かしい作業を、していたからなのでしょうか。採取をしていたら、独りでに昔の記憶が蘇ってきました。

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