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第13話 目覚めたらそこは 俯瞰視点(5)

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「イーサン、アヴリーヌ。お前たちは必ず、どちらかを選択しなければならない」

 ずっと自給自足の生活を行う。一切飲み食いせずに朽ち果てる。
 二人はどちらも嫌だと繰り返しますが、そんな言い分が認められるはずはありませんでした。 
「前者か後者、必ず一つを選択しろ。さあ、早く決めろ」
「………………」
「………………」
「どうした。イーサン、アヴリーヌ。早く決めろ」
「………………お、お願いだ……。見逃してくれ……」
「………………おねがい、します…。見逃してくださいまし……」

 拒絶で駄目なら、懇願を。二人は胸の前で手を組み、必死な視線を仮面の男へと注ぎます。

「頼む……。お願いだ……。どうにか……。頼む……」
「どちらも選ばなくていいように……。楽な、第三の選択肢を……。ください……」
「断る」

 ですが返ってくるものは、おんなじ。イーサンとアヴリーヌのお願いはあっさりと拒否され、男は大きく息を吐きだしました。

「仕方がない。自分たちで決められないなら、俺が決めてやろう。お前たちに訪れる未来は…………ひとつめ、自給自足だ」
「っ!! いっ、嫌だ! それは――それも、嫌だ!!」
「自給自足だなんて! できませんわ!! いやですわっ!!」 
「お前達にはもう、選択権はない。これは確定事項だ。さあ、二名様を『箱庭』へとご案内だ」

 仮面の男はそう言い残して降り、がちゃり――。二人が出てこれないように外から扉のカギを閉め、馬車は無情に発進します。
 そうしてそのまま更に3時間ほど進み、

「いやだああああああああ!! たのむぅぅぅう!! ゆるしてくれぇえええええ!!」
「おねがいですわああぁああ!! ゆるしてぇえええええ!!」
「もう遅い、手遅れだ。イーサン、アヴリーヌ、お幸せにな」

 ついに到着し、男はこの場に関する『とあるルール』を説明。そのあと床にしがみつき降りようとしない二人は引きずり降ろされ、そのまま茂みの前に放置されてしまったのでした。


 そうして二人は――
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