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第3話 ウィリアム編2日目 日常と、非日常? 俯瞰視点(2)
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「な、なんだ……!? なんなんだ、これは……!?」
大股で廊下に出たウィリアム。怒りで大きく吊り上がっていた2つの瞳は、その僅か3秒後に唖然と共に大きく見開かれる事になりました。
なぜならば、
廊下には、人気(ひとけ)が一切なかったから。
使用人の姿は、なし。会話の声もなし。気配もなし。物音もなし。
彼の目の前には、普段とはまるで違う光景が広がっていたのです。
「ロイっ!! アージュっ!! フィナっ!! ハンナっ!!」
従者と、3人の使用人――この時間は必ず2階にいる人間の名前を呼びますが、いつまで経っても反応はありません。大きな声が消えるといつものような返事はなく、シーンという静寂が訪れました。
「…………こ、こんな事は、あり得ない…………。怠慢の範疇を、越えている……! あ、アイツらは全員、どこに行ってしまったんだ……!?」
爆発的な速度で焦りと動揺が生まれ、ウィリアムは廊下の左右にある部屋を片っ端から開けていきます。しかしながらそこにも人は誰一人おらず、不安はますます大きくなってしまいました。
「2階には、誰も、いない……。ぜ、全員、したっ、1階にいるのか……!?」
そ、そうだよな!?――。1階にいるんだよな!?――。1階にいるに決まっている!!――。
そのように言い聞かせながら駆け足で階段を降り、「おーいっ!! 誰か返事をしろっっっ!!」お腹の底から声を張り上げます。そうすると、
反応は、なし。
大声は空しく消え、再び不気味な静寂が訪れました。
「そ、そんな……。1階にも、誰もいないだと……!? そ、それに……」
狼狽で気付いていませんでしたが、邸内には良い匂いが――毎朝感じられる、朝食の準備をする匂いがありません。
これもまた、あり得ない事。
「そ……。それに……っ。それに…………っっ」
どこにも、クラウとミシャがいない。
ウィリアムが朝1階に下りたら、「「おはようウィリアム!」」と笑顔で寄ってくる。これがオーレス家の日常で、この『なし』が最もあり得ない事でした。
「なぜ、一人もいない……!? なぜ痕跡が全くない……!? なにが起きているんだ……!? だっ、誰か……!! 誰か教えてくれ……!!」
こういった状況下では、とにかく誰かに会いたいもの。そのため彼は両目を血走らせながら玄関の扉を開け放ち、『誰か』を求めて外へと飛び出します。
そして――。
その行動が原因となり、ウィリアムは更に絶句する羽目になるのでした。
大股で廊下に出たウィリアム。怒りで大きく吊り上がっていた2つの瞳は、その僅か3秒後に唖然と共に大きく見開かれる事になりました。
なぜならば、
廊下には、人気(ひとけ)が一切なかったから。
使用人の姿は、なし。会話の声もなし。気配もなし。物音もなし。
彼の目の前には、普段とはまるで違う光景が広がっていたのです。
「ロイっ!! アージュっ!! フィナっ!! ハンナっ!!」
従者と、3人の使用人――この時間は必ず2階にいる人間の名前を呼びますが、いつまで経っても反応はありません。大きな声が消えるといつものような返事はなく、シーンという静寂が訪れました。
「…………こ、こんな事は、あり得ない…………。怠慢の範疇を、越えている……! あ、アイツらは全員、どこに行ってしまったんだ……!?」
爆発的な速度で焦りと動揺が生まれ、ウィリアムは廊下の左右にある部屋を片っ端から開けていきます。しかしながらそこにも人は誰一人おらず、不安はますます大きくなってしまいました。
「2階には、誰も、いない……。ぜ、全員、したっ、1階にいるのか……!?」
そ、そうだよな!?――。1階にいるんだよな!?――。1階にいるに決まっている!!――。
そのように言い聞かせながら駆け足で階段を降り、「おーいっ!! 誰か返事をしろっっっ!!」お腹の底から声を張り上げます。そうすると、
反応は、なし。
大声は空しく消え、再び不気味な静寂が訪れました。
「そ、そんな……。1階にも、誰もいないだと……!? そ、それに……」
狼狽で気付いていませんでしたが、邸内には良い匂いが――毎朝感じられる、朝食の準備をする匂いがありません。
これもまた、あり得ない事。
「そ……。それに……っ。それに…………っっ」
どこにも、クラウとミシャがいない。
ウィリアムが朝1階に下りたら、「「おはようウィリアム!」」と笑顔で寄ってくる。これがオーレス家の日常で、この『なし』が最もあり得ない事でした。
「なぜ、一人もいない……!? なぜ痕跡が全くない……!? なにが起きているんだ……!? だっ、誰か……!! 誰か教えてくれ……!!」
こういった状況下では、とにかく誰かに会いたいもの。そのため彼は両目を血走らせながら玄関の扉を開け放ち、『誰か』を求めて外へと飛び出します。
そして――。
その行動が原因となり、ウィリアムは更に絶句する羽目になるのでした。
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