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34話
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とんとん拍子で話が進み、私は数日でハミルトン伯爵になっていた。
働く予定だった宮殿の担当の方に詫びの手紙を書き、新たにアシュリー・J・ハミルトン伯爵としての生活が始まる。
元家族たちは、衛兵に見守られて街を出たらしい。
でも幸いなことに、屋敷や家財道具はそのまま残ってるし、メイドと執事たちは数名を残して入れ替えが出来た。
悪いとは思うけど、両親の言いなりだった人には出て行ってもらった。
今残っているのはずっと私の事を気にかけてくれた人だけ。
少ししてから知ったけど、学園でジャネットと一緒になって私のウワサを流してた人達、その子たちは家から絶縁されて、国から居なくなったそうだ。
バート様から聞いた話しだと、かなり多くの貴族の子供が関わっていて、大公の孫娘までが居たんだとか。
多分裏で調整を繰り返して、子供を絶縁する事で妥協したんだろう。
絶縁した家は、しばらく王家に服従するしかないでしょうね。
何度かお茶会やパーティーに参加したけど、まーみんな私にすり寄るすり寄る。
バート様と仲が良い事と、これ以上は家の立場を悪くしたくないからでしょうけどね。
一番大変だったのは、元婚約者のエリックの父親、マイヤー公爵への謝罪だった。
もう関係がないとはいえ、私の家族が迷惑をかけてしまったから、誠心誠意謝っておかないと。
「がっはっはっは! 気にするなアシュリー嬢、いやハミルトン伯爵。なんならワシの3番めの息子はどうだ? あれはまだ若いが、中々に聡明だぞ!」
なんだか婚約の話が出てきたけど、実は公表していない事がある。
バート様から結婚の申し込みが来ているのだ。
伯爵という立場なら、第2王子とは立場が離れすぎている訳でもないし、王位継承は第1王子で決定しているからお家騒動もない。
そういえばナンシーも助けてもらったみたいだし、ずっと裏で私を助けてくれてたみたい。
バート様とお茶をするのは楽しいし、学園で毎日一声かけてくれたのは励みになった。
ずっと気にかけてくれてたし、本人は言わないけど学園に掛け合ってくれたのは間違いなくバート様だろう。
あれ? 思い返してみたら私もずっとバート様を見ていたわ。
よし! バート様の申し出を受けよう!
「バート様、時間を割いていただき感謝いたします」
「構わないよ。それよりどうしたんだい今日は」
お城での面会を申し込んだら、当日のうちに返事が返ってきたもんだから、そのまま面会をする事になった。
バート様の執務室でというのは色気が無いけど、こういうのは早い方がいいわよね?
「バート様、本日は――」
「待て。場所を変えよう」
そうして連れてこられたのは中庭にある、お茶などを飲むための休憩所。
今日は天気もいいし、周りの花もキレイだわ。
「アシュリー・J・ハミルトン伯爵」
「は、はい」
私の前で片膝をつき、バート様は私の手を取った。
「僕と結婚して欲しい」
どこに置いてあったのか花束を差し出し、プロポーズをしてくれた。
あ……これはエリックの時には叶えられなかったシチュエーションだ……。
「はい……お受けします。幸せに、して、くださいね」
働く予定だった宮殿の担当の方に詫びの手紙を書き、新たにアシュリー・J・ハミルトン伯爵としての生活が始まる。
元家族たちは、衛兵に見守られて街を出たらしい。
でも幸いなことに、屋敷や家財道具はそのまま残ってるし、メイドと執事たちは数名を残して入れ替えが出来た。
悪いとは思うけど、両親の言いなりだった人には出て行ってもらった。
今残っているのはずっと私の事を気にかけてくれた人だけ。
少ししてから知ったけど、学園でジャネットと一緒になって私のウワサを流してた人達、その子たちは家から絶縁されて、国から居なくなったそうだ。
バート様から聞いた話しだと、かなり多くの貴族の子供が関わっていて、大公の孫娘までが居たんだとか。
多分裏で調整を繰り返して、子供を絶縁する事で妥協したんだろう。
絶縁した家は、しばらく王家に服従するしかないでしょうね。
何度かお茶会やパーティーに参加したけど、まーみんな私にすり寄るすり寄る。
バート様と仲が良い事と、これ以上は家の立場を悪くしたくないからでしょうけどね。
一番大変だったのは、元婚約者のエリックの父親、マイヤー公爵への謝罪だった。
もう関係がないとはいえ、私の家族が迷惑をかけてしまったから、誠心誠意謝っておかないと。
「がっはっはっは! 気にするなアシュリー嬢、いやハミルトン伯爵。なんならワシの3番めの息子はどうだ? あれはまだ若いが、中々に聡明だぞ!」
なんだか婚約の話が出てきたけど、実は公表していない事がある。
バート様から結婚の申し込みが来ているのだ。
伯爵という立場なら、第2王子とは立場が離れすぎている訳でもないし、王位継承は第1王子で決定しているからお家騒動もない。
そういえばナンシーも助けてもらったみたいだし、ずっと裏で私を助けてくれてたみたい。
バート様とお茶をするのは楽しいし、学園で毎日一声かけてくれたのは励みになった。
ずっと気にかけてくれてたし、本人は言わないけど学園に掛け合ってくれたのは間違いなくバート様だろう。
あれ? 思い返してみたら私もずっとバート様を見ていたわ。
よし! バート様の申し出を受けよう!
「バート様、時間を割いていただき感謝いたします」
「構わないよ。それよりどうしたんだい今日は」
お城での面会を申し込んだら、当日のうちに返事が返ってきたもんだから、そのまま面会をする事になった。
バート様の執務室でというのは色気が無いけど、こういうのは早い方がいいわよね?
「バート様、本日は――」
「待て。場所を変えよう」
そうして連れてこられたのは中庭にある、お茶などを飲むための休憩所。
今日は天気もいいし、周りの花もキレイだわ。
「アシュリー・J・ハミルトン伯爵」
「は、はい」
私の前で片膝をつき、バート様は私の手を取った。
「僕と結婚して欲しい」
どこに置いてあったのか花束を差し出し、プロポーズをしてくれた。
あ……これはエリックの時には叶えられなかったシチュエーションだ……。
「はい……お受けします。幸せに、して、くださいね」
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