【完結】小国の王太子に捨てられたけど、大国の王太子に溺愛されています。え?私って聖女なの?

如月ぐるぐる

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18話

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 アルバート神官長のいう通り、メジェンヌ軍はヴァルプール軍と協力して、3国に当たることになった。
 そうなると戦力はメジェンヌ・ヴァルプール連合軍7万、3国は合わせても5万5千と、こちらが有利になる。
 しかし3国が協力する事はあり得ず、事実その通り、3国はあっさり敗退した。

 大手を振って王都入りしたメジェンヌ軍・セルジュは、ヴァルプール王族に資金の要求をし、色々な取り決めをした様だ。
 これはあくまでも聞いた話しだけど、実質、王族や貴族は操り人形になるのだとか。

 確かに国を壊滅から助けたヒーローであり、国力の差からも抵抗できなかったんだろう。

 1万の駐留軍を残してセルジュは帰国する事になった。




「さあアトリア! デートに行くぞ!」

 帰ってきて早々に神殿に現れたセルジュは、しっかりとおめかししていた。
 このバイタリティは見習いたい。

「確かにデートの約束はしたけど、帰ってきたのは昨日でしょ? 体は大丈夫なの?」

「はっはっは、全く問題ない! さあ出かけるぞ!」

「じゃあ着替えるから外でまって……て?」

 手を引かれて、聖女の衣装のままで連れ出されてしまった。
 ご、強引すぎる。

「まずは腹ごしらえからだ。良い飯屋を見つけたからな、そこで食べよう」

 連れてこられたのは大きなお店で、お肉がオススメらしい。
 お肉は……お肉になっちゃうから……。
 と思ったけど、野菜も沢山あって、カラフルな盛りつけがとてもキレイだった。
 薄く切った肉で野菜を包むと、とっても美味しい。それにヘルシーだ。




「次はここだ」

「わー、すごーい」

 あたり一面のお花畑。花の色で模様になってたり、色の違う花を植えて絵が書かれてる。
 キレイな花が植えられた中の小さな道を歩くって、とっても素敵!
 気が付いたらセルジュと手を繋いでたけど、それが気にならない位にステキ!

「この道で手を繋いで歩く2人は、必ず結婚するそうだ」

「へ~ぇ? 私は結婚する気はないよ?」

「ま、今回はその候補に挙がる、って所だな」

「それならヨシ」




「ここが最後になる」

「ここはなに?」

 岩の多い河原で、子供が沢山いるけど、それ以上にお年寄りも多い。
 なぜか岩に腰かけて、足を川に入れている。

「ここの近くには熱い温泉が湧いていてな、川の水で冷まされて、丁度いい温度になっているんだ」

「それで足を川に入れているのね」

 岩に腰かけて、川に足をつけてみる。
 わ、温かい。本当に丁度いい湯加減だ。

「ここは女性に人気の場所でな、冷え性にいいそうだぞ」

「本当に? でも納得の温かさ」

 膝の下まで足をつけてるけど、あ~……温かい……ずーっと足をつけたままで……いられ……そう……。

 気が付くと、少し日が傾いていた。

「あ、あれ? 私寝ちゃった?」

「ああ、気持ちよさそうだったぞ」

 すぐ側からセルジュの声がする。どこに居るの?
 って私、セルジュの肩に頭を乗せて寝てた!

「ご、ごめんなさい」

 慌てて体を離す。

「なーに、可愛い寝顔が見れたんだ。もっと使っていいぞ」

「ば、バカな事言わないの。も、もう日が暮れるから、今日はもう帰りましょう?」

「ん、そうだな」

 ああ、でも本当に今日はノンビリできたな。
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