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35話
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どうやら第6王子は元に戻ったみたいだけど、なんだろう、少し後悔してる自分がいる。
「ここは一体? む? アナタはセルジャック王太子ではありませんか? なぜヴァルプールに居るのです?」
「残念ながら、ココはメジェンヌ国だ。貴殿は私の招集に応じてここに来たわけだが……覚えていないか?」
「招集に……? ああ、夢の中でメジェンヌに呼ばれましたが、まさか正夢でしたか」
夢? ツバルアンナの薬の影響下では、夢を見てるような感覚なの?
洗脳された時の記憶が無くなるわけじゃない、ってことなら、とっても助かるんだけど。
「では夢の話でも構わないが、貴殿はこの女性、アトリアがヴァルプールから追放された時の事を、覚えているか?」
「覚えている。確か兄上が溺愛していた女性を、突如として婚約破棄した上に追放したのだ、忘れるはずがない」
その時の事は覚えてるみたい。
じゃあ薬を盛られたのはその後って事かな。
「では次だが、メジェンヌ国がアトリアが聖女として擁立したのは覚えているか?」
「メジェンヌが? いや待て、聖女は我がヴァルプールが見つけ、友好の証しとしてメジェンヌの送ったのでは……ん? いや、あれ? だからアトリア嬢は追放されて……聖女はヴァルプールで……???」
どうやら洗脳前と洗脳後の、記憶の食い違いに戸惑ってるみたい。
そっか、洗脳されていると違いにすら気づかないんだ。
「それではもう一つ聞こう、夢を見る直前は何をしていた?」
セルジュのこの質問に対する答えが、マーテリー王太子妃関連の物ならば、間違いなくマーテリー王太子妃……ううん、マーテリーが薬を持ったことになる。
「確か……家族でお茶をしていた。兄上の新しい婚約者であるマーテリー嬢の顔合わせ……だった」
「そこにマーテリーは居たか?」
「いた。みんなに紅茶を入れて回っていたからな。変わった味の紅茶だった」
「ほほぅ? どんな味がしたのかね?」
今まで大人しかったレオン科学技術庁長官が声を出した。
味? 味なんて関係あるの?
「とてもニガかった。それを誤魔化すのに砂糖を沢山いれた」
「ふむふむ、ニガい……と」
あ、ツバルアンナの薬の成分とか調べてるのかな?
第6王子に変な実験とかしなきゃいいけど。
「それで、お前は夢を見始めたのだな?」
「そうだな……夢、だったのか? どうして夢の中でマーテリー嬢が、聖女は我が国で見つけたなどと言ったのだろう。私の願望か? 聖女を手籠めにしたいと思っていたが」
「アウトーーーーーー!!!!!」
本当にこの人は! 本当に洗脳して真人間にしてやりたい!!
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「残念ながら、ココはメジェンヌ国だ。貴殿は私の招集に応じてここに来たわけだが……覚えていないか?」
「招集に……? ああ、夢の中でメジェンヌに呼ばれましたが、まさか正夢でしたか」
夢? ツバルアンナの薬の影響下では、夢を見てるような感覚なの?
洗脳された時の記憶が無くなるわけじゃない、ってことなら、とっても助かるんだけど。
「では夢の話でも構わないが、貴殿はこの女性、アトリアがヴァルプールから追放された時の事を、覚えているか?」
「覚えている。確か兄上が溺愛していた女性を、突如として婚約破棄した上に追放したのだ、忘れるはずがない」
その時の事は覚えてるみたい。
じゃあ薬を盛られたのはその後って事かな。
「では次だが、メジェンヌ国がアトリアが聖女として擁立したのは覚えているか?」
「メジェンヌが? いや待て、聖女は我がヴァルプールが見つけ、友好の証しとしてメジェンヌの送ったのでは……ん? いや、あれ? だからアトリア嬢は追放されて……聖女はヴァルプールで……???」
どうやら洗脳前と洗脳後の、記憶の食い違いに戸惑ってるみたい。
そっか、洗脳されていると違いにすら気づかないんだ。
「それではもう一つ聞こう、夢を見る直前は何をしていた?」
セルジュのこの質問に対する答えが、マーテリー王太子妃関連の物ならば、間違いなくマーテリー王太子妃……ううん、マーテリーが薬を持ったことになる。
「確か……家族でお茶をしていた。兄上の新しい婚約者であるマーテリー嬢の顔合わせ……だった」
「そこにマーテリーは居たか?」
「いた。みんなに紅茶を入れて回っていたからな。変わった味の紅茶だった」
「ほほぅ? どんな味がしたのかね?」
今まで大人しかったレオン科学技術庁長官が声を出した。
味? 味なんて関係あるの?
「とてもニガかった。それを誤魔化すのに砂糖を沢山いれた」
「ふむふむ、ニガい……と」
あ、ツバルアンナの薬の成分とか調べてるのかな?
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「それで、お前は夢を見始めたのだな?」
「そうだな……夢、だったのか? どうして夢の中でマーテリー嬢が、聖女は我が国で見つけたなどと言ったのだろう。私の願望か? 聖女を手籠めにしたいと思っていたが」
「アウトーーーーーー!!!!!」
本当にこの人は! 本当に洗脳して真人間にしてやりたい!!
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