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やめてほしい
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16 やめてほしい
興奮しながら身振り手振りで果実水の味の感想を伝えてくるフェルの様子をひときしり堪能したあと、僕たちは夕食を食べに食堂に行った。
宿の料理は家庭的な感じがして美味しかった。トマトベースのシチューが名物らしくて、それを注文した。
シチューは優しい味で幸せな気分になれた。
部屋に戻るとフェルはお風呂に入りに行った。なんかちょっとオシャレな布のポーチを持ってユニットバスに入って行った。きっとそれも今日買ったものなんだろう。
別行動でお買い物して良かった。フェルも買い物が上手くなったみたいだし。何より喜んでくれてることが、なんか嬉しい。
バスルームの方からシャワーの音が聞こえる。
……落ち着かない。とても落ち着かない。
なにもすることがないのでひたすら水を飲んだ。部屋にあった水だけじゃ足りないのでマジックバッグから水の入った樽を出して水差しに補充してさらに飲んだ。
カチャッて音がしてフェルが出てくる、あのフェルが繕っていた鎧下を着ていた。
「ごめんね、ちょっとトイレ」
そう言って入れ替わりでユニットバスのドアを閉めた。
ほんとかっこ悪いな僕。
用を済ませてユニットバスから出るとフェルがタオルで髪を拭いていた。寝る時は鎧下を着て寝るみたいだ。薄手のその鎧下は体にピッタリと密着していて、体のラインが丸わかりだ。
揺れるフェルの胸は程よい大きさで、先端に突起のような膨らみが感じられる。
気のせいだ。気のせい。
顔が熱くなるのを誤魔化しながらフェルの後ろに回って髪を乾かし始める。
フェルは細くてしなやかな髪をしていた。
ちょっとこちらの事情もあって腰を引いた体勢になるとなんだ疲れているのか?と言って僕をベッドに座らせ、フェルは近くに椅子を寄せて座った。
気持ちよさそうに上を向くフェル。
髪を乾かしながらついフェルの胸に目がいってしまう。胸の先端はぷっくりと膨らんでいて、その先には小さな突起が見える。
気のせいではなかったのだ。
なるべく見ないようにしても磁石のようにその胸に目が引き寄せられる。
だめだ、もう立てない。立ち上がってるけど立てない。これには人には言えない事情があるんだ。
もはや自分でなにを考えているのかわからない。
フェルの髪が乾いた頃、僕はもうグッタリとしてベッドに突っ伏していた。
「なんだ?魔力切れか?そんなに無理をさせてしまっていたのか?」
フェルが、コップに入っていた桃の果肉をスプーンでかき集めて食べながら言う。
「大丈夫だよ、魔力切れってわけじゃないからちょっとね、疲れが溜まっていたのかも」
溜まっていたのは疲れではないのだが。
だいぶ落ち着いてきたので気を取り直して洗い物をすることにした。
綺麗に果肉のなくなったコップをユニットバスに持って行き、水魔法で洗った。昼間の鍋のことを思い出して、マジックバッグからそれも取り出して洗った。
フェルは櫛で髪をとかしている。
口調は男っぽいけどやっぱり女の子なんだよな。守ってあげたい気持ちになるけど、多分フェルの方が僕の何倍も強いんだろうな。
だって襲いかかって来たやつの腕を切り飛ばしたんだもん。
僕も切り飛ばされないように気をつけよう。
切り飛ばされるところが腕だけとは限らない。
フェルが髪をとかし終えて、あかりを消して一緒に布団に入る。
しばらくしてフェルが、手を繋いでもいいかと聞いてくる。大丈夫だよと言って仰向けの状態で右手をフェルの方に伸ばした。その手をフェルの左手が握り返す。
僕の心臓が音がフェルにも聞こえちゃうんじゃないかってくらい激しく動く。
手を繋いでいるから寝返りを打ってフェルに背中を向けることができない。
落ち着かなくてフェルの方に横向きになったり、また仰向けになったりともぞもぞ寝返りを打つ。
フェルが眠たそうな声で、「なんだ眠れないのか?もう少しこっちに来い」そう言って右手で僕を抱き寄せその胸に僕の顔を埋める。
やめてほしい。本当にやめてほしい。
なんかもうお腹いっぱいで溢れそうだよ。フェル。
なにがどうだとか説明できないけど。
ますます眠れなくなっちゃう。
フェルは眠ってしまったようだ。
フェルの心臓の音がかすかに聞こえる。
石鹸のいい匂いがする。
柔らかくてあたたかくて、なんか落ち着く。
その後の記憶はない。眠れないかと思ったけれど、実際僕もけっこう疲れていたみたいだ。
目が覚めたらちょうど日が上るくらいの時間だった。
フェルに抱きしめられたまま眠ってしまったらしい。目の前でフェルの柔らかそうな胸が呼吸に合わせてうごいている。
布団の中でよじ登り、フェルと同じ高さになるように体勢を整える。フェルはまだ静かに寝ている。
すごく愛しい気持ちが溢れて、腕をフェルの肩に回して優しく抱きしめた。
しばらくの間そうしていたけれど、急にフェルがもぞもぞ動き出したので左手をすぐ撤退させた。
目を覚ましたフェルと目があって。
おはよう。2人ほぼ同時に言った。
興奮しながら身振り手振りで果実水の味の感想を伝えてくるフェルの様子をひときしり堪能したあと、僕たちは夕食を食べに食堂に行った。
宿の料理は家庭的な感じがして美味しかった。トマトベースのシチューが名物らしくて、それを注文した。
シチューは優しい味で幸せな気分になれた。
部屋に戻るとフェルはお風呂に入りに行った。なんかちょっとオシャレな布のポーチを持ってユニットバスに入って行った。きっとそれも今日買ったものなんだろう。
別行動でお買い物して良かった。フェルも買い物が上手くなったみたいだし。何より喜んでくれてることが、なんか嬉しい。
バスルームの方からシャワーの音が聞こえる。
……落ち着かない。とても落ち着かない。
なにもすることがないのでひたすら水を飲んだ。部屋にあった水だけじゃ足りないのでマジックバッグから水の入った樽を出して水差しに補充してさらに飲んだ。
カチャッて音がしてフェルが出てくる、あのフェルが繕っていた鎧下を着ていた。
「ごめんね、ちょっとトイレ」
そう言って入れ替わりでユニットバスのドアを閉めた。
ほんとかっこ悪いな僕。
用を済ませてユニットバスから出るとフェルがタオルで髪を拭いていた。寝る時は鎧下を着て寝るみたいだ。薄手のその鎧下は体にピッタリと密着していて、体のラインが丸わかりだ。
揺れるフェルの胸は程よい大きさで、先端に突起のような膨らみが感じられる。
気のせいだ。気のせい。
顔が熱くなるのを誤魔化しながらフェルの後ろに回って髪を乾かし始める。
フェルは細くてしなやかな髪をしていた。
ちょっとこちらの事情もあって腰を引いた体勢になるとなんだ疲れているのか?と言って僕をベッドに座らせ、フェルは近くに椅子を寄せて座った。
気持ちよさそうに上を向くフェル。
髪を乾かしながらついフェルの胸に目がいってしまう。胸の先端はぷっくりと膨らんでいて、その先には小さな突起が見える。
気のせいではなかったのだ。
なるべく見ないようにしても磁石のようにその胸に目が引き寄せられる。
だめだ、もう立てない。立ち上がってるけど立てない。これには人には言えない事情があるんだ。
もはや自分でなにを考えているのかわからない。
フェルの髪が乾いた頃、僕はもうグッタリとしてベッドに突っ伏していた。
「なんだ?魔力切れか?そんなに無理をさせてしまっていたのか?」
フェルが、コップに入っていた桃の果肉をスプーンでかき集めて食べながら言う。
「大丈夫だよ、魔力切れってわけじゃないからちょっとね、疲れが溜まっていたのかも」
溜まっていたのは疲れではないのだが。
だいぶ落ち着いてきたので気を取り直して洗い物をすることにした。
綺麗に果肉のなくなったコップをユニットバスに持って行き、水魔法で洗った。昼間の鍋のことを思い出して、マジックバッグからそれも取り出して洗った。
フェルは櫛で髪をとかしている。
口調は男っぽいけどやっぱり女の子なんだよな。守ってあげたい気持ちになるけど、多分フェルの方が僕の何倍も強いんだろうな。
だって襲いかかって来たやつの腕を切り飛ばしたんだもん。
僕も切り飛ばされないように気をつけよう。
切り飛ばされるところが腕だけとは限らない。
フェルが髪をとかし終えて、あかりを消して一緒に布団に入る。
しばらくしてフェルが、手を繋いでもいいかと聞いてくる。大丈夫だよと言って仰向けの状態で右手をフェルの方に伸ばした。その手をフェルの左手が握り返す。
僕の心臓が音がフェルにも聞こえちゃうんじゃないかってくらい激しく動く。
手を繋いでいるから寝返りを打ってフェルに背中を向けることができない。
落ち着かなくてフェルの方に横向きになったり、また仰向けになったりともぞもぞ寝返りを打つ。
フェルが眠たそうな声で、「なんだ眠れないのか?もう少しこっちに来い」そう言って右手で僕を抱き寄せその胸に僕の顔を埋める。
やめてほしい。本当にやめてほしい。
なんかもうお腹いっぱいで溢れそうだよ。フェル。
なにがどうだとか説明できないけど。
ますます眠れなくなっちゃう。
フェルは眠ってしまったようだ。
フェルの心臓の音がかすかに聞こえる。
石鹸のいい匂いがする。
柔らかくてあたたかくて、なんか落ち着く。
その後の記憶はない。眠れないかと思ったけれど、実際僕もけっこう疲れていたみたいだ。
目が覚めたらちょうど日が上るくらいの時間だった。
フェルに抱きしめられたまま眠ってしまったらしい。目の前でフェルの柔らかそうな胸が呼吸に合わせてうごいている。
布団の中でよじ登り、フェルと同じ高さになるように体勢を整える。フェルはまだ静かに寝ている。
すごく愛しい気持ちが溢れて、腕をフェルの肩に回して優しく抱きしめた。
しばらくの間そうしていたけれど、急にフェルがもぞもぞ動き出したので左手をすぐ撤退させた。
目を覚ましたフェルと目があって。
おはよう。2人ほぼ同時に言った。
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